-
2012年11月28日(水)
[医療保険] 健保組合と協会けんぽ、加入者の給与水準格差広がる
-
厚生労働省は11月28日に、平成22年度の「健康保険・船員保険事業年報」を発表した。健康保険・船員保険の適用(加入者や支払われた医療費の状況など)、収支(健康保険の財政状況)などが詳細に分析されている。
本誌では、健康保険について見てみる。
まず、加入者の状況を見てみよう。
健康保険に加入している事業所の数(適用事業所数、22年度平均)を見ると、協会けんぽは163万891(前年度比0.8%増)、健保組合は11万3106・・・
-
2012年11月28日(水)
[医療保険] 協会けんぽ財政救済するための特別措置、25年度以降も継続か
-
厚生労働省は11月28日に社会保障審議会の医療保険部会を開催し、協会けんぽの財政対策など、当面の医療保険の課題について議論を行った。
医療保険をめぐる当面の課題としては、(1)平成24年度までの時限措置となっている、協会けんぽの財政特例措置をどうするのか(2)70~74歳の患者一部負担を1割に抑えるための予算措置を25年度に実施するのか(3)健康保険と労災保険の適用関係をどう整理するのか―などがある。
(1)・・・
-
2012年11月27日(火)
[肝炎治療] インターフェロン少量長期投与、最新知見でも有効性は依然不明
-
厚生労働省は11月27日に肝炎治療戦略会議を開き、「発がん抑制目的のインターフェロン少量長期投与」に関する取りまとめなどを行った。
我が国では、B型・C型のウイルス性肝炎について、早期発見・早期治療を推進するために、インターフェロン治療に対する医療費助成を柱とする肝炎総合対策を行っている。
ところで、「発がん抑制目的のインターフェロン少量長期投与」については、2009年の戦略会議において『有効性について・・・
-
2012年11月21日(水)
[医療保険] 高齢者医療への公費投入の早期拡充を 健保連
-
健康保険組合連合会は11月21日に、平成24年度の健康保険組合全国大会を開催した。大会では、高齢者医療制度への公費拡充などを求める決議を採択している。
健保組合は、主に大企業や、同業種の企業が集合して設立する公的医療保険制度である。長引く経済不況のあおりを受け、倒産する企業が増加し、またサラリーマン給与の据置き・引下げが常態化していることから、健保組合の保険料収入は減少傾向にある。
一方で、高齢者を・・・
-
2012年11月19日(月)
[小児難病] 成長過程や病状に応じた療養・学校生活等の総合的支援策を検討
-
- 小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会(第3回 11/19)《厚生労働省》
- 発信元:厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 母子保健課 カテゴリ: 医療提供体制
この日は、関係者からヒアリングを行ったほか、普及啓発・相談支援等について議論した。
意見を述べたのは、「全国心臓病の子どもを守る会」の神永芳子副会長(p8~p14参照)、「がんの子どもを守る会」の近藤博子副理事長(p15~p29参照)、「PKU(フェニルケトン尿症)親の会連絡協議会」の藤原和子氏・・・
-
2012年11月19日(月)
[医療費] 2010年度推計の生涯医療費は男性2300万円、女性2500万円
-
厚生労働省は11月19日に、2010年度推計の生涯医療費を公表した。生涯医療費とは、年齢階級別1人当たりの国民医療費および死亡率が該当年度(この場合は2010年)から変化しないと仮定した場合に、1人の人が生涯でどのぐらいの医療費を必要とするかを推計したもの。今回の推計は、2010年度の年齢階級別1人当たりの国民医療費をもとに、平成22年完全生命表による定常人口を適用して推計している。
資料には、(1)男女計(2)男性・・・
-
2012年11月16日(金)
[医療保険] 70~74歳の患者一部負担、段階的に2割に上げる案に賛否両論
-
厚生労働省は11月16日に、社会保障審議会の医療保険部会を開催した。この日は、(1)70~74歳の患者一部負担(2)後期高齢者支援金の負担方法(3)高額療養費の見直し―などが議題となった。
(1)は、現在、予算措置で1割になっている70~74歳の患者一部負担を「法律上の2割に戻すかどうか」という問題だ。
平成20年度の医療保険改革の一環で、70~74歳の患者一部負担が、従前の1割(老人保健制度)から2割に引上げられた。・・・
-
2012年11月15日(木)
[難病対策] 「新たな難病研究の枠組み案」提示、創薬・実用化を重点推進
-
厚生労働省は11月15日に、「難病対策委員会」を開催した。
この日は、(1)治療方法の開発に向けた難病研究の推進(2)国際協力の推進(3)難病患者データの精度の向上と有効活用(4)医療体制の整備(5)医療の質の向上(6)医療費助成の対象患者の認定等の考え方―の大きく6点について議論が行われた。
まず、(1)の「難病研究の推進」について見てみよう。平成24年度予算では、難治性疾患克服研究事業に80億円、難病・・・・
-
2012年11月08日(木)
[薬価] 「薬価制度は不透明」と指摘、適正運用を強く要望 保団連
-
- 「公正で透明な薬価制度改革」のための要望書(11/8)《全国保険医団体連合会》
- 発信元:全国保険医団体連合会 カテゴリ: 診療報酬
保団連は、我が国の異常に高い薬価・薬剤費が医療費高騰の主因となっていること、および薬価決定のメカニズムの不透明性を挙げ、薬価・薬剤費と薬価決定の見直しが喫緊の重要課題であると述べている(p1~p3参照)。
そのうえで、「学術的論拠や運用の不明瞭な方法により必要以上の医療費が浪費され、患者に・・・
-
2012年11月07日(水)
[診療報酬] 研究者等へのレセプトデータ提供、運用手続きの改善などを検討
-
厚生労働省は11月7日に、レセプト情報等の提供に関する有識者会議を開催した。この日は、厚労省当局から、現行の運用を踏まえた主な論点案が示され、これに基づいた議論などを行った。
まず、現行の運用状況を見てみよう。
レセプト情報は、本来、厚労省や都道府県が医療費適正化計画を作成するために利活用される。
ただし、レセプト情報は、厚労省等による医療サービスの質向上計画策定や、研究機関等による学術研究の資・・・
-
2012年11月06日(火)
[がん対策] がん計画の実施状況を的確に評価し、継続的な改善を
-
- がん対策推進協議会(第36回 11/6)《厚生労働省》
- 発信元:厚生労働省 健康局 がん対策・健康増進課 カテゴリ: 医療提供体制
この日は、がん対策の評価指標や相談支援について議論したほか、有識者からヒアリングを行った。
まず、がん対策の評価指標については、東京大学大学院医学系研究科の宮田准教授(医療品質評価学講座)から「がん計画における評価の活用」について意見発表が行われた(p9~p27参照)。
宮田准教授は、がん計画を評価することによって、(1)患者・市民の視点に立・・・
-
2012年11月05日(月)
[小児難病] 小児難病患者への医療費助成、対象疾患の選定方法等を検討
-
- 小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会(第2回 11/5)《厚生労働省》
- 発信元:厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 母子保健課 カテゴリ: 医療提供体制
小児慢性特定疾患(以下、小慢)の医療費は増加傾向にあるため、小児慢性特定疾患治療研究事業(以下、小慢事業)の安定的な制度運営が求められている(p16参照)。
こうした状況をふまえ、本委員会では、小児慢性特定疾患児への支援策が検討されている。
この日は、医療費助成の在り方に関して、他の公費負担医療制度・・・
-
2012年11月02日(金)
[地域医療] 都市部の急性期病床、高齢者向け病床への転換必要 日医総研
-
- 地域の医療提供体制の現状と将来―都道府県別・二次医療圏別データ集―(11/2)《日本医師会総合政策研究機構》
- 発信元:日本医師会総合政策研究機構 カテゴリ: 医療提供体制
これは、全国349の二次医療圏別の人口変化と、医療資源に基づく既存分析データをまとめたもの。
具体的には、(1)人口構造から見た地域分類(2)病床や介護ベッドなど医療介護資源の偏差値(平均からどの程度乖離しているか)(3)2035年までの人口増加率(全体および75歳以上)(4)2035年の医療・・・
-
2012年10月30日(火)
[難病対策] 医療費助成の対象となる難病、300疾患以上に拡大か
-
厚生労働省は10月30日に、「難病対策委員会」を開催した。この日は、(1)難病対策の改革の全体像、今後の検討課題・手順(2)医療費助成(対象疾患、重症度等の基準、給付水準)―などについて議論が行われた。
(1)については、患者団体の意見を踏まえた上で本委員会の中間報告(p54~p62参照)を具体化した「難病対策の改革の全体像」(案)が厚労省当局から提示された(p3~p31参照)。11月中旬までに3本の「改革の柱」・・・
-
2012年10月25日(木)
[後発品] 医療費抑制効果、患者への影響など総合的に検証し、政策見直しを
-
- 医薬分業、後発医薬品使用促進の現状と薬局および後発医薬品メーカーの経営(10/25)《日本医師会総合政策研究機構》
- 発信元:日本医師会総合政策研究機構 カテゴリ: 医薬品・医療機器
「医薬分業」の進展により、薬局の業務は「販売業務から調剤業務」に、病院薬剤師の業務は「調剤業務から病棟業務」に移行している。本報告書では、医薬分業等の進捗状況から課題を見出し、考察している。
主な内容は、(1)調剤医療費の推移・・・
-
2012年10月19日(金)
[健康保険] 25年度保険料率軽減に向け、準備金取崩すべきか 協会けんぽ
-
協会けんぽを運営する全国健康保険協会は10月19日に、運営委員会を開催した。この日は、平成25年度保険料率、25~29年度の収支見通し、財政基盤強化に向けた行動計画などが議題となった。
まず、25年度の保険料率については、次の4つの論点が掲げられている(p17~p18参照)。
(1)制度改正
(2)準備金の扱い
(3)25年度の激変緩和措置
(4)保険料率変更の時期
このうち(1)は、「国庫補助率20%への引上げ」「高齢者・・・
-
2012年10月19日(金)
[療養費] 多部位・長期・頻回の柔道整復、24年度改定で更なる適正化か
-
厚生労働省は10月19日に、社会保障審議会 医療保険部会の「柔道整復療養費検討専門委員会」の初会合を開催した。
医療保険では、医師や歯科医師、訪問看護師が行う診療については現物給付(保険者が金銭ではなく「医療」という現物を給付する仕組み)、それ以外は療養費(一度全額を患者が支払い、後に還付を受ける仕組み)がとられている。
しかし、柔道整復師の行う施術については、例外的に、受領委任(患者は自己負担分・・・
-
2012年10月17日(水)
[25年度予算] 医療崩壊防ぐため、緊急の診療報酬大幅引上げを 保団連
-
- 2013(平成25)年度政府予算編成に対する要望書(10/17)《全国保険医団体連合会》
- 発信元:全国保険医団体連合会 カテゴリ: 予算・人事等
2013年度概算要求総額は、一般会計・東日本大震災復興特別会計を合わせ、過去最大の102兆5000億円となった。しかし、政府は国債費を除く歳出を71兆円以下に抑えるため、要求額を大幅に切込むとしている。
保団連は、社会保障関係予算のなかで・・・
-
2012年10月16日(火)
[協会けんぽ] 後発品切替えによる医療費減額通知等で、後発品割合28.5%に
-
協会けんぽを運営する全国健康保険協会は、10月16日に開かれた「日本ジェネリック医薬品学会・バイオシミラー分科会セミナー」で、ジェネリック医薬品使用促進の取り組みについて発表した。
協会けんぽは、主に中小企業が加入する公的医療保険で、経済状況の悪化や医療費増加によって厳しい運用を強いられている。平成23年度には保険料率の引上げなどにより一時的に財政状況が改善したが、「赤字構造」は続いている。
協会で・・・
-
2012年10月15日(月)
[社会保障] 医療費抑制に向け、70~74歳の患者負担見直し等検討 財務省
-
財務省は10月15日に、「財政について聴く会」(旧、財政制度等審議会・財政制度分科会)を開催した。この日は、社会保障関係予算や政府開発援助(ODA)、府省・分野横断的な一括交付金などについて議論を行った。
社会保障費は人口の高齢化等を背景に増加を続け、一方、経済環境の悪化等から税収は伸び悩んでいる(p4~p9参照)。このため社会保障費の伸びを、負担可能な水準に抑えることが国家的課題となっている。
ただ・・・
-
2012年10月05日(金)
[公費負担医療] 特定疾患等の医療券、有効期間等の確認を 東京都
-
東京都は10月5日に、マル都医療券の記載内容確認依頼について発表した。
難病患者等には医療費の助成が行われる。東京都では、こうした助成対象の患者であることを証明する「マル都医療券」を患者に対して交付している。
この助成対象疾患のうち、難病患者に対する公費助成制度である「特定疾患治療研究事業」(ALSや潰瘍性大腸炎など)、および「人工透析を必要とする腎不全」については、医療券の有効期間が24年9月30日で・・・
-
2012年10月05日(金)
[薬価] 診療報酬上の加算対象となる後発医薬品のリストを厚労省が更新
-
厚生労働省は10月5日に、「診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品(新規収載分)」を発表した。
厚労省は医療費適正化に向け、先発医薬品よりも価格の低い後発医薬品の使用を進めるため、後発医薬品の処方割合の高い薬局や医療機関を診療報酬上、高く評価している。
しかし、後発医薬品の中には、先発医薬品よりも価格の高いものや、先発医薬品と同じ価格のものも存在する。こうした後発医薬品を高い診療報酬算・・・
-
2012年10月04日(木)
[意見募集] 肝炎対策では専門医療機関とかかりつけ医の連携重要 東京都
-
東京都は10月4日に、「東京都肝炎対策指針」(案)に関する意見募集を開始した。
肝炎対策として東京都は、平成19~23年度まで、肝炎ウイルス感染者の早期発見・治療による肝がんなどの進行防止のために「東京都ウイルス肝炎受療促進集中戦略」(以下、集中戦略)を実施してきた。しかし、肝炎ウイルスの感染は自覚症状に乏しく、また自覚していても適切に治療されていないケースも依然少なくないと推定されている。
この状・・・
-
2012年10月04日(木)
[医療保険] 患者一部負担金の保険者徴収やカード決済等を研究 日医総研
-
- IT時代の公的医療保険制度(一部負担金の保険者徴収)(10/4)《日本医師会総合政策研究機構》
- 発信元:日本医師会総合政策研究機構 カテゴリ: 医療保険
レセプトの電子化が進むなど、医療を取巻くIT技術が進んでいる。日医総研では、ITの活用によって、公的医療保険制度の統合など、これまでに日医が提唱してきた政策の実現可能性が高まっていると指摘。中でも、患者一部負担を見直してはどうかと提案している(p4参照)。
・・・
-
2012年10月02日(火)
[医療費] 22年度医療費の伸び、高齢化1.6%、医療の高度化等2.1%等と分析
-
厚生労働省は10月2日に、「医療費の動向(国民医療費、老人医療費の動向)平成22年度年次報告」を発表した。
これは、平成22年度国民医療費の確定を受け、国民医療費、後期高齢者(老人)医療費、国民所得などの年次推移を図表で示したもの。
まず、国民医療費の動向を見ると、1985(昭和60)年には16.0兆円に過ぎなかったが、2000(平成12)年に30兆円を超え、2010(平成22)年には37.4兆円となった。2011(平成23)年には3・・・
ダウンロードしたPDFファイルを閲覧・印刷するには、Adobe Reader(またはAdobe Acrobat Reader)がインストールされている必要があります。
まだインストールされていない場合は、こちらより、Adobe Readerを予め、ダウンロード、インストールしておいてください。
まだインストールされていない場合は、こちらより、Adobe Readerを予め、ダウンロード、インストールしておいてください。