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2026年度改定における在宅業務に係る要望事項 (3 ページ)

公開元URL https://secure.nippon-pa.org/pdf/demand_2025_09.pdf
出典情報 2026年度改定における在宅業務に係る要望事項(9/16)《日本保険薬局協会》
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調査結果 Summary
要望事項4 かかりつけ及び在宅医療に係る対人業務の評価
今後、人的リソース不足が深刻化する見通しの一方で、高齢化はさらに進み、かかりつけ薬剤師や在宅訪問薬剤管理に係る対人業務の重要性は
増々高まることから、より一層推進され、かつ、持続可能な報酬体系でなければならない。
② 在宅訪問薬剤管理について、現行の評価では推進どころか現状を維持することも困難である。 まず、在宅訪問薬剤管理にかかる運営コストに見合っ
た持続可能な評価とすること、さらに一層の推進に対するインセンティブとなる報酬体系を要望する。

③ 在宅業務においては、治療に係る多職種間のシームレスな情報連携、治療を受ける患者のみならず、その家族の負担を軽減するために、頻繁な訪問
や相談応需等、臨機応変、かつ、柔軟な対応を行っている。
➢ 認知症の人やその家族を支えるための多職種連携や、薬物治療上の成果を評価することを要望する。
➢ 外来治療から在宅療養への移行時に、患家を訪問し、多職種と連携して訪問薬剤管理指導のための服薬状況の確認や薬剤の管理等の必要な指導等を実施した場合
の評価を要望する(在宅移行初期管理料の外来治療患者への適応)

調査結果 Summary
調査によると、在宅業務における薬剤師1人・1時間あたりの収益は4,715円であり、これは同時間あたりの給与費をも下回っており、人件費以外にも様
々な運営コストが発生することを踏まえると、在宅業務は深刻な赤字構造であった。この背景には、1件の訪問あたり平均98分という、外来業務の約8倍
にもおよぶ作業時間や、緊急対応といった精神的な負担があり、薬局に勤務する一日当たり平均薬剤師数は2.7人という限られた薬剤師で対応するには
構造的な課題も抱えている。
特に、終末期や、がん、腎不全、小児疾患といった特定疾患の患者様、あるいは重度の要介護者への訪問は、作業時間が長くなる傾向にあり、緊急
時対応への待機や終末期特有の業務、多職種連携において、薬剤師は高い精神的負荷を感じていた。また、認知症患者様への対応も「精神的負荷を
特に感じる」ケースでは128分にまで増大しており、個々の患者様の状態に応じた手厚いケアには相応の評価が不可欠である。
加えて、患者が療養の場を円滑に移行するための支援も薬剤師の重要な役割である。外来患者が在宅へ移行するケースもあり、病院の退院から在宅
に移行するケースと同様に、薬剤師が訪問し、必要な指導を行った場合を評価する「在宅移行初期管理料」の適用拡大などが望まれる。
高齢化の進展に伴い、在宅医療への需要は今後ますます増大し、2040年頃にはピークを迎えると予測される中で、今回の調査結果が示すように、薬
剤師による在宅業務を支える現行の評価体系は、その実態と貢献度を全く反映できておらず、未来の需要に応えるどころか、現在の医療提供体制そのも
のが危機に瀕している。国民が安心して在宅療養を選択できる環境を将来にわたって確保するためにも、運営コストや業務負荷に見合った評価と、専門
性の高い業務や多職種連携の成果を適正に評価する報酬体系を強く要望します。
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