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資料4-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[235KB] (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70725.html
出典情報 薬事審議会 医薬品等安全対策部会(令和7年度第4回 3/6)《厚生労働省》
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ID

感染症(PT)

出典

Trop Med Infect Dis.
10(2025)37

概要

2022年8月、70代半ばの聖職者がコンゴ民主共和国から南アフリカのダーバンに治療のため渡航した。患
者はその8カ月前に耳痛と耳鳴を発症していた。患者には皮膚、耳、眼疾患の既往歴、家畜やペットとの接
触歴はなかった。初発症状は外耳道の腫瘤拡大、顎関節部腫脹、耳漏、難聴、右顔面筋力低下で、入院3
カ月前より錯乱、傾眠状態、不明瞭発語、摂食困難、切迫性尿失禁、歩行不能が発現した。外耳道腫瘤の
生検で正体不明の線虫の存在が判明し、駆虫薬による治療が開始されたが臨床状態が悪化し、集中治療
室に入院後まもなく死亡した。直接の死因は気管支肺炎であった。生前の外耳道腫瘤と死後の脳試料か
ら自由生活性線虫の成虫、幼虫、卵を検出した。ラブジチス型幼虫の形態からStrongyloides 種もしくは
Halicephalobus 種であることが示唆されたが、いくつかの特徴から別の自由生活性の線虫種であることが
示された。サンガー配列決定ではCephalobus cubaensis との同一性が高く、全ゲノム配列決定における複
合データ解析では18S rRNA配列がC. cubaensis との高い同一性を、28S rRNA配列がZeldia punctata 、
Heterocephalobellus 種、C. cubaensis PS-1197株との同一性を示した。系統解析ではC. cubaensis と非常
に密接なグループを形成した。C. cubaensis は、自由生活性線虫で、Rhabditida 目、Cephalobidae 科に属
する。ヒトにおける侵入性自由生活性線虫感染は、過去40年間の報告がHalicephalobus 種による6例のみ
と非常に稀である。この6例はいずれも致死的な中枢神経系感染で、死に至る前に病原体特異的な治療は
開始されなかった。Halicephalobus 感染症はウマで報告されており、駆虫薬による治療にもかかわらず一
様に致死的な中枢神経系感染症であった。脊椎動物におけるCephalobus 種感染は極めて稀で、動物にお
ける2例(北米と南アフリカにおける雌ウマの寄生虫性乳腺炎)のみ報告されている。 本報告は、
Cephalobus 種によって引き起こされた世界初のヒト感染例で、生前に診断が下され、抗蠕虫治療が開始さ
れたという点でユニークである。全ゲノム配列決定による同定は困難で、データはC. cubaensis と
Cephalobidae 科の他の種を示していた。

24

線虫症

25

〇三重県内におけるネコからヒト(獣医師)への感染が疑われた重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の死
亡例
患者情報:70代男性。獣医師。
既往 高血圧症、脂質異常症。
発症約3週間前にマダニが付着した放し飼いネコ2頭を診察。その際SFTSを想定した個人防護具着用等、
感染予防対策は実施していなかった。
経過:発症当日食欲不振を自覚、発症2日目に意識変容及び胸部圧迫感の訴え、発症4日目に嘔吐を認
め救急搬送緊急入院。
入院時所見 体温37.5℃、意識レベルGCS13点、発語不明瞭、指示動作困難。入院後、複数回下痢、左腋
重症熱性血小板
窩リンパ節腫大を認める。
IASR. 46(2025)165-167
減少症候群
血液検査所見 血球貪食症候群、腎機能障害、横紋筋融解症を示唆。入院2日目に糸球体、尿細管障害を
示唆、左腋窩及び鎖骨下リンパ節多発腫大を確認。同患者が診察したネコがSFTSと診断されていたこと
から、SFTSを疑い、抗ウイルス薬(ファビピラビル)を投与、入院5日目に症状改善せず死亡退院。
解析結果:入院時患者の検体 SFTSウイルス遺伝子RT-PCR法により陽性。診察したネコの検体のSFTS
ウイルス遺伝子を解析した結果、同一系統。
SFTSウイルスは、感染したマダニの刺咬がもっとも重要な感染経路であるが、感染動物やヒト-ヒト感染事
例も複数報告されている。2025年4月30日時点で、発症動物との接触により感染したと考えられる獣医療
従事者届出例は11例。SFTS疑い患者入院時には、状況に応じた感染予防対策を講じるべきと考える。ま
た、獣医療現場においても、SFTSが疑われる動物を診察する際には、状況に応じてヒト患者同様の感染
予防対策を講じる必要があると考える。

26

〇日本におけるマダニ媒介性感染症の症例が過去最多に
2025年にマダニを主な媒介とする感染症の患者数が過去最多に達した。SFTSは、血小板の減少、出血、
意識障害等を引き起こす可能性があり、致死率は10~30%とされる。国立健康危機管理研究機構の速報
データによると、8月末までの1週間で新たに4件の感染が確認され、2025年の累計感染者数は149人とな
り、2023年の年間最多記録を超えた。感染は主に西日本の32都道府県で報告されており、高知県で14件、
大分県で12件、熊本県と長崎県でそれぞれ9件、鹿児島県、島根県、兵庫県でそれぞれ8件確認されてい
る。また、関東地方や北海道でも感染が確認されており、これらの地域では昨年まで感染報告がなかっ
た。厚生労働省は、西日本以外でも感染が報告される可能性があるとして、屋外活動時には肌の露出を
減らす等の予防策を講じるよう呼びかけている。

重症熱性血小板 ProMED-mail
減少症候群
20250911.8727229

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