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3 先進医療Bの総括報告書に関する評価について(別紙3-1)[2.1MB] (11 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00111.html |
| 出典情報 | 先進医療会議(第149回 12/4)《厚生労働省》 |
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先進医療審査の事前照会事項に対する回答3
先進医療技術名:ゲムシタビン静脈内投与、ナブ―パクリタキセル静脈内投与及びパクリタキセル腹腔
内投与の併用療法
2025 年 10 月 6 日
所属・氏名:東京大学医学部附属病院 消化器内科 高原楠昊
1.2025年9月30日の回答から、症例 1 及び症例3は直接死因は原病の進行に伴う事
象と理解しました。症例2では直接死因は肝不全と回答して頂いておりますが、肝不全に
至った原因についてご説明頂きたい。
【回答】
本症例は、2020 年 3 月に膵頭部腫瘍による閉塞性黄疸を発症しました。膵癌の確定診断には至らず、
複数本の胆管ステントを留置した状態で約 4 か月間経過観察されました。その間、ステント閉塞に対して
複数回のステント交換が行われています。2020 年 7 月、腫瘍の増大傾向を認め、膵頭十二指腸切除術
が企図されましたが、術中に腹膜播種を確認し、試験開腹で終了。同年 7 月 27 日、本試験への参加希
望により当科へ紹介となりました。
試験適格性を確認後、2020 年 8 月 12 日に研究参加の同意を取得しました。しかし、8 月 14 日 肝胆道
系酵素の上昇を認め、ステント閉塞の診断で ERCP を施行しました。前医で留置した胆管ステントの一
部が胆管内に迷入しており、抜去に難渋した結果、胆管および肝実質損傷に伴う胆汁漏を生じました。
翌日には肝被膜下血腫の形成を認め、経皮的血腫ドレナージ術を施行しました。これらの事象はいず
れも化学療法との因果関係のない重篤な偶発症として CRB へ報告済みです。
2020 年 9 月 24 日、腫瘍による十二指腸閉塞に対し、内視鏡的胃十二指腸ステント留置術を施行しまし
た。しかし、同ステントにより十二指腸乳頭が被覆され、胆管閉塞を生じたため、10 月 8 日に経皮経肝胆
道ドレナージ(PTBD)を施行しました。その後、留置した胃十二指腸ステントの一部断裂を認め、回収お
よび追加留置を要しました。これらの事象も、いずれも化学療法とは因果関係のない重篤な事象として
CRB に報告しています。
2020 年 10 月 20 日に化学療法開始基準を満たすことを確認し、第 1 コースを開始しました。
しかし、11 月 13 日に総ビリルビン 4.6 mg/dL と黄疸の進行を認め、経口摂取不良および全身状態の悪
化を認め、再入院となりました。CT では腹水の増加を認めましたが、胆管拡張はなく、PTBD トラブルに
よる閉塞性黄疸は否定的でした。原病進行に伴う肝不全が疑われ、化学療法継続は困難と判断しまし
た。11 月 25 日転院、12 月 8 日に永眠されました。これらの経過については 2025 年 9 月 30 日に報告済
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先進医療技術名:ゲムシタビン静脈内投与、ナブ―パクリタキセル静脈内投与及びパクリタキセル腹腔
内投与の併用療法
2025 年 10 月 6 日
所属・氏名:東京大学医学部附属病院 消化器内科 高原楠昊
1.2025年9月30日の回答から、症例 1 及び症例3は直接死因は原病の進行に伴う事
象と理解しました。症例2では直接死因は肝不全と回答して頂いておりますが、肝不全に
至った原因についてご説明頂きたい。
【回答】
本症例は、2020 年 3 月に膵頭部腫瘍による閉塞性黄疸を発症しました。膵癌の確定診断には至らず、
複数本の胆管ステントを留置した状態で約 4 か月間経過観察されました。その間、ステント閉塞に対して
複数回のステント交換が行われています。2020 年 7 月、腫瘍の増大傾向を認め、膵頭十二指腸切除術
が企図されましたが、術中に腹膜播種を確認し、試験開腹で終了。同年 7 月 27 日、本試験への参加希
望により当科へ紹介となりました。
試験適格性を確認後、2020 年 8 月 12 日に研究参加の同意を取得しました。しかし、8 月 14 日 肝胆道
系酵素の上昇を認め、ステント閉塞の診断で ERCP を施行しました。前医で留置した胆管ステントの一
部が胆管内に迷入しており、抜去に難渋した結果、胆管および肝実質損傷に伴う胆汁漏を生じました。
翌日には肝被膜下血腫の形成を認め、経皮的血腫ドレナージ術を施行しました。これらの事象はいず
れも化学療法との因果関係のない重篤な偶発症として CRB へ報告済みです。
2020 年 9 月 24 日、腫瘍による十二指腸閉塞に対し、内視鏡的胃十二指腸ステント留置術を施行しまし
た。しかし、同ステントにより十二指腸乳頭が被覆され、胆管閉塞を生じたため、10 月 8 日に経皮経肝胆
道ドレナージ(PTBD)を施行しました。その後、留置した胃十二指腸ステントの一部断裂を認め、回収お
よび追加留置を要しました。これらの事象も、いずれも化学療法とは因果関係のない重篤な事象として
CRB に報告しています。
2020 年 10 月 20 日に化学療法開始基準を満たすことを確認し、第 1 コースを開始しました。
しかし、11 月 13 日に総ビリルビン 4.6 mg/dL と黄疸の進行を認め、経口摂取不良および全身状態の悪
化を認め、再入院となりました。CT では腹水の増加を認めましたが、胆管拡張はなく、PTBD トラブルに
よる閉塞性黄疸は否定的でした。原病進行に伴う肝不全が疑われ、化学療法継続は困難と判断しまし
た。11 月 25 日転院、12 月 8 日に永眠されました。これらの経過については 2025 年 9 月 30 日に報告済
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