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資料3-1-1 医療機器感染症定期報告感染症別文献一覧表[259KB] (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59564.html
出典情報 薬事審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和7年度第1回 7/23)《厚生労働省》
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ID

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感染症(PT)

クロストリジウ
ム・ディフィシレ
感染

クロストリジウ
ム・ディフィシレ
感染

テニア症

ブドウ球菌感染

レプトスピラ症

出典

概要

Emerging Microbes &
Infections.
13(2024)2408322

Clostridioides difficile の配列型(ST)35は、世界中のヒト及び動物で見つかっているが、そのゲノム疫学及び
クローン伝播については詳細な検討がなされていない。本研究では、6カ国から分離された176株のC.
difficile ST35の塩基配列を決定した。リボタイプ(RT)はRT046(97.2%)、RT656(1.1%)、RT427(0.6%)、RT
AI-78(1.1%)の4つが同定された。176株のST35ゲノムと公開されている50株のゲノムの系統解析から、時
間、地域、感染源に依存しない2つの特徴的な系統が明らかになった。しかし、抗菌薬耐性遺伝子の分布は
2つの系統間で有意に異なっていた。ヒトではコアゲノムの一塩基多型(cgSNPs)が2つ以下の株で院内伝播
と共同伝播が起こり、ブタではcgSNPsが4つ以下の株でクローン伝播が認められた。市中感染したC.
difficile 感染症患者3人と、疫学的関連を有するブタの間でクローン伝播が確認され、9つ以下のcgSNPsの
差が認められた。トキシンB(TcdB)濃度はブタ分離株と比較してヒト分離株で有意に高く、ST35分離株は他
のSTよりも強い胞子形成能を示した。本研究は、C. difficile ST35の種内及び種間クローン性伝播に関する
新たなゲノム学的知見と疫学的証拠を提供した。

J Vet Med Sci.
86:7(2024)769-776

子ブタにおけるC. difficile の病原性については依然として議論の余地があり、C. difficile のコントロールが子
ブタの健康を守るのに役立っているかどうかは不明である。C. difficile の存在と子ブタの下痢との関連を明
らかにするために、下痢のある子ブタと下痢のない子ブタから分離株を得た。さらに、ブタ由来C. difficile とヒ
ト由来C. difficile の遺伝的関係を明らかにするために、C. difficile 分離株の全ゲノム配列決定(WGS)を行っ
た。2021年に日本国内の5農場にて新生児のブタから下痢便及び非下痢便を採取した。ブタ由来C. difficile
とヒト臨床例由来C. difficile との関係を明らかにするために、C. difficile 分離株のWGSを実施した。毒素陽性
のC. difficile は、下痢のある子ブタで有意に多かったが、C. difficile 全体では下痢のある子ブタとない子ブタ
で差がなく、子ブタにおける毒素陽性C. difficile と下痢の関連が示された。直接的な因果関係を確立し、子ブ
タにおける下痢の他の要因を探るためには、さらなる研究が必要である。WGSの結果、日本産ブタ由来の高
病原性PCRリボタイプ078株を含むC. difficile sequence type(ST)11は、海外株(ヒト臨床株、動物由来株)
及び日本人ヒト臨床株のST11と近縁であった。毒素陽性のC. difficile は子ブタに下痢を引き起こす可能性が
あり、高病原性C. difficile はブタやヒトの間で世界的に広がっていると言える。

PLoS Negl Trop Dis.
18(2024)e0012400

本研究は、ザンビアにおける有鉤条虫感染を制御するためのリングアプローチ(感染症の広がりを防ぐた
め、地理的にターゲットを絞って治療を行う方法)について、地域住民の参加意欲に焦点を当て、その実現
可能性及び今後の課題について検討したものである。研究は、活発な有鉤条虫感染の根絶が達成された地
域で実施された。対象となるすべてのブタとヒトが4~6カ月間隔でサンプリングされ、その後リングアプロー
チが実施された。サンプリング中にブタが嚢虫症陽性を示すたびに、陽性のブタから半径50m以内に居住す
るすべての人間とブタが治療を受けた。ブタの陽性が認められないときは、ヒトの便サンプルの陽性結果が
リングの作成に用いられた。2018年6月から2019年10月にかけて、4回のサンプリングとそれに続くリング治
療が実施された。1回のサンプリングにつき2~4つのリングアプローチが展開され、リング内に住む適格なヒ
トとブタの89%から100%が治療を受けた。結果、参加者はリングが展開された際に進んで治療を受け、当
該地域においてはリングアプローチが検討される可能性が示された。しかし、ブタ嚢虫症に対する精度の高
い診断ツールがないこと、便サンプルの入手が困難であることから、同様の環境におけるリングアプローチ
の有用性はさらに評価する必要があり、またリングアプローチにおける治療法の改善が必要である。

Scientific Reports.
14(2024)19747

本研究は、南アフリカの養豚場におけるブタ、労働者、環境から採取したブドウ球菌の種分布、集団構造、
抗生物質耐性メカニズムについて評価するものである。西ケープ州にある2カ所の商業用養豚場から、健康
であると思われるブタ143頭及び養豚場労働者21名から鼻腔スワブを、また飼料及び水桶から45の環境ス
ワブを採取した。ブドウ球菌は分離及び同定され、抗菌薬感受性試験及びイルミナ全ゲノムシーケンシング
が実施された。185のブドウ球菌属(Staphylococcus spp. )分離株が得られ、最も一般的なのは
Mammalicoccus sciuri (n=57;31%)であり、次いでStaphylococcus hyicus (n=40;22%)及びStaphylococcus
aureus (n = 29;16%)であった。Staphylococcus epidermidis (S. epidermidis )は主に養豚場労働者(n=18;
86%)から同定さた。テトラサイクリン耐性はすべての種で観察され、その割合は67~100%に及んだ。M.
sciuri 分離株の大多数(n=40;70%)はメチシリン耐性であり、78%(n=31)がmecAを保有していた。M. sciuri
分離株はSCCmec_type_III(3A)及びSCCmec_type_VIII(4A)に関連する遺伝子/要素を持ち、主にST61株で
観察された。ST239株はSCCmec_type_III(3A)に関連していた。研究より、南アフリカの西ケープ州における
養豚場のブドウ球菌に高いテトラサイクリン耐性率が確認され、このことから、養豚業におけるテトラサイクリ
ン系抗生物質の使用を規制する必要性があると考えられた。

Epidemiology and
Infection.
152(2024)e118

レプトスピラ症は細菌性ズーノーシス症であり、世界的に公衆衛生上のリスクが増大している。太平洋諸島
の地域社会はレプトスピラ症の流行に対して非常に脆弱であるが、地域的な感染促進要因についてはまだ
十分に理解されていない。本研究では、太平洋諸島におけるヒトのレプトスピラ感染の要因を明らかにする
ために系統的レビューを行った。42の研究から得られた知見を記述的に統合した。熱帯の太平洋諸島では、
性別(男性)、年齢(20~60歳)、民族性(先住民族)、社会人口統計学的要因(貧困等)、生活習慣要因(水
泳、園芸、開放創等)、環境要因(季節性、多雨、げっ歯類、ウシ、ブタへの接触等)により感染が生じてい
た。これらの島で可能な緩和戦略としては、地域レベルでの疾病報告基準の強化、水の安全性の確保、ネ
ズミ駆除、養豚管理の改善、個人レベルの情報キャンペーン等がある。対照的にニュージーランドでは、主
に職業的な曝露が多く、食肉業者や農場労働者が感染している。従って、介入策としては、職業的慣行の調
整や家畜ワクチン接種の促進等が考えられる。病気伝染の複雑さと気候変動がもたらす将来の課題を考慮
すると、太平洋諸島におけるレプトスピラ症対策にはさらなる行動が必要である。

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