参考資料3-2:人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針 ガイダンス (96 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57354.html |
出典情報 | 生命科学・医学系研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議(第10回 4/24)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
医療機関等は、あらかじめ患者の同意を得ないで、当該患者の個人データを第三
者である他の医療機関等へ提供することはできません。
しかし、一般に、医療機関等における臨床症例を、他の医療機関等に提供し、当
該他の医療機関等における観察研究や診断・治療等の医療技術の向上のために利用
することは、当該研究の成果が広く共有・活用されていくことや当該他の医療機関
等を受診する不特定多数の患者に対してより優れた医療サービスを提供できるよう
になること等により、公衆衛生の向上に特に資するものであると考えられます。
また、医療機関等が、本人の転居等により有効な連絡先を保有していない場合や、
同意を取得するための時間的余裕や費用等に照らし、本人の同意を得ることにより
当該研究の遂行に支障を及ぼすおそれがある場合等には、
「本人の同意を得ることが
困難であるとき」に該当するものと考えられます。
したがって、医療機関等が以前治療を行った患者の臨床症例に係る個人データを、
観察研究のために他の医療機関等へ提供する場合であって、本人の転居等により有
効な連絡先を保有しておらず本人からの同意取得が困難であるときや、同意を取得
するための時間的余裕や費用等に照らし、本人の同意を得ることにより当該研究の
遂行に支障を及ぼすおそれがあるときには、同号の規定によりこれを行うことが許
容されると考えられます。
なお、当該他の医療機関等においては、提供を受けた際に特定された利用目的の
範囲内で個人データを取り扱う必要があり、観察研究のためという利用目的の達成
に必要な範囲を超えて、提供を受けた個人データを取り扱うことは原則できません。
また、法第 27 条第1項第3号の規定において個人データを提供できるのは「特に必
要がある場合」とされていることからも、当該医療機関等が提供する個人データは、
利用目的の達成に照らして真に必要な範囲に限定することが必要です。具体的には、
利用目的の達成には不要と考えられる氏名、生年月日等の情報は削除又は置換した
上で、必要最小限の情報提供とすることなどが考えられます。
この外、提供元及び提供先の医療機関等には、倫理審査委員会の関与、研究対象
者が拒否できる機会の保障、研究結果の公表等について規定する医学系研究等に関
する指針や、関係法令の遵守が求められていることにも、留意が必要です。
(令和3年6月追加・令和4年5月更新)
ア(ウ)①(ⅰ)、(ⅱ )の「学術研究目的」については⑴イ(イ)②(ⅰ)a、(ⅲ)の「適切な同意を受ける
ことが困難である」については⑵ア(エ)①(ⅱ)の「インフォームド・コンセント及び適切な
同意を受けることが困難である」場合の解説を参照。
「学術研究目的で共同研究機関に提供する必要がある場合」及び「提供しようとする場
合であって、当該研究機関が学術研究目的で取り扱う必要」がある場合に関し、提供する
又は取り扱う目的の一部が学術研究目的である場合を含む。
12
ア(ウ)及びイ(エ)に関し、
「研究対象者等が拒否できる機会を保障すること」については第
5の2⑶及び第8の1⑴イ(イ)②(ⅱ)(オプトアウト)、「原則として」については第8の1
93