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(本文)「国立健康危機管理研究機構の創設に向けて ~感染症に不安を抱くことのない社会の実現~」 (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/tvision231211.html
出典情報 国立健康危機管理研究機構準備委員会(第4回 4/9)《厚生労働省》
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Piot 博士夫妻とのワーキングディナーにおける主なコメント
〇Dr. Piot
・ コロナ禍において、日本はほかの国に比べるとかなり対応がよかった。死亡率などを見ても明
白。一方で、ワクチン開発や臨床試験など日本も他国も改善の余地があったと思う。
・ 日本には皆さんのような大変すばらしい機関がすでに2つあるので、それらの機関の強みをど
うやって最適化するかということを考える必要がある。算数をすると、1足す1はこの場合は3、少
なくとも2ではない、もし2だったらば、それは大きな失敗ということ。
・ 日本は 2 つの機関の強みをどうやって最適化するか考える必要がある。合併には必ず問題が
あり、コストや人件費がかかるし、カルチャーも違う。公共に資するためのチェンジマネジメント
(変更管理)が重要だと思う。
・ 危機管理のミッションとした組織をつくる場合、いろいろな側面からのアプローチが必要である。
当然、サイエンスそのものに関してはトップでなければならないが、サイエンスといっても単にバ
イオメディスン(生物医学)だけではなく、ヘルス、パンデミック、エピデミックに対応するために
は、社会科学、疫学、数学、経済学といったほかの分野も巻き込む必要がある。その上で、一つ
は効率的なデータへのアクセスが可能であること。2つ目は内部だけでなく一般国民とのコミ
ュニケーションの強化。3つ目はネットワークの構築と、自身がそのネットワーク中心にいること
が重要である。
・ ヨーロッパにおいて平時の指揮系統を統括するのは保健省であるが、危機的状態になったとき
は EU のプレジデントがコマンドを取る。日本も既にそのような組織構造になっていると思うが、
それを機能させるためには危機時に迅速に予算を投入できるような柔軟性が必要。
・ 2つの機関が統合する際に、いろいろと考えなければいけないことがある。一つはチェンジマネ
ジメントで、そのために統合のインセンティブや、目的が何であるかを明確にする必要がある。
そして、全ての職員が統合による変化を自分の問題として認識した上で、自らのキャリアやイン
センティブについて考えることができる環境を構築することが重要。もう一つは IT システムを統
一し、社内で職員が共通の情報を利活用できるようにすることが重要である。
・ 地域をまたがる全国的な臨床試験ネットワークを構築することが重要だと思うが、そのための
データシステムの整備が重要。また、もう一つ重要なのは、新組織があらゆることを全て自分た
ちで行うのではなく、可能な限り全国にすでに存在するノウハウを活用できるようにするための
ネットワークを構築することが必要である。
・ 2015 年に西アフリカでエボラ熱のパンデミックがあった直後に、イギリスで Rapid Support
Team というものをつくった。その際、当時の保健大臣からパンデミックとパンデミックの間は、
何も仕事をしないのにお金を払い続けるのかと聞かれた。それに関しては3つあると思う。まず
1つ目としては、危機がない日はない。チームのメンバーが仕事をせずにいる日は一日たりとも
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