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参考資料4 新型コロナワクチン「コミナティ筋注6ヵ月~4歳用」(ファイザー株式会社)審査報告書 (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00053.html |
出典情報 | 第87回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第16回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)《厚生労働省》 |
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接種後の中和抗体価が、COVID-19 発症予防効果と相関性を示すことが徐々に明らかになってきている
こと(Vaccine 2021; 39: 4423-8、Nat Med 2021; 27: 1205-11)を背景として、新規の SARS-CoV-2 ワクチン
の開発において、既承認の SARS-CoV-2 ワクチンを比較対照として、免疫原性の指標に基づき有効性を
評価する免疫ブリッジングの手法を活用できることを示している。小児への適応拡大の評価において、
5 歳以上の集団で既に免疫ブリッジングの手法により有効性が確認されていることからも、6 カ月~4 歳
の集団における本剤の有効性を免疫ブリッジングの手法を用いて評価することは可能と考える。
以上を踏まえ、機構は、①臨床試験で 6 カ月~1 歳及び 2~4 歳の中和抗体価を評価し、有効性が確認
されている年齢集団との比較により 6 カ月~4 歳の小児における本剤の有効性を評価する、及び②事前
に設定された免疫ブリッジングに係る成功基準に基づき有効性を評価するという申請者の評価方針は受
入れ可能と考える。なお、C4591007 試験の第Ⅱ/Ⅲ相パートでは、試験実施中に、試験計画において当
初予定された評価である 2 回目接種 1 カ月後の免疫原性の評価結果を受けて、治験薬の接種回数が変更
され、3 回目接種後の結果に基づく評価を行うこととされた(7.1.2 参照)
。この点については、前述のと
おり最新の感染状況からオミクロン株に対する有効性担保のためにはいずれの年齢層においても 3 回の
SARS-CoV-2 ワクチン接種が必要となることが示唆され、本試験の対象でも 3 回目接種が有効である可
能性が高いと考えられたこと、及びその有効性評価の緊急性を踏まえ、本試験の計画変更により 3 回目
接種の評価を行ったことは妥当であると考える。また、免疫原性の評価指標の客観性、試験計画の変更
後も 3 回目接種後の評価まで被験者及び観察者の盲検性が維持されていたこと等を踏まえ、本試験の成
績により本剤の有効性評価は可能であると考える。
また、世界全体で 2021 年 12 月からオミクロン株の流行により増加した COVID-19 患者数は、2022 年
4~6 月に一旦減少したが、7 月に入り再び増加傾向に転じている10)。本邦でも、同年 7 月に SARS-CoV2 新規陽性者数が急激に増加しており11)、5 歳未満の小児に対しても可能な限り早期に SARS-CoV-2 ワ
クチンを接種可能な状態とする必要がある。本剤の接種対象となる 6 カ月~4 歳の日本人小児対象の国
内臨床試験は実施されていないが、20 歳以上を対象とした国内臨床試験において、日本人での免疫原性
及び安全性が確認されていること及び国内でも 5 歳以上の者に対する接種経験が集積されていることに
加え、上述の 5 歳未満の小児へのワクチン導入に係る緊急性も考慮し、提出された海外 C4591007 試験
の成績に基づき、6 カ月~4 歳の小児に対する本剤の免疫原性及び安全性を評価することとした。
7.R.2 有効性について
申請者は、6 カ月~1 歳及び 2~4 歳の小児における本剤の有効性について、以下のように説明してい
る。
6 カ月~1 歳及び 2~4 歳の小児における本剤の有効性評価においては、C4591007 試験の第Ⅱ/Ⅲ相パ
ートの主要評価項目として、当初は本剤(3 μg)2 回目接種後 1 カ月時点の SARS-CoV-2(参照株)に対
する中和抗体価(GMT 及び抗体応答率)を評価することとした。しかし、C4591007 試験における 3 回
目接種の追加とともに、本剤(3 μg)3 回目接種後 1 カ月時点の SARS-CoV-2(参照株)に対する中和抗
体価(GMT 及び抗体応答率)を評価し、COVID-19 発症予防効果を検証した C4591001 試験において本
剤(30 μg)2 回の接種を受けた 16~25 歳の被験者から無作為に抽出した集団の免疫原性データと比較
する計画に変更した(治験実施計画書 2022 年 1 月 4 日改訂第 6 版)
。
10)https://covid19.who.int/(最終確認日:2022
11)https://www
年 8 月 9 日)
mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou html(最終確認日:2022 年 8 月 9 日)
12
コミナティ筋注 6 ヵ月~4 歳用_ファイザー株式会社_特例承認に係る報告書
こと(Vaccine 2021; 39: 4423-8、Nat Med 2021; 27: 1205-11)を背景として、新規の SARS-CoV-2 ワクチン
の開発において、既承認の SARS-CoV-2 ワクチンを比較対照として、免疫原性の指標に基づき有効性を
評価する免疫ブリッジングの手法を活用できることを示している。小児への適応拡大の評価において、
5 歳以上の集団で既に免疫ブリッジングの手法により有効性が確認されていることからも、6 カ月~4 歳
の集団における本剤の有効性を免疫ブリッジングの手法を用いて評価することは可能と考える。
以上を踏まえ、機構は、①臨床試験で 6 カ月~1 歳及び 2~4 歳の中和抗体価を評価し、有効性が確認
されている年齢集団との比較により 6 カ月~4 歳の小児における本剤の有効性を評価する、及び②事前
に設定された免疫ブリッジングに係る成功基準に基づき有効性を評価するという申請者の評価方針は受
入れ可能と考える。なお、C4591007 試験の第Ⅱ/Ⅲ相パートでは、試験実施中に、試験計画において当
初予定された評価である 2 回目接種 1 カ月後の免疫原性の評価結果を受けて、治験薬の接種回数が変更
され、3 回目接種後の結果に基づく評価を行うこととされた(7.1.2 参照)
。この点については、前述のと
おり最新の感染状況からオミクロン株に対する有効性担保のためにはいずれの年齢層においても 3 回の
SARS-CoV-2 ワクチン接種が必要となることが示唆され、本試験の対象でも 3 回目接種が有効である可
能性が高いと考えられたこと、及びその有効性評価の緊急性を踏まえ、本試験の計画変更により 3 回目
接種の評価を行ったことは妥当であると考える。また、免疫原性の評価指標の客観性、試験計画の変更
後も 3 回目接種後の評価まで被験者及び観察者の盲検性が維持されていたこと等を踏まえ、本試験の成
績により本剤の有効性評価は可能であると考える。
また、世界全体で 2021 年 12 月からオミクロン株の流行により増加した COVID-19 患者数は、2022 年
4~6 月に一旦減少したが、7 月に入り再び増加傾向に転じている10)。本邦でも、同年 7 月に SARS-CoV2 新規陽性者数が急激に増加しており11)、5 歳未満の小児に対しても可能な限り早期に SARS-CoV-2 ワ
クチンを接種可能な状態とする必要がある。本剤の接種対象となる 6 カ月~4 歳の日本人小児対象の国
内臨床試験は実施されていないが、20 歳以上を対象とした国内臨床試験において、日本人での免疫原性
及び安全性が確認されていること及び国内でも 5 歳以上の者に対する接種経験が集積されていることに
加え、上述の 5 歳未満の小児へのワクチン導入に係る緊急性も考慮し、提出された海外 C4591007 試験
の成績に基づき、6 カ月~4 歳の小児に対する本剤の免疫原性及び安全性を評価することとした。
7.R.2 有効性について
申請者は、6 カ月~1 歳及び 2~4 歳の小児における本剤の有効性について、以下のように説明してい
る。
6 カ月~1 歳及び 2~4 歳の小児における本剤の有効性評価においては、C4591007 試験の第Ⅱ/Ⅲ相パ
ートの主要評価項目として、当初は本剤(3 μg)2 回目接種後 1 カ月時点の SARS-CoV-2(参照株)に対
する中和抗体価(GMT 及び抗体応答率)を評価することとした。しかし、C4591007 試験における 3 回
目接種の追加とともに、本剤(3 μg)3 回目接種後 1 カ月時点の SARS-CoV-2(参照株)に対する中和抗
体価(GMT 及び抗体応答率)を評価し、COVID-19 発症予防効果を検証した C4591001 試験において本
剤(30 μg)2 回の接種を受けた 16~25 歳の被験者から無作為に抽出した集団の免疫原性データと比較
する計画に変更した(治験実施計画書 2022 年 1 月 4 日改訂第 6 版)
。
10)https://covid19.who.int/(最終確認日:2022
11)https://www
年 8 月 9 日)
mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou html(最終確認日:2022 年 8 月 9 日)
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コミナティ筋注 6 ヵ月~4 歳用_ファイザー株式会社_特例承認に係る報告書