よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


病院総合医養成事業のご案内-日本病院会、全国自治体病院協議会、全国国民健康保険診療施設協議会 3団体共同事業- (3 ページ)

公開元URL https://www.hospital.or.jp/site/news/file/1755071199.pdf
出典情報 病院総合医養成事業-3団体共同事業(8/13)《日本病院会、全国自治体病院協議会、全国国民健康保険診療施設協議会》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

I. 理念
高齢化や人口減少が進み地域の医療ニーズが大きく変化していく社会において、総合的
な医療ができる医師の不足は深刻な問題である。わが国では入院患者の高齢化率は高く、
病態は複雑化・重症化していて、専門医では主疾病のみの治療となり、多くの疾病を有する
高齢患者では対応困難なことも多い。
安心・安全で快適な入院生活を送るためには、入院患者の併存疾病が重篤化することな
く、生活機能が維持された状態であることが重要であり、迅速な初期対応や健康管理・機能
維持を積極的に行うことが望まれる。これらを実現するためには、医療とケアを包括する多職
種協働のチーム医療の推進は不可欠である。
これまで各診療科専門医として特定の臓器や病気を診療してきた医師が、改正医療法第
六条の三に規定する、「かかりつけ医機能」を発揮し、幅広い領域の疾病にも対応できれ
ば、総合的な診療能力を備えた病院の総合医の役割を果たすことが出来ることとなる。わが
国では総合診療医は不足しているが、個々の有する専門性や経験を生かして、総合医とし
て新たなキャリア形成する仕組みを作り、地域医療の最前線で「かかりつけ医機能」を学ぶこ
とが、地域における医師偏在化の問題解決の糸口になると考える。
医師は、臨床・教育・研究の 3 領域で役割をもち、病院では臨床能力を発揮するだけで
なく、人材育成、臨床研究にも関わることが求められる。さらに総合医は総合的臨床能力(知
識・技能)、倫理観、人間性、社会性をもって医療を展開しなければならない。病院には介
護・福祉施設と連携しながら、日本国民の生活・予防・健康の視点を持つ人材育成を進める
責務もある。その実現のためには、地域間の医療格差、医療・介護連携の遅れ、人材不足
など、医療や介護が抱える様々な課題を包括的に考えることができ、かつ地域包括ケアシス
テムにも関与できる総合医が必要である。
このような状況を勘案し、一般社団法人日本病院会、公益社団法人全国自治体病院協
議会及び公益社団法人全国国民健康保険診療施設協議会の 3 団体は、病院総合医 3 団
体共同認定を次の理念に基づいて認定する。
1. 多様な病態を有する患者に対応できる総合的な診療能力を備えた医師を養成する。
2. 社会性・人間性・倫理観を兼ね備え、包括的な診療を実践できる医師を養成する。
3. 多職種スタッフが参加するチーム医療を推進できる医師を養成する。
4. 「かかりつけ医機能」を発揮し、治し支える医療を提供できる医師を養成する。
5. 地域住民とともに地域包括ケアシステム構築に貢献できる医師を養成する。

2