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参考資料2-1 令和3年度厚生労働科学研究費補助金(政策科学総合研究事業臨床研究等ICT 基盤構築・人工知能実装研究事業)AI を活用した医療機器の開発・研究におけるデータ利用の実態把握と課題抽出に資する研究(21AC0701)研究班における検討結果(概要) (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26018.html
出典情報 厚生科学審議会 再生医療等評価部会 遺伝子治療等臨床研究における個人情報の取扱いの在り方に関する専門委員会(第7回 6/2)《厚生労働省》
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仮名加工情報の利活用;生命・医学系指針の課題

個人情報保護法に主眼をおきつつ、生命・医学系指針の関係、また医薬品医療機器等法の関係に着目し、
それらの課題を俯瞰的に抽出し、『現行制度下において可能な方策と今後解消すべき課題』を明確化

(人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針)



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仮名加工情報を活用したAI医療機器の開発・研究等の実施に際しては「生命・医学系指針第
4章第8の1インフォームド・コンセントを受ける手続等(2)自らの研究機関において保有して
いる既存試料・情報を研究に用いる場合」等を参照することとなるが、下記のような課題が見
出された

データ利活用

被験者保護と研究の適正な推進

品質、安全性及び有効性

個人情報保護法

生命・医学系指針

医薬品医療機器等法

第4章 第8の1(2) イ (試料を用いない研究)

 生命・医学系指針第4章第8の1(2)イ(試料を用いない研究)において、イ
ンフォームド・コンセントを受けない場合の要件として「(ア) 当該研究に用
いられる情報が仮名加工情報(既に作成されているものに限る。)、匿名
加工情報又は個人関連情報である場合」と規定されているが、この場合の
仮名加工情報が、「既に作成されているものに限る。」となっている点は、
仮名加工情報を利活用したいという医療機関や企業側から見れば実質的
に生命・医学系指針独自の上乗せ規定のようにも見え、企業が共同利用
の枠組みで、仮名加工情報をAI医療機器の開発に利活用する上で弊害と
なりうることが懸念される。
 個人情報でない仮名加工情報は、作成を開始する時点においては個人情
報であり、作成が完了した段階においては他の情報と照合しない限り特定
の個人を識別できない情報であるため、生命・医学系指針第4章第8の1
(2) イ(試料を用いない研究)について、「既に作成されているものに限る」
の要件が匿名加工情報には課されず、仮名加工情報(個人情報でない仮
名加工情報)にのみ課されることは、整合性がとれていないのではないか。

以上より、令和2年改正個人情報保護法では情報の利活用促進を目的として
仮名加工情報が新設されたが、改正生命・医学系指針では「既に作成されて
いるもの」に該当しない仮名加工情報の利活用について、実質的に上乗せ規
定が設けられており、仮名加工情報の利活用を進める上で弊害となっている
ため、今後見直しなどが求められるのではないか 。

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