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○【先進医療会議】先進医療の保険導入等の検討について参考資料 (54 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00047.html
出典情報 先進医療会議(第111回先進医療会議、第134回先進医療技術審査部会 6/9)《厚生労働省》
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先進医療の名称

<先進医療告示18>
糖鎖ナノテクノロジーを用いた高感度ウイルス検査

適応症
インフルエンザ
内容
(先進性)
ウイルスに結合する糖鎖を固定化した、ウイルス粒子よりも小さなナノ粒子を用いて、検体中の微量なウイルス捕
捉濃縮精製することによって、従来のウイルス遺伝子抽出法よりもはるかに短時間で、簡単に高感度のウイルス性疾
患の高感度検査を行うことができるようになった。高濃度であることから、唾液など、ウイルス数が極端に少ない検体
でも検査できる。よって、現在インフルエンザの検査で一般的な鼻腔粘膜スワブを使用する必要がない。すなわち非
侵襲性の検査が可能となる。また、破壊したウイルスから遊離した遺伝子(核酸)や蛋白質がいつまでも残り、疾患に
は無関係となっても、従来の方法では区別できない場合がある。本方法では、感染性を保ったウイルス粒子のみを
捕捉濃縮するため、より臨床治療に直結した検査が可能となる。以上のように、先進性は高い。

(概要)
ウイルス(インフルエンザウイルスA 型、B 型)を対象とし、本学理工学研究科の隅田らが開発した糖鎖を固定化
した磁性金ナノ粒子(SMGNP)((株)スディックスバイオテックから研究用試薬として供給されている。未承認。)を使
用して、遺伝子を定量的リアルタイムRT-PCR により測定する。検体(唾液、または鼻汁)を等張リン酸緩衝液で希
釈し、SMGNP を加える。SMGNPは固定化されている糖鎖を介してウイルスに結合し、磁力により分離する。分離し
たウイルスとナノ粒子の混合物にSDS(高性能石けん水)を加えてウイルス粒子を破壊し、遊離してくる遺伝子を定量
的リアルタイムRT-PCR で検出する。なお、患者診療時には、患者が発熱などのインフルエンザ症状が現れてから
診断するまでの時間を記録する。保険診療として医師の判断によってイムノクロマト法である迅速診断キットを用いて
も検査する。
具体的には、各患者に対して、発熱や関節の痛み、咳などインフルエンザ症状が出てからの時間を記録し(診察
する医師は、以下の問診票を使用する)、通常の保険診療を行う。この際、医師の判断と患者の同意に基づき、保
険収載されている迅速診断キット(タウンズ社製のイムノエースFlu、またはデンカ生研社製のクイックナビFlu)を用い
て、患者検体中のウイルスをイムノクロマト法で調べる。同時に、本先進医療による検査を以下のように行う。即ち、
患者の唾液(唾液が採取できない患者の場合は、鼻汁)を採取し、SMGNP によりウイルスの捕捉濃縮精製を行っ
て、リアルタイムRT-PCR で定量的検査を行う。イムノクロマト法が陰性の場合、患者の臨床症状・理学所見と本先
進医療の結果(ウイルスのコピー数)を総合的に判断し、医師が必要と考えた場合、抗ウイルス薬を保険診療として
投与する。なお、通常の迅速キットによる検査で陽性と判別された場合は、上記のように採取した検体は、先進医療
ではなく、患者から料金検査料を徴収せずに、別途高感度検査法でウイルス遺伝子を定量して、比較データとす
る。また、先進医療における検査によって、後述するコピー数以下のウイルスを検出した検体を30 検体無作為に選
別し、別途鹿児島大学大学院理工学研究科の隅田研究室に於いて、ウイルス分離を行う。ウイルス分離が出来なか
った検体を陰性検体とし、その数W からW/30 を求め、本法の陰性適中率とする。

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