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07 参考資料 1-1 百日せきファクトシート[6.8MB] (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34803.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第20回 8/29)《厚生労働省》
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百日せきワクチン ファクトシートの要約
背景
百日咳はワクチンで予防可能な疾患(Vaccine Preventable Diseases, VPD)の一つであ
る。現在多くの先進国で百日咳の再興が認められているが、日本でも 2000 年以降、青
年・成人患者の報告数が増加しており、また、局地的で散発的な発生も確認されている。
現在多くの先進国では百日咳対策として青年・成人層への百日せきワクチンの追加接種
が行われており、妊婦への接種が実施されている国もある。
2016 年 2 月に一般財団法人阪大微生物病研究会(以下、阪大微研)が製造する「沈
降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン」
(DTaP)の製造販売承認書の変更が行
われ、乳幼児期に 3 回又は 4 回接種された 11〜13 歳未満の小児、さらに青年・成人層
における追加接種が可能となった。
疾患の特性
百日咳の主な原因菌は百日咳菌であり、乾性咳嗽や発作性の咳を引き起こす。百日咳
は特にワクチン未接種の乳幼児が罹患すると重篤化し易く、0 歳で発症すると半数以上
が呼吸管理のため入院加療となっているとの報告がある。また、百日咳は家族内感染に
より、小児から母親、同胞に容易に感染する。国内では特異性の高い検査法として百日
咳菌 LAMP 法(loop-mediated isothermal amplification)が開発された。早期診断に有用と
され、2016 年 11 月から健康保険適用となった。
国内の疫学情報
百日咳は感染症法に基づく感染症発生動向調査の定点把握疾患であり、全国約 3,000
箇所の小児科定点から毎週、年齢別・性別に患者数が報告されている。国内では 1981 年
1982〜83 年には 4〜5 月と 8〜9 月に患者報告数が増加した。
に DTaP が導入されたが、
その後減少し、2001 年以降は流行を示す季節性のピークは不明瞭になった。2007 年前
半には毎週の定点当たり報告数が 0.03 未満となり、1982〜1983 年の約 10 分の1に減
少した。報告患者の年齢分布は、2000 年代の初期は 0 歳が約 45%で、5 歳以下が全体の
約 85%を占めた。その後、乳幼児の報告割合は減少し、2010 年には 20 歳以上が 48.2%
と最も多くなり、その後減少して 2015 年の 20 歳以上の割合は 25%となった。2005〜
2015 年の 0 歳の患者報告数は年平均 530 人(335〜810 人)であった。現行の感染症発
生動向調査の届出は小児科定点からであり、成人の患者数は正確に把握できていない。
また、臨床診断による届出のため、百日咳菌以外の病原体による患者が含まれている可
能性がある。
2009〜2013 年に実施された 15 歳未満の百日咳入院例についての後方視的調査では、
0 歳が 86%で、死亡例の報告はなかった。また、入院率は 5 歳未満で 11.8/10 万人年で
あり、全国の年間入院患者数は 618 人と推定された。推定感染源は、同胞(21.9%)、母
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