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○【先進医療会議】先進医療の保険導入等の検討について参考資料 (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00047.html
出典情報 先進医療会議(第111回先進医療会議、第134回先進医療技術審査部会 6/9)《厚生労働省》
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先進医療の名称

<先進医療告示2>
陽子線治療

適応症
頭頚部腫瘍(脳腫瘍を含む。)、肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍又は
転移性腫瘍(いずれも根治的な治療法が可能なものに限る。)
内容
本治療法は粒子線治療装置により得られた陽子線を用いて、がんに集中して照射を行い、がんを治療する装置
である。線量集中性の良さは陽子線のもつブラッグピーク(Bragg peak)という物理学的特徴を利用することで達成さ
れる。ビーム軸方向でブラッグピークを超えた領域への被爆は皆無であり、皮膚面からブラッグピークが立ち上がる
までのエントランス部分においても、腫瘍線量より低い線量に抑えることができる。そのため、腫瘍に隣接した正常組
織への影響を軽減でき、結果的に腫瘍に十分な線量を投与できるため腫瘍の局所制御率の向上が認められる。
また陽子線は従来のⅩ線・γ線と同様に低LET(linear energyt ransfer)放射線に分類され、その生物学的特徴
が従来のⅩ線・γ線とほぼ同一と考えられている。即ち、相対的生物学的効果比(RBE:relative biological effec
tiveness)は1.0~1.2と見積もられている。このため陽子線の生物学的効果に関しては過去のⅩ線・γ線による治
療の膨大な知識や経験をそのまま用いることが出来るという長所がある。
事前に撮影したCTやMRlを用いて任意の深さにある任意の形状をした任意の大きさの腫瘍を同定し、それに対し
てブラッグピーク部で照射する治療計画を立てる。その際、腫瘍の大きさに見合うようにブラッグピークを拡大し、適
切なエネルギー、散乱体、レンジシフタを選択し、必要に応じてボーラス、コリメータを各照射門ごとに作成し、個々
の腫瘍に応じた個別化治療が行われる。
陽子線治療は、Wi1son(1946)以後、現在まで23施設、延べ28000名以上の患者に治療が行われている。本格的
に医療専用の陽子線治療装置が製作されたのは1990年ロマリンダ大学に設置されて以後であり、国立がんセンタ
ー東病院についで当施設は世界3番目の病院設置型粒子線医療施設である。
陽子線治療は、頭蓋内、眼球、頭蓋底、頭頚部、肺、食道、肝、泌尿器、婦人科、骨軟部領域など浅在から深部
にいたるまでの人体各臓器から発生した固形がんが適応疾患となる。

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