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○【先進医療会議】先進医療の保険導入等の検討について参考資料 (46 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00047.html
出典情報 先進医療会議(第111回先進医療会議、第134回先進医療技術審査部会 6/9)《厚生労働省》
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3)xTAG CYP2D6 kit v3 RUO によるCYP2D6 遺伝子多型検査の方法
CYP2D6 遺伝子多型検査キット、xTAG CYP2D6 kit v3 RUO を使用する。詳細は取扱説明書に準ずる。
①抗凝固剤EDTA またはクエン酸塩存在下で採血した全血から、ゲノムDNA を抽出、精製する(本キットで使用す
るDNA サンプル量の範囲: 24 ng - 1800 ng)。
②マルチプレックスPCR を行う。精製したDNA を用い、PCR A と、PCR B の2 種類のPCR を行う。
③2 種のPCR 産物、PCR (A)とPCR (B)を混合する。
④dNTP とプライマー不活化のため、混合したPCR 産物を、アルカリフォスファターゼ(SAP;Shrimp Alkaline
Phosphatase)/エクソヌクレアーゼ処理(SAP-EXO 処理)する
⑤SAP-EXO 処理したPCR 産物を用いて、マルチプレックスプライマーエクステンション(ASPE; Allele Specific
Primer Extension)を行う
⑥ASPE 反応液とビーズミックスをハイブリダイゼーションする。
⑦ビーズハイブリダイゼーション後、Streptavidin R-Phycoerythrin(SA-PE)で蛍光標識する。
⑧Luminex 100/200 システムを用いて検出、解析する。
4)xTAG CYP2D6 kit v3 RUO によるCYP2D6 遺伝子多型検査結果の解析
研究責任者又は研究分担者は遺伝子型から判断して表現型を特定する。表現型がIntermediate metabolizer (IM)
又はExtensive metabolizer (EM)の場合には、経口治療薬1 回100mg、1 日2 回の投与が可能となる。Ultra Rapid
Metabolizer (URM) 、及びPoorMetabolizer(PM)の患者には投与を避けることが望ましい。経口治療薬の用法用量
は、添付文書の記載に従う。
5)研究責任者又は研究分担者はCYP2D6 遺伝子多型から判断された表現型を被験者に伝え
る。被験者のゴーシェ病の治療医が研究責任者(又は研究分担者)ではない場合、研究責
任者(又は研究分担者)は治療を担当する医師にも伝える。電子媒体で伝える場合は、パ
スワードを設定し電子媒体の暗号化を図る。パスワードは電子媒体とは別に連絡する。
6)本研究によって得られた日本人患者におけるCYP2D6 遺伝子多型の分布の傾向を過去に
報告されている日本人データ4) 5) と比較を行い、傾向の類似性を確認する。これらのデー
タは海外データと共に薬事申請時の資料とすることを計画している。
(効果)
ゴーシェ病は、グルコシルセラミドを分解するグルコセレブロシダーゼ遺伝子の変異により生じる常染色体劣性遺伝
疾患であり、グルコシルセラミドの蓄積により、肝臓、脾臓、骨髄、肺等の組織障害をもたらす。日本人における発生
率は330,000 人に1 人と報告され、約150 例の患者が報告されている。現在、ゴーシェ病の治療薬として、隔週に
点滴静脈内投与する酵素補充療法用製剤(イミグルセラーゼ及びベラグルセラーゼ アルファ)並びに経口投与治
療薬であるサデルガカプセル100mg が承認されている。本検査では、ゴーシェ病患者のうち、経口投与治療薬の投
与を希望する患者のCYP2D6 遺伝子多型を測定し、その表現型がIntermediate metabolizer (IM)あるいはExtensive
metabolizer (EM)であることを確認する。本検査を受ける患者数は20 例/2 年を想定している。CYP2D6 遺伝子多
型を検査する薬事承認・保険収載された体外診断薬はない。xTAG CYP2D6 kit v3 RUO を用いた検査を経口投与
治療薬の国際共同治験において実施し、当該医療機関においては2 例の検査を行い、1 例がExtensive
metabolizer(EM)、1 例がIntermediate metabolizer(IM)であり、当該経口投与治療薬の投与に問題はなかった。本
検査の結果、表現型がEM 及びIMと診断されたゴーシェ病患者についてはゴーシェ病の治療法として従来の酵素
補充療法の他に経口投与治療薬の投与が選択可能となる。
(先進医療にかかる費用)
医療機器使用料として、541,061 円、人件費として、35,038 円、その他費用として、15,607円の合計591,706 円が
かかる。xTAG CYP2D6 v3 RUO については、ジェンザイム・ジャパン株式会社より提供される。また、本検査により
発生する費用、並びにその他人件費を含む費用について、ジェンザイム・ジャパン株式会社より提供されるため、患
者の負担分はない。

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