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提案書05(0802頁~0998頁)医療技術評価・再評価提案書 (163 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

273101

提案される医療技術名

腎容積測定加算

申請団体名

日本腎臓学会

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

05腎臓内科
28放射線科

関連する診療科(2つまで)
24泌尿器科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する

令和4年度

腎容積測定加算

追加のエビデンスの有無



提案される医療技術の概要
(200字以内)

マルチスライス型で撮影した腎臓のCTまたはMRI画像から腎容積を測定する画像解析技術。手動面積測定法は手動で
腎周囲に合わせて線を引き,1 枚1 枚の容積を集計しする方法。半自動測定法は画像解析ソフトウェアを用いて測定する方
法。

文字数: 114
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

常染色体顕性多発性嚢胞腎(ADPKD)

ADPKDは「難病の患者に対する医療等に関する法律」に基づく指定難病で、腎臓の嚢胞が多発性・進行性に発生・増大し腎
機能が低下する。腎容積はADPKD病態進展のバイオマーカーである。指定難病取得および更新には腎機能と、腎容積(750ml
以上かつ増大率5%以上)測定が必要である。また、唯一の治療薬であるトルバプタン開始基準にも腎容積測定が必須であ
る。つまり腎容積測定は日常臨床で必須となっているが、現状では保険収載されていないため、医療機関の負担となってい
る。マルチスライス型で撮影した腎臓のCTまたはMRI画像から腎容積を算出する画像解析に対する保険点数加算を提案す
る。

文字数: 285
【評価項目】

①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

ADPKDは最も多い遺伝性腎疾患であり、60歳までに約半数が末期腎不全に至る。両側の腎臓に多数の嚢胞が進行性に発生・
増大し、さらに高血圧や、肝嚢胞、脳動脈瘤などを合併する。末期腎不全に至る前でも嚢胞感染や脳動脈瘤破裂など致死的
な合併症を呈することがあり、その早期診断と対策の重要性が喫緊の課題として認識されている。
多数の嚢胞により腎腫大が顕著になるまで、糸球体濾過量(GFR)はネフロンの代償の為に正常である。40歳頃からGFRが急
激に低下し始める。腎容積はGFRの低下に先行する為、病態進展のバイオマーカーとして用いられている。
ADPKDは30~40歳代までは無症状の事が多い。腎腫大が進行すると腹痛や側腹痛、腹部膨満、食欲不振、低栄養等の症状が
現れる。
ADPKDのスクリーニングとしての画像診断は、診療ガイドラインにおいて30歳を目安に行う事が推奨されているが、小児期
から診断されている症例も少なくない。

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

腎臓のCTまたはMRI画像から立体的に容積を測定するVolumetric法にて測定する。手動で腎周囲に合わせて線を引き,1 枚1
枚の容積を集計しTKV を計算する手動面積方法、あるいはソフトウェアにて測定するは半自動測定法がある。手動での測定
時間は通常55分くらい要する。ソフトウェアを用いた解析と行うと、測定時間は5〜10分程度となる。測定頻度は、1患者当
たり疾患の診断時、以後病態進展、治療効果を確認する為、概ね半年から1年毎に実施する。

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)



番号

該当なし

医療技術名

該当なし

既存の治療法・検査法等の内容

回転楕円体法:CTまたはMRI画像から、腎臓の長径、短径、深さを測定し、回転楕円体の計算式を用いて腎容積を算出す
る。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

健常人の腎臓は回転楕円体に近く、推算式から得られた腎容積と実測値の相関は良好であるが、ADPKDは腎臓に嚢胞が発
生・増大する疾患であり、進行に伴い腎臓が大きくなると腎臓の外側に向かい嚢胞が形成されるケースも稀では無く、推算
式から得られる腎容積と実測値の誤差は大きくなる。難病申請および唯一の治療薬であるトルバプタン治療開始の基準は総
腎容積750mL以上となっているが、Mutoらの報告によると回転楕円体法では特に総腎容積1000mL以下の症例で誤差が大きい
と報告されているため、必要な症例が難病申請やトルバプタン治療を受けられない可能性がある。そのため本技術により腎
容積を正確に測定する事が重要である。多発性嚢胞腎の腎容積を正確に測定することで、トルバプタンを必要症例を的確に
判断でき、進行抑制につながり、患者の利益、さらには透析患者の削減につながる。

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