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資料2-2 調査結果報告書 (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24579.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和3年度第31回 3/22)《厚生労働省》
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4.1.2

米国ガイドライン

Practice guideline: Disease-modifying therapies for adults with multiple sclerosis(American
Academy of Neurology, 2018 以下、「米国ガイドライン」)
American Academy of Neurology による米国ガイドラインにおいて、妊婦に対する IFNβ の
使用については、米国添付文書では期待される有益性が胎児に対する危険性を正当化し得
る場合のみ、妊娠中に投与されるべきである、と記載されている。
4.1.3

欧州ガイドライン

ECTRIMS/EAN Guideline on the pharmacological treatment of people with multiple sclerosis
(European Committee of Treatment and Research in Multiple Scolerosis / European Academy
of Neurology, 2018 以下、
「欧州ガイドライン」

European Committee of Treatment and Research in Multiple Scolerosis / European Academy of
Neurology による欧州ガイドラインにおいては、妊婦における Interferon beta の使用につい
て、以下のように記載されている。
Interferon beta曝露群及び非曝露群との間で低出生体重児の割合に差異は認められなかっ
たとする研究報告がある(4.3.2.3参照)20。この結果については別の精度の低い研究2件で
も同様の結果が報告されている(4.3.2.10、4.3.2.11参照)。また、自然流産については、
Interferon beta曝露群で自然流産がより高い割合で認められたとの研究が報告されている
(4.3.2.3、4.3.2.8、4.3.2.10、4.3.2.11参照)21。先天奇形の割合については小規模の研究の
み報告されており、一貫した結果は得られなかった。


妊娠を計画していて、疾患の再活性化の可能性が高い患者には、妊娠が確認されるまで
Interferon beta 又はグラチラマーを用いることを考慮する。稀ではあるが疾患活動性が
非常に強い場合には、妊娠中もこの治療を続けることを検討しても良い。

4.2 成書及び代表的教科書
4.2.1 ウィリアムズ産科学

第 25 版(Cunningham FG, et al., 2018)

疾患修飾薬も妊娠中の再発や増悪に使用される。IFNβ-1a、IFNβ-1b 及びグラチラマーは、
再発率を 3 分の 1 に低下させることができる。妊娠中の安全性に関するデータは限られて
いるが、概ね安全である。35 妊娠をレビューした文献では、妊娠第 1 三半期の投与で予後
の悪化はみられなかった。
4.2.2 神経内科ハンドブック 第 5 版:鑑別診断と治療(水野 美邦、2016)
Interferon beta には催奇形性はないものの、受胎 4 週までの妊娠中の曝露患者で低出生体
重児、胎児死亡、死産、自然流産、2 年後の低身長の報告はあるが、先天性奇形のリスクは

20

21

Cochrane の Risk Of Bias In Non-randomized Studies – of Interventions ツールを用いてバイアスの程度が検討され本
研究は moderate bias と判断されている。
被験者数が少ないことから、研究の精度は低い旨記載されている。

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