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【参考1】診療の手引き・第8.1版 (48 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症 COVID-19)診療の手引き・第8.1版」の周知について(10/5付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 8.1 版 ●5 薬物療法

薬物療法

COVID-19 に対する治療薬は開発が進められているところである.薬物療法を検討するに際

しては,日本感染症学会が取りまとめる『COVID-19 に対する薬物治療の考え方』等も参照す
ることが望ましい.

有効性の確立した承認薬も増加しており,これらの薬剤を重症化リスク・重症度等に応じて

適切に使用することは,患者の予後改善と医療提供体制の確保の点からも重要と考えられる.

なお,抗ウイルス薬と中和抗体薬の併用については,十分な知見がなく,各薬剤の供給も限

られることから,現時点で併用療法は推奨されない.

1. 抗ウイルス薬
【レムデシビル】(RNA 合成酵素阻害薬)

2020.5.7 特例承認,2021.1.7 適応拡大,2021.8.12 保険適用,2021.10.18 一般流通開始,

2022.3.18 適応拡大

中等症・重症の COVID-19 を対象とした 5 つのランダム化比較試験の結果から,レムデシ

ビルはすでに人工呼吸や高流量の酸素投与に至った重症例では効果が期待できない可能性が高

いが,サブグループ解析の結果からは,そこまでに至らない酸素需要のある症例では有効性が

見込まれる.また,国内の臨床試験成績に基づき,中等症Ⅰの患者にも投与可能となっている.
投与期間に関しては,挿管例を除く低酸素血症のある COVID-19 肺炎患者では 5 日間治療

群と 10 日間治療群とでは有効性・副作用に差がなかったこと,および前述の軽症肺炎を対象
とした 3 群での臨床試験では有意差がみられなかったことから,原則として 5 日間の投与が推
奨されるが,個別の患者の背景に応じた判断を行う.

また,重症化リスク因子のある発症 7 日以内の軽症・中等症 I の COVID-19 を対象に行わ

れたランダム化比較試験(PINETREE)において,レムデシビルを 3 日間投与した治療群では,
プラセボ群と比較して COVID-19 に関連した入院または死亡を 87%減少させた.この結果を
受けて,重症化リスク因子を有するなど,本剤の投与が必要と考えられる軽症患者へ適応拡大
された(表 5-2 参照).

〔投与方法(用法・用量)〕(添付文書抜粋)

通常,成人および体重 40 kg 以上の小児にはレムデシビルとして,投与初日に 200 mg を,

投与 2 日目以降は 100 mg を 1 日 1 回点滴静注する. 通常,体重 3.5 kg 以上 40 kg 未満の
小児にはレムデシビルとして,投与初日に 5 mg/kg を,投与 2 日目以降は 2.5 mg/kg を 1 日
1 回点滴静注する.なお,総投与期間は 10 日までとする.

生理食塩液に添加し,30 ~ 120 分かけて点滴静注すること.

SARS-CoV-2 による感染症の症状が発現してから速やかに投与を開始し,3 日目まで投与

する.ただし,SARS-CoV-2 による肺炎を有する患者では,目安として,5 日目まで投与し,
症状の改善が認められない場合には 10 日目まで投与する.

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