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(本文)「国立健康危機管理研究機構の創設に向けて ~感染症に不安を抱くことのない社会の実現~」 (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/tvision231211.html
出典情報 国立健康危機管理研究機構準備委員会(第4回 4/9)《厚生労働省》
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ない。2つ目は、リサーチというのは今週やって来週休むといったオンオフでやるものではなく、
継続的に続けなければいけないもの。そして、3つ目、例えば火事を消すたびに毎回消防団を
解体させることはしない。そうした考え方が重要である。また、人材の誘致にはインセンティブも
重要。海外で学んだ研究者が帰国したくなる環境整備が重要である。
・ 危機管理という点では、感染症が基本になります。しかしながら、新しい機構は世界で初めて
総合病院機能を持つことになります。なので、感染症の患者がほかの病気を持っている場合、
どう治療するのか。それの下になる研究をどうするのか。例えば糖尿病と感染症の関係、こうい
った融合効果が期待されます。なので、まずは感染症を中心とした総合病院機能を持つ健康
危機管理を発展させて、ほかの健康危機管理にも対応できる。こういう手順を踏むことが重要
です。その結果、1足す1は5になると思います。
・ 例えば、シンガポールでは、NCID の隣に総合病院があり、感染症の患者がほかの病気を持っ
ている場合など、コロナ以外の合併症の患者さんの治療もできたという事例があるように、感
染症と非感染症の対応について、必ずしも完全に分けることはいいことではなく、新機構が有
する総合病院機能は期待できる。そもそも、非感染症と一言で言っても、例えばがんの一部は
ウイルス由来で、ワクチン治療もできるので、非感染症という用語自体、適当ではないのではな
いかと思っている。
〇Dr. Larson
・ エボラパンデミックの後は、みんなサーベイランスとか、システムとか、ガバナンスとか、人をどう
するかといったことにずっとフォーカスしていたが、一般の人たちの備えるということに関しては
あまりフォーカスされていなかったと思う。一般国民のエンゲージメントというのが大変重要で、
また、そういった人たちの協力がなければ危機管理はできない。
・ マッカーサーアワードというグローバルリスニングプログラムにおいてで学んだことだが、コロナ
禍の日本においては、技術的な評価はよかったにもかかわらず、日本の政府の対応のスコアは
大変低かった。それは恐らく厚労省やほかの政府は、やはり症例数や死亡数といったことをずっ
と重視していたが、国民のニーズに応じた情報発信が不十分であったいうこと。
・ インテリジェンスも大変重要であるが、単に疾病のインテリジェンスやサーベイランスだけでは
なく、情報のサーベイランスが重要。WHO とかカナダのプロメイトなどではオンラインのグロー
バルリスニングネットワークというのを活用している。ソーシャルメディア、地元のニュース、うわ
さなど、様々な情報源を活用し、すべからく察知するようにする。これは疾病のアウトブレイクを
察知するためだけではなく、何らかの信号を早期に検知することが有用であるためである。昔
ユニセフのワクチンに関するコミュニケーション担当をしていたときにも、エボラウイルスのアウ
トブレイクに関しても、実際に現地で正式なリリースがあるとかいう前に、現地のニュースで知っ
たというのがあって、すぐに現場のオフィスに連絡をしたという経験がある。そのようなインフォー
マルな情報源のほうが早く伝わる場合もある。
・ フェイクニュースに関してだが、やはり危機管理という意味ではリスクコミュニケーションのスキ
ルを有する専門家を確保することが大変重要。リスクコミュニケーションの部門があれば、実際
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