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腸内細菌は樹状細胞を介して腸から離れたがんの免疫環境に影響する 免疫チェックポイント阻害薬の作用に関与する新たな腸内細菌を同定 (3 ページ)

公開元URL https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2025/0715/index.html
出典情報 国立がん研究センター プレスリリース(7/15)《国立がん研究センター》
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スによる腸内細菌叢の構成評価を実施しました(図 1a)。特に、治療
効果と関連する腸内細菌の違いや、腫瘍内に浸潤する T 細胞の特
徴に着目して検討を進めたところ、治療に奏効した患者群ではルミノ
コッカス科(Ruminococcaceae)に属する細菌が顕著に増加しており、
逆に治療が奏効しなかった患者群ではバクテロイデス科
(Bacteroidaceae)の細菌が有意に多く存在していることが明らかに
なりました(図 1b)。さらに、ルミノコッカス科細菌の保菌率が高い患
者さんは、低い患者さんに比べて無増悪生存期間(PFS)が有意に
長く、一方でバクテロイデス科の保菌率が高い患者さんでは PFS が
短い傾向にあることも確認されました(図 1c)。加えて、腸内細菌叢と
腫瘍浸潤リンパ球の関連を調べた解析では、ルミノコッカス科細菌の
保菌率が高い患者さんほど、PD-1 陽性 CD8 陽性 T 細胞の腫瘍内浸潤頻度が高いことが明らかとなり
ました(図 1d, e)。以上の結果から、腸内細菌叢の構成ががん免疫療法の効果やがん組織内の免疫状
態と密接に関係していることが示唆されました。

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