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資料10   先進医療合同会議の審議結果について【報告事項】 (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26038.html
出典情報 先進医療会議 先進医療技術審査部会(第135回 6/16)《厚生労働省》
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と[13]、トリプルネガティブ乳がん細胞株においてセツキシマブとパニツムマブが抗腫瘍
効果を認めたこと[14]、尿路上皮がん細胞株においてセツキシマブによる抗腫瘍効果を認
め、増幅陰性例では抗腫瘍効果を認めなかったこと[15]が報告されている。

EGFR 遺伝子増幅陽性固形がんに関する臨床データとしては、胃腺がん/食道腺がんに対
するセツキシマブ単独療法で 3 例中 CR と PR 各 1 例の 2 例(67%)に奏効[16]、胃腺がんに
対してセツキシマブ単剤療法開始後に PET-CT で多発骨転移の FDG 取り込み低下が得られ
た 1 例[17]、食道胃接合部腺がんと乳がんに対してセツキシマブ+エルロチニブが有効であ
った各 1 例[7]の報告がある。また、大腸がんに対するセツキシマブもしくはパニツムマブ
の奏効割合(89% vs. 5%)[18]、扁平上皮非小細胞がんに対するカルボプラチン+パクリタ
キセル±ベバシズマブへのセツキシマブの全生存期間における上乗せ効果(HR 0.58,
p=0.007)[19]が EGFR 遺伝子増幅陽性例で高いことが報告されている。
以上より、がん種横断的に EGFR 遺伝子増幅陽性例に対し抗 EGFR 抗体薬の有効性が期待
され、予後不良な同対象の予後改善への寄与が期待される。
対象がん種に対する標準治療と開発対象
食道がん: 1 次治療は 5-FU+シスプラチン+ペムブロリズマブが標準治療、2 次治療はパ
クリタキセル、ドセタキセルもしくは BSC がみなし標準治療である。以上より、切除不能
食道がんは 2 次治療以降が新規薬剤単剤開発の対象と認識されているため、1 レジメン以
上に不応・不耐となった切除不能食道がんを本試験の対象とする。
HER2 陰性胃がん: 1 次治療は 5-FU+レボホリナート/カペシタビン/S-1+オキサリプラチ
ン+ニボルマブ、2 次治療はパクリタキセル+ラムシルマブが標準治療である。3 次治療はト
リフルリジン・チピラシルが標準治療であるが、奏効割合は低い。以上より、HER2 陰性切
除不能胃がんは 3 次治療以降が新規薬剤単剤開発の対象と認識されているため、2 レジメ
ン以上に不応・不耐となった切除不能胃がんを本試験の対象とする。
小腸がん: ランダム化比較試験が行われていない。1 次治療は FOLFOX がみなし標準治療
であり、2 次治療以降の標準治療はない。標準治療のない固形がん(小腸がん含む)は 12 次治療以降が新規薬剤単剤開発の対象と認識されているため、1 レジメン以上に不応・不
耐となった切除不能小腸がんを本試験の対象とする。
HER2 陰性乳がん: 1 次治療はアントラサイクリン系またはタキサン系抗悪性腫瘍薬が標
準治療である。しかし、それらの薬剤は周術期化学療法で使用されている症例が多く、そ
の場合は S-1、カペシタビン、エリブリン、PD-L1 陽性例ではアテゾリズマブ+ナブパクリ
タキセルが標準治療であるが、奏効割合が低い薬剤が多い。ホルモン受容体陽性例は、内
分泌療法不応後に前述の化学療法が選択される。以上より、HER2 陰性切除不能乳がんはア
ントラサイクリン・タキサン既治療例が新規薬剤単剤開発の対象と認識されているため、
アントラサイクリン・タキサン治療歴のある(ホルモン受容体陽性例は内分泌療法も含む)
HER2 陰性切除不能乳がんを本試験の対象とする。
尿路上皮がん: 1 次治療はゲムシタビン+シスプラチンで SD 以上が得られればアベルマ
ブ維持療法を行うことが標準治療である(90%以上の症例が該当)
。ゲムシタビン+シスプラ
チン初回 PD 例の 2 次治療はペムブロリズマブが標準治療である。以上より、切除不能尿路

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