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06資料3-1HPVワクチンの男性への接種について (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63875.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第31回 9/25)《厚生労働省》
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HPVワクチンの男性接種の費用対効果分析におけるモデリングについてのこれまでの経緯


ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンファクトシート追補版の費用対効果に係る文献レビューの対象となった論
文では、接種者本人以外の罹患減少効果を考慮できるダイナミックモデルが多く採用されていた。
○ しかし、ダイナミックモデルを構築するために必要な十分な国内データがなかったため、マルコフモデルと女性接種
に関する評価モデルを用いてHPVワクチンの男性接種の費用対効果分析を行っていただいた。

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンファクトシート追補版の費用対効果分析におけるモデリングに関する記載



文献レビューを行ったHPVワクチンの男性接種の費用対効果分析の論文5件のうち5件で女性への間接的効果(主に子宮頸
がん)が評価に組み込まれていた。
○ また、本ファクトシートで引用した9価HPVワクチンの費用対効果評価のシステマティックレビューでは、34件の費用対効
果の論文が検討されており、このうち14件が男性接種の研究であった。14件すべての研究で、女性への間接的効果(主に子
宮頸がん)が評価に組み込まれている。「男性」接種による「女性」の子宮頸がんの罹患減少効果を推計する際には、必然的
に接種者以外への波及効果を組み込んだモデルが必要となり、接種者本人以外の罹患減少効果を考慮できるダイナミックモデ
ルが14件全ての研究で採用されている。
○ ダイナミックモデルは集団への影響評価を前提とするため、通常の罹患率のデータに加え、性行動の頻度や男女間の感染確
率などについてもデータが必要になるが、十分な国内データに基づいてダイナミックモデルを再構築することが困難であるこ
とから、男性のHPV関連各種疾患への直接的な効果をマルコフモデルにより推計し、女性への間接的効果(子宮頸がんの予防
効果)を女性接種に関する評価モデルを通して推計することとした。
注1:マルコフモデルとは、複数の健康状態を設定し、それらの間を一定の遷移確率で移動する過程を数理的に表現する手法。
時間の経過に伴い患者が異なる状態へ移行する様子を追跡できる点が特徴で、モデル構築が比較的容易であり、個人レベルの
疾病経過を評価するのに適している。
注2:ダイナミックモデルとは、集団内の感染伝播を数理的に記述する手法。
感染者数や免疫獲得者数に応じて時間とともに感染リスクが変化する点が特徴で、接種者以外への波及効果(間接効果)を考
慮できる利点がある。
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