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参考資料1 高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編) (32 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29434.html
出典情報 高齢者医薬品適正使用検討会(第16回 11/30)《厚生労働省》
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急性気道感染症のうち感冒や、成人の急性副鼻腔炎、A群β溶血性連鎖球菌が検出
されていない急性咽頭炎、慢性呼吸器疾患等の基礎疾患や合併症のない成人の急性気
管支炎(百日咳を除く)
、および軽症の急性下痢症については、抗菌薬投与を行わない
ことが推奨されている。一方、高齢者は上記の感染症であっても重症化する恐れがある
ことに注意が必要である。
細菌感染症が想定され抗菌薬を開始する場合は、原則的にはその
高齢者の特性

細菌感染症の想定されるまたは判明している起因菌に感受性を有する

を考慮した薬

抗菌薬を選択する必要がある。不必要に広域なスペクトラムを有する

剤選択

抗菌薬の長期使用は、薬剤耐性菌の増加に繋がる恐れがあるため
注意が必要である。
治療期間についても、原則的には感染症の種類毎の標準的な治療
期間を遵守する。治療期間が短すぎる場合には治療失敗や再発の
恐れが、また治療期間が不必要に長過ぎる場合は薬剤耐性菌の増加
に繋がる恐れがあるため注意が必要である。
投与量に関しては、疾患や抗菌薬の種類毎に標準的な投与量を
遵守するが、高齢者では腎機能や肝機能が低下している場合も多いた
め、それらの状況に応じて適切な用法・用量の調整を行う。ただし、
急性疾患では、まず十分量を投与し有効性を担保することが、治療
タイミングを逸しないためにも肝要であり、高齢者であるからといって

投与量、使用
J.
抗微生物薬 方法に関する
(抗菌薬・抗 注意
ウイルス薬)

少なすぎる投与量で使用した場合、有効性が期待できないだけで
なく、薬剤耐性菌の増加に繋がる恐れもあるため注意が必要である。
投与量を調整する場合、一回投与量を減ずるか、または投与間隔
を延長するかの判断は、薬理作用等の薬剤特性を考慮して行う。

例えば、
フルオロキノロン系抗菌薬(ガレノキサシン[ジェニナック]

シタフロキサシン[グレースビット]
、レボフロキサシン[クラビット]

トスフロキサシン[オゼックス]など)等の濃度依存性抗菌薬の場合
は、一回投与量は減ずること無く、投与間隔を延長するほうがよい
と考えられる。
バンコマイシン塩酸塩やアミノグリコシド系抗菌薬(カナマイシン)

フルオロキノロン系抗菌薬、セフェピム[マキシピーム]
、アシクロ
ビル[ゾビラックス]などの薬剤については、腎機能の低下した高齢者
では薬物有害事象のリスクが高いため特に注意が必要である。
マクロライド系抗菌薬(クラリスロマイシン[クラリス、クラリ
シッド]
、エリスロマイシン[エリスロシン]
)やアゾール系抗真菌薬
(イトラコナゾール[イトリゾール]
、ミコナゾール[フロリード]

ボリコナゾール[ブイフェンド]
、フルコナゾール[ジフルカン]
)は

他の薬効群の

CYPの阻害作用が強く、この経路で代謝される他の薬剤の血中濃度が

薬剤との相互

上昇し薬物有害事象が問題となる恐れがある。CYPの関与する主な

作用に関する

相互作用は、
別表4(p.34)を参照。カルバペネム系抗菌薬は、バルプロ

注意

酸ナトリウム[デパケン]と併用した場合、バルプロ酸の血中濃度が低
下するため併用禁忌である。
フルオロキノロン系抗菌薬はNSAIDsとの併用で痙攣誘発の恐れが
あるため注意が必要である。
テトラサイクリン系抗菌薬(ミノサイクリン[ミノマイシン]、

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