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資料2-3 重篤副作用疾患別対応マニュアル 抗がん剤による口内炎(案) (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》
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シング等の物理的清掃と含嗽剤を用いた化学的清掃に大別される。
口腔内の細菌叢はバイオフィルムを形成するため、化学的清掃のみでは除
去できず、物理的清掃による除去が必須となる。口内炎の感染予防には、治
療開始前から口腔衛生管理(口腔ケア)を受けることが望ましい。口腔細菌
を可及的に減少させるためスケーリング(歯石除去)を行い、歯垢(デンタ
ルプラーク)や舌苔中に含まれる細菌は含嗽などでは除去しにくいため、歯
ブラシや舌ブラシなどの口腔清掃器具で保清に努める。回数は毎食後、寝る
前の 1 日 4 回行う。食事をしていなくても、歯垢は歯面に付着するので 1 日 1
回はブラッシングをする。歯ブラシは軟毛、超軟毛のものを用いる。歯磨剤
は使用するならばメントールやアルコールが含まれない低刺激性のものがよ
い。
ブラッシングの基本:口腔内の歯垢や食物残渣を取り除くこと。汚れの残
りやすいところは咬合面の溝、歯と歯肉の境目と歯と歯の間である。歯ブラ
シは軟毛または超軟毛で動かしやすい小さい歯ブラシがよい。歯ブラシは毛
先を歯に垂直に押し当てて、横に細かく振動させるように動かす。大きく動
かすと汚れは取れないばかりか歯肉を傷つけたり、歯根表面をすり減らす危
険性がある。歯ブラシの届きにくい歯と歯の間などの歯垢は、歯面清掃補助
用具が有用である。デンタルフロスや歯間ブラシなどが一般的である。
(3)口腔内の冷却(oral cryotherapy)
氷片などを口に含んで、口の粘膜を冷やして毛細血管を収縮させ、抗がん
剤が口腔粘膜へ到達するのを抑制する。口腔がんなどでは抗腫瘍効果の減弱
につながる可能性があるので注意が必要である 9)。5-FU 急速静注+大量メル
ファラン療法での併用が推奨されている。
(4)保湿(乾燥予防)
口腔内の乾燥は口内炎の発生や増悪因子と関連がある。保湿剤や市販の口
腔内保湿ジェルなどを併用することも有効である 10)。
(5)禁煙
喫煙によって口内炎が増悪する可能性があるので禁煙を厳守する。
(1.(3)患者側のリスク因子.⑤喫煙参照)。

6.治療方法
口内炎は、確立した治療はなく、症状にあわせた対症療法が主である。
(1)含嗽および口腔衛生管理(口腔ケア)
治療においても口腔衛生管理(口腔ケア)と含嗽は継続する。含嗽剤は口
腔内の保清、保湿に加えて、消炎鎮痛、組織修復が主な目的である。口内炎
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