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【参考1】診療の手引き・第8.1版 (69 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症 COVID-19)診療の手引き・第8.1版」の周知について(10/5付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 8.1 版 ●6 院内感染対策

8. 妊婦および新生児への対応
COVID-19 は特に妊娠後半期には増大する子宮で横隔膜が挙上するために呼吸不全を起こし

やすい.新生児に産後の感染リスクがあるが,母子分離を行なってきた日本においては新生児
の発症はきわめて限定的である.

帝王切開の適応など分娩方法については,母子および医療スタッフの安全と医療体制の維持

などに十分に配慮し,個別に産婦人科主治医が判断する.
【感染対策】

(1)妊婦健診,出産に際しては標準予防策を遵守する.

(2)感染が疑われる患者と,他の患者(妊婦健診来院者)とは動線や待合室を分け,感染の有
無にかかわらずマスクを着用してもらう.特に症状のある患者や濃厚接触者は,来院前に
電話相談を受け,他の患者と別に診療する.

(3)産科医療機関における院内検査として PCR あるいは迅速性のある抗原検査を推奨するが,
全妊婦に行うかどうかは地域の感染状況により個別に判断する.

(4)感染者(疑い患者も含む)の分娩では分娩室は個室とし,換気を十分に行う.陣痛室や出
産後の回復室もトイレつき個室とし,医療スタッフは院内感染予防のため手袋,マスク,
ガウン,ゴーグル(またはフェイスシールド)
,必要に応じて N-95 マスクを着用する.

(5)非感染者の分娩では産婦が必ずしもマスクを着用する必要はないが,分娩スタッフは十分
な PPE を着用する.

(6)COVID-19 感染がなくても,帰省分娩,配偶者の立ち合い分娩は推奨しないが,地域の感
染状況によって個別に判断する.

(7)感染妊婦では,母体の感染性が消失するまで新生児との接触は避けることが望ましい.た
だし,母子同室の希望がある場合は,施設の感染対策等の状況を考慮して個別に判断する
ことも許容される.

(8) 新生児に感染が疑われる場合は,個室隔離,または保育器で管理とする.

(9)感染者の授乳については,母親が解熱し状態が安定していれば,手洗いなどを確実に行っ
たうえで搾乳し,介護者により母乳を与えることは可能であるが,感染リスクについては
十分なインフォームドコンセントを得る.

ナースコール,テーブル,ベッド柵,床頭台などの患者周囲環境は,アルコールや抗ウイル

ス作用のある消毒剤で清拭消毒を行う.聴診器や体温計,
血圧計などの医療機器は個人専用とし,
使用ごとに清拭消毒する(「3 環境整備」を参照)


陰圧室でない分娩室の場合,母体から児へのエアロゾル曝露を避けるために分娩台から 2m

以上距離をとった場所に蘇生場所を確保するか,蘇生を行う部屋を別に準備することが望まし

い.手術室での分娩の場合,陰圧室の使用を第 1 候補とし,新生児蘇生を行う場所を分娩室で
の分娩と同様に確保する.

鼻咽頭吸引,呼吸補助〔マスクとバッグ,ラリンゲルマスク/エアウエイよる人工呼吸,持

続陽圧呼吸(CPAP)〕,挿管,胸骨圧迫,気管内への薬物(アドレナリン,サーファクタント)
投与はエアロゾル発生処置と考えて対応する.蘇生メンバー全員が PPE を適切に装着する必要

がある.また,可能ならば,マスクバッグや人工呼吸器回路の呼気側に HEPA フィルターを装
着することが望ましい.

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