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2025年度 病院の人材確保に関する調査について (8 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r7/ |
| 出典情報 | 2025年度 病院の人材確保に関する調査について(10/15)《福祉医療機構》 |
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2025-005
また、病院側で把握している退職理由を確認
職場環境の構築が職員の定着に重要となるので
したところ、
「他の医療機関への転職」が 75.6%
はないだろうか。そこで、各病院が実施してい
ともっとも多かった(図表 13)。医師や看護師な
る職員の退職を防止するための取組み内容の一
ど、病院で従事する職員の多くは有資格者であ
部を参考までにご紹介したい。
り、他の業態とは異なる傾向と捉えることがで
退職防止のために実施している取組み内容 ※一部抜粋
・時短制度、院内保育園、資格取得助成制度、相談窓口設置
・残業の削減、積極的な有給休暇の消化など、働きやすい職場
づくり
・今年度より誕生月休暇や入職 6 か月以内の特別休暇付与など
の福利厚生の充実に取り組んでいる
・子供の小学校入学までの時短勤務、残業時間を時間調整とし
て有給に使用できる
・時短を含めた多様な条件提示などの復職支援相談
・育児・介護などのライフイベントによる離職を防止するため、
短時間勤務制度、育児休業および介護休業などの制度を整備
している
・事務職員には評価に基づく手当を新設し、その他職種にも技
能手当を設けるなど処遇面の改善を進めている
・職員ラウンジや休憩スペースの環境整備など福利厚生の充実
にも取り組み、働きやすい職場づくりを推進している
・定期的な面談をもって、不安・懸念などを聞き取るようにし
ている
・部署面談などを定期的に行い、業務内容や組織などの不満や
不安を出してもらい、一緒に解決するようにしている
・新入職者に対してメンター制度を設け、先輩職員とのコミュ
ニケーションを図っている
・評価制度の見直しや面談機会を増やし個々の意見を聞き入れ
るようにしている
・多職種ミーティングの開催等、職員が孤立しないで職務にあ
たれるよう心がけている
・院内の人事異動の定期実施による人材の固着防止
・退職の意向を示した職員に対して配置換えなどの提案をして
いる
・職場環境改善に関するアンケートを実施し、結果を情報共有
・年に 1 回の自己申告制度を活用し、職員のニーズを把握する
ことにくわえ、定期的に院長講話を開催し、職員に理念の浸
透を図っている
きるのかもしれない。
(図表 13)退職者について把握している退
職理由
(最大3つまで|n=422)
75.6%
他の医療機関への転職
職場の人間関係
34.8%
転居
31.8%
体調不良
30.1%
賃金水準
20.4%
定年
17.5%
医療機関以外への転職
14.2%
結婚
10.2%
運営等への不満
7.8%
出産・育児
7.1%
その他
6.2%
不明
11.8%
一方で、
「医療機関以外への転職」は 14.2%に
とどまった。さきでみたとおり、職員が不足し
ている要因として、
「他産業より低い賃金水準」
や「近隣の病院・施設との競合」の回答が多かっ
5
た。退職者の特徴として、賃金水準に対する一
賃上げの状況
2024 年度および 2025 年度のいずれも賃上げ
を実施した病院は 4 割程度
定の不満以外にも、職場の人間関係などの理由
により、他の医療機関へ転職して、医療業界に
とどまる傾向がみられる。その結果、地域の病
2024 年度診療報酬改定は、外来・在宅ベース
院・施設で人材を取り合うようなかたちとなり、
アップ評価料や入院ベースアップ評価料などが
思うように人材確保ができない病院も多いのだ
新設されるなど、賃上げを前面に押し出した改
ろう。
定となった。今後も、現在直面している深刻な
改めて、退職を抑制するための取組みが重要
人材不足の是正に期待がかかる。
であると示唆される。具体的な取組みとして、
そこで、賃上げの実施状況を確認したところ、
賃金水準の向上はもちろんのこと、働きやすい
2024 年度および 2025 年度のいずれも賃上げを
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また、病院側で把握している退職理由を確認
職場環境の構築が職員の定着に重要となるので
したところ、
「他の医療機関への転職」が 75.6%
はないだろうか。そこで、各病院が実施してい
ともっとも多かった(図表 13)。医師や看護師な
る職員の退職を防止するための取組み内容の一
ど、病院で従事する職員の多くは有資格者であ
部を参考までにご紹介したい。
り、他の業態とは異なる傾向と捉えることがで
退職防止のために実施している取組み内容 ※一部抜粋
・時短制度、院内保育園、資格取得助成制度、相談窓口設置
・残業の削減、積極的な有給休暇の消化など、働きやすい職場
づくり
・今年度より誕生月休暇や入職 6 か月以内の特別休暇付与など
の福利厚生の充実に取り組んでいる
・子供の小学校入学までの時短勤務、残業時間を時間調整とし
て有給に使用できる
・時短を含めた多様な条件提示などの復職支援相談
・育児・介護などのライフイベントによる離職を防止するため、
短時間勤務制度、育児休業および介護休業などの制度を整備
している
・事務職員には評価に基づく手当を新設し、その他職種にも技
能手当を設けるなど処遇面の改善を進めている
・職員ラウンジや休憩スペースの環境整備など福利厚生の充実
にも取り組み、働きやすい職場づくりを推進している
・定期的な面談をもって、不安・懸念などを聞き取るようにし
ている
・部署面談などを定期的に行い、業務内容や組織などの不満や
不安を出してもらい、一緒に解決するようにしている
・新入職者に対してメンター制度を設け、先輩職員とのコミュ
ニケーションを図っている
・評価制度の見直しや面談機会を増やし個々の意見を聞き入れ
るようにしている
・多職種ミーティングの開催等、職員が孤立しないで職務にあ
たれるよう心がけている
・院内の人事異動の定期実施による人材の固着防止
・退職の意向を示した職員に対して配置換えなどの提案をして
いる
・職場環境改善に関するアンケートを実施し、結果を情報共有
・年に 1 回の自己申告制度を活用し、職員のニーズを把握する
ことにくわえ、定期的に院長講話を開催し、職員に理念の浸
透を図っている
きるのかもしれない。
(図表 13)退職者について把握している退
職理由
(最大3つまで|n=422)
75.6%
他の医療機関への転職
職場の人間関係
34.8%
転居
31.8%
体調不良
30.1%
賃金水準
20.4%
定年
17.5%
医療機関以外への転職
14.2%
結婚
10.2%
運営等への不満
7.8%
出産・育児
7.1%
その他
6.2%
不明
11.8%
一方で、
「医療機関以外への転職」は 14.2%に
とどまった。さきでみたとおり、職員が不足し
ている要因として、
「他産業より低い賃金水準」
や「近隣の病院・施設との競合」の回答が多かっ
5
た。退職者の特徴として、賃金水準に対する一
賃上げの状況
2024 年度および 2025 年度のいずれも賃上げ
を実施した病院は 4 割程度
定の不満以外にも、職場の人間関係などの理由
により、他の医療機関へ転職して、医療業界に
とどまる傾向がみられる。その結果、地域の病
2024 年度診療報酬改定は、外来・在宅ベース
院・施設で人材を取り合うようなかたちとなり、
アップ評価料や入院ベースアップ評価料などが
思うように人材確保ができない病院も多いのだ
新設されるなど、賃上げを前面に押し出した改
ろう。
定となった。今後も、現在直面している深刻な
改めて、退職を抑制するための取組みが重要
人材不足の是正に期待がかかる。
であると示唆される。具体的な取組みとして、
そこで、賃上げの実施状況を確認したところ、
賃金水準の向上はもちろんのこと、働きやすい
2024 年度および 2025 年度のいずれも賃上げを
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