よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


総-3○在宅(その4)について (61 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00220.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第561回 10/27)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

小児における在宅歯科診療時のリスク
○ 在宅で歯科治療を行うにあたっては、患児の疾患・状況により様々なリスクがあり、リスクを見極めた上
で治療を行う必要がある。
呼吸障害

重症心身障害児、超重症児・医療的ケア児の在宅歯科診療時のリスク(概要)
気管切開患児の気管腕頭動脈ろう

◼ 要因
• 閉塞性換気障害(上気道狭窄、舌根沈下、中枢性呼吸障害、排痰障害等)
• 拘束性換気障害(胸郭運動障害、呼吸運動障害)
歯科治療時に呼吸抑制

筋緊張の亢進(過緊張)
◼ 要因
• 痙直型や混合型の脳性麻痺を合併している場合、心理的な要因(不安、
不満、興奮、精神的ストレス)や痛みなど
非対称性緊張性頸反射や緊張性迷路反射、全身の伸展状態などが起こる
呼吸障害、むせ(口腔機能低下)や咬反射

筋緊張の低下
◼ 要因
• 筋ジストロフィーなどの筋力低下、アテトーゼ型の脳性麻痺など
非対称性緊張性頸反射や緊張性迷路反射、全身の伸展状態などが起こる
呼吸障害、むせ(口腔機能低下)や咬反射も起こす

姿勢異常(側弯、四肢拘縮)
顔が片側を向いていると、顔をまっすぐにすることで呼吸が止まることがある

摂食嚥下障害
口腔ケア、診査、処置時に誤嚥を起こす可能性

てんかん
コントロールされていない場合、歯科処置により発作を起こす可能性

発熱
◼ 要因
• 体温調節の未熟によるうつ熱、感染症、環境変化やストレス等によるう横
紋筋融解症

◼ 要因
• 気道狭窄や繰り返される誤嚥性肺炎による気管切開後、喉頭気管分離術
後の気管カニューレによる気管粘膜のびらんや潰瘍、肉芽などによる気管
粘膜の炎症
気管カニューレからの大出血による窒息や循環虚脱をきたし、死亡に至る可
能性

気管カニューレの事故(自己)抜去
分泌物の増加
◼ 要因
• 気管切開されている場合、口腔内診査や処置に際しての口腔内刺激によ
る唾液分泌増加
咽頭への流入、気道分泌物の増加、SpO2の低下

CO2ナルコーシスへの注意
◼ 要因
• 在宅酸素療法を行っていると高濃度・高流量の酸素投与により自発呼吸
が減弱し、CO2ナルコーシスを起こすことがある

心不全
◼ 要因
• 筋ジストロフィーは、加齢とともに筋の変性・壊死が進み、心不全をきたし
やすくなる
• 先天性心疾患
心拍数の増加による心不全が急性増悪し、血圧低下をきたす可能性

出典:小児在宅歯科医療の手引き:一般社団法人日本障害者歯科学会;第1版2021年12月より引用作成

61