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参考資料2_かかりつけ医機能に関する事例集(令和3年度かかりつけ医機能の強化・活用にかかる調査・普及事業) (31 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36156.html
出典情報 かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会(第1回 11/15)《厚生労働省》
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3.
取組の詳細
① 多職種における患者の生活背景も含めた情報共有
当該医療機関では、患者さん情報の共有と職員間の顔が見える関係性の構築のため、医療
や介護などの観点で、関係する全ての部署の職員が集まるカンファレンスや会議を毎日実施して
いる。開設当初は週 1 回の頻度で、共有する情報についても、病状や退院に向けた調整状況
にとどまるものであったが、患者さんの状態が日々変化することや患者さんを支える家族の状況
にも配慮した退院時支援等の必要性から、患者さんの状況、家族の状況、住宅状況など患者
さんの背景情報も幅広く取り扱う会議(「タナ・ボード」:タナは田中理事長の名前に由来)と変
化していった。こうした情報共有の円滑化により、患者さんや家族のみならず、職員にとっても
満足度の高い医療提供が実現している。さらに、作業負担の軽減の観点から、現在では会議
で取り扱う情報をデジタル化して、電子カルテとも連動しながら、スタッフ全体で情報を共有す
ることにより、密着度の高い職場の中で迅速で的確な医療提供を実現している。

② 家族も含めた障害児のケア
当該医療機関では、障害児のケアにあたっては、保護者を含めたケアの提供が重要であると
考えており、入院している小児の保護者を当該医療機関の職員にするなど 、急変時などの保護
者の心情等にも配慮した医療ケアを提供している。さらに、小児の診療にあたっては、成人ま
での成長過程にも配慮して教育委員会とも連携しながら一貫した支援を行っており、患者さんや
その家族と深い信頼関係を構築し、地域に根ざした医療提供を実現している。

③ 医療・介護・福祉のシームレスな連携
当該医療機関では、高齢者等の対応において医療・介護・福祉のシームレスな連携が重要で
あると考えており、その時々の高齢者の健康状況と医療資源の状況に応じて適切に医療・介護・
福祉サービスの提供が図られるように配慮している。さらに、認知症患者については、療養、
予防、介護、福祉まで生活全般のサポートの一貫した支援が、患者さんのためにも家族のため
にも重要であり、地域のニーズも高いことから、積極的に取り組んでいる。こうした地域ニーズ
に応じた柔軟な対応により、地域にとって欠かせない医療機関となっている。

④ ハッピーエンド・オブ・ライフケア等の看取りに関する取組
当該医療機関では、最晩年期を「ここで過ごして良かった」と思ってもらえるようなケアをし
たいという考えのもと、患者さんにとっても、その家族にとっても幸せな看取りを目指して「ハッ
ピーエンド・オブ・ライフケア」に取り組んでいる。この取組の一環として、当該医療機関には、
「ハッピーエンド・オブ・ライフ・ツリー 終わりよければすべてよしの樹」と名付けられた大樹
の絵が描かれており、
「ここで最期を迎えられてよかった」と思った患者さんや利用者さんの家
族に、イニシャルと命日が記された葉っぱを貼ってもらう取組をしている。この大樹の絵が、他
の患者さんや利用者さん、さらにその家族にとって、安心にもつながるシンボルともなり、地域
住民からの信頼の厚い、地域に根ざした医療提供を実現している。
参考:幻冬舎メディアコンサルティング「ふるさとの笑顔が、咲き始める場所 」田中志子

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