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資料4-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[235KB] (3 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70725.html |
| 出典情報 | 薬事審議会 医薬品等安全対策部会(令和7年度第4回 3/6)《厚生労働省》 |
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ID
感染症(PT)
出典
概要
ジフテリアは、毒素産生性Corynebacterium 種がジフテリア毒素(DT)を産生することで引き起こされる。DT
産生の可能性があるのはヒト病原体C. diphtheriae 、人獣共通感染性病原体C. ulcerans とC.
pseudotuberculosis の3種である。近年、C. diphtheriae からC. belfantii とC. rouxii の2種が、C. ulcerans 系
統2からC. silvaticum とC. ramonii の2種が分けられた。C. silvaticum はドイツのイノシシとノロジカの乾酪性
リンパ節炎を引き起こす病原体として報告され、その後、ドイツのイノシシ、ポルトガルの家畜のブタから検
出された。ドイツ由来株は無毒性毒素保有(NTTB)であったが、ポルトガル及びオーストリア由来株には
NTTBと毒素陽性が認められており、2つのクレードが提案されている。C. silvaticum はヒトに感染する能力
のある人獣共通感染性病原体と考えられているが、ヒトへの感染は報告されていない。本研究では、ヒトC.
silvaticum 感染症の2症例を報告する。
症例1:37歳、肉屋の男性。3週間前からの側胸部と右腋窩の無痛性腫瘍のため受診。外科的切除時のス
ワブ試料からC. ulcerans が純培養され、the German Consiliary Laboratory for Diphtheriaに送付された分
離株の詳細な分析の結果、NTTB C. silvaticum と同定された。患者は最近、狩猟された腸間膜疾患性リン
パ節が疑われるイノシシの解体を野外で実施したと報告した。
症例2:21歳男性。4週間前からの緩慢性腋窩腫瘍のため受診。患部の罹患リンパ節を切除したところ、鮮
紅色の膿性膿瘍形成と組織球豊富な慢性肉芽腫性炎症を伴う線維化した軟部組織が認められた。組織
試料から純培養されたCorynebacterium 種はC. ulcerans と同定され、症例1と同様の分析の結果、NTTB
C. silvaticum と同定された。ドイツ北部の農村部に住む患者はイヌを飼育しており、野生動物との接触はな
かったと報告した。
本研究では、密接な動物接触(イノシシとイヌ)に関連するヒト感染の2症例を報告した。症例1で最も可能
性の高い感染経路は、屠殺又は野外での動物の解体中の、感染組織と微小外傷病変との直接接触で
あった。症例2は野生動物との接触を報告していないが、C. silvaticum はこれまでに野生の森林居住動物
とブタでのみ同定されている。結論として、C. silvaticum は動物からヒトへの感染の可能性がある人獣共通
感染症病原体と考えるべきである。イノシシやブタを取り扱う際には、人獣共通感染症リスクを回避するた
めに適切な予防措置を講じるべきである。
8
コリネバクテリウ ProMED-mail
ム感染
20250627.8725284
9
韓国においてCOVID-19とは異なる新たなヒトコロナウイルスが発見された。研究者らは、2022年に肺炎症
状を呈し高麗大学病院に入院していた103日齢の乳児1例の検体を分析した。患児は発熱、咳嗽、痰及び
鼻汁を含む呼吸器症状を呈し、急性中耳炎及び肝機能異常も有していた。肝機能及び呼吸器症状は保存
療法で改善し、8日後に退院した。研究チームは発生源の特定のため、2018年から2022年に採取された野
Korea Biomedical
生のヤマネ880匹のウイルス感染を検査した。そのうち16匹(1.8%)が新型アルファコロナウイルスに感染
Review.
コロナウイルス感
していたことが判明し、乳児で確認されたウイルスと93.0%から96.8%の高い遺伝的類似性を示した。本ウ
https://www.koreabiom
染
イルスはヒトコロナウイルス(229E、NL63、OC43、HKU1)とは遺伝的に異なり、げっ歯類に由来する可能性
ed.com/news/articleVie
が高い。このげっ歯類がウイルスの自然宿主である可能性が高いが、感染経路はいまだ不明である。
w.html?idxno=26773
COVID-19は主に肺炎を引き起こしているが、本ウイルスは肝機能障害や肺炎に関連していた。ヒト-ヒト感
染の可能性については更なる研究が必要である。これまでのヒトコロナウイルスよりも、中国及び韓国で確
認されたげっ歯類由来のアルファウイルス(AcCoV-JC34)に近かった。本ウイルスは動物からヒトに跳躍し
た新しい形態のウイルスである可能性が高い。
10
パルボウイルスB19の活性-米国、2024年1月~2025年5月:2024年から2025年にかけてパルボウイルス
B19の活性増加が継続したか否かを特定するため、CDCは、血清B19免疫グロブリンM(IgM)抗体に関する
データを分析した。2024年、IgM検査陽性の割合は、2月中旬(第7週)の3.3%から、ピークであった6月下旬
(第27週)の9.6%まで増加し、その後10月下旬(第44週)に2.0%まで低下した。その後、2024年11月中旬
(第46週)の2.8%から、2025年5月上旬(第19週)の7.3%に増加した。2025年のIgM検査陽性の割合は、第
1四半期及び第2四半期について、2024年と比較して共に有意に高かったこと等について記載されている。
11
パルボウイルス
B19感染
CDC MMWR.
74(2025)404-406
ブルセラ症
ブルセラ症はBrucella 種によって引き起こされる細菌性人畜共通感染症で、反芻動物、ブタ、イヌ等様々な
家畜に影響を及ぼし、農家、獣医師、食肉処理場労働者等の動物と直接接触する者に感染する可能性が
ある。Brucella suis は宿主嗜好性と地理的分布が異なる5つのbiovar(生物型)を持ち、生物型1-3は主にブ
タとイノシシに、生物型4は北米のトナカイとカリブーに、生物型5は主にげっ歯類に感染する。B. suis
biovar 1 は主にブタに関連しているが、様々な宿主で確認されており、より広い適応性を示している。本研
究ではインドの流産したウシからのB. suis 分離を報告する。複数の流産が報告されブルセラ症アウトブレ
イクが疑われたインド、Bareilly市郊外の都市周辺酪農場で、10日前に流産した30カ月齢の雌牛の血液試
料と膣スワブ試料が採取され、標準的な方法でBrucella 属細菌分離が行われた。膣スワブ試料はBrucella
種に特徴的な増殖を示し、分離株Bru_Su_IVRI_VS1 はB. suis biovar 1 と同定された。Bru_Su_IVRI_VS1 から
Braz J Microbiol.
抽出されたDNAでPCRが行われ、ゲノム配列決定、比較ゲノミクス解析、系統解析、コアゲノムMLST解析
(2025)doi:10.1007/s427 が行われた。インドでは、ウシブルセラ症は通常B. abortus 、B. melitensis と関連している。本研究では、主
70-025-01747-1
にブタ感染症と関連する種であるB. suis が、最近流産したウシから分離された。これはインドのウシにおけ
る初めてのB. suis biovar 1 確定分離株であった。ゲノム解析の結果、この株における病原性因子の保存、
株特異的変異、世界的に循環しているST14株との密接な系統発生的関係が検出された。オーストラリアで
はウシ集団の乳腺試料及び関連するリンパ節試料からB. suis biovar 1 が分離された。米国では感染した
ウシの乳汁からB. suis biovar 1 が分離されたが、膣スワブ、血液、胎盤試料からは分離されなかった。ア
ルゼンチンではノウサギ、ポッサム、アルマジロ、ヒツジ等他の種でのB. suis biovar 1 感染が報告された。
このようにB. suis biovar 1 (ST14株)はヒトを含む様々な種に大陸を超えて広く分布しており、B. suis
biovar 1 は他の生物型よりも人畜共通感染症の可能性が高いことが示唆されている。B. suis biovar 1 の生
態と人畜共通感染症リスクを完全に理解するためには、機能解析と家畜・野生生物集団全体にわたる拡
大サンプリングを組み込んだ研究が不可欠である。
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感染症(PT)
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概要
ジフテリアは、毒素産生性Corynebacterium 種がジフテリア毒素(DT)を産生することで引き起こされる。DT
産生の可能性があるのはヒト病原体C. diphtheriae 、人獣共通感染性病原体C. ulcerans とC.
pseudotuberculosis の3種である。近年、C. diphtheriae からC. belfantii とC. rouxii の2種が、C. ulcerans 系
統2からC. silvaticum とC. ramonii の2種が分けられた。C. silvaticum はドイツのイノシシとノロジカの乾酪性
リンパ節炎を引き起こす病原体として報告され、その後、ドイツのイノシシ、ポルトガルの家畜のブタから検
出された。ドイツ由来株は無毒性毒素保有(NTTB)であったが、ポルトガル及びオーストリア由来株には
NTTBと毒素陽性が認められており、2つのクレードが提案されている。C. silvaticum はヒトに感染する能力
のある人獣共通感染性病原体と考えられているが、ヒトへの感染は報告されていない。本研究では、ヒトC.
silvaticum 感染症の2症例を報告する。
症例1:37歳、肉屋の男性。3週間前からの側胸部と右腋窩の無痛性腫瘍のため受診。外科的切除時のス
ワブ試料からC. ulcerans が純培養され、the German Consiliary Laboratory for Diphtheriaに送付された分
離株の詳細な分析の結果、NTTB C. silvaticum と同定された。患者は最近、狩猟された腸間膜疾患性リン
パ節が疑われるイノシシの解体を野外で実施したと報告した。
症例2:21歳男性。4週間前からの緩慢性腋窩腫瘍のため受診。患部の罹患リンパ節を切除したところ、鮮
紅色の膿性膿瘍形成と組織球豊富な慢性肉芽腫性炎症を伴う線維化した軟部組織が認められた。組織
試料から純培養されたCorynebacterium 種はC. ulcerans と同定され、症例1と同様の分析の結果、NTTB
C. silvaticum と同定された。ドイツ北部の農村部に住む患者はイヌを飼育しており、野生動物との接触はな
かったと報告した。
本研究では、密接な動物接触(イノシシとイヌ)に関連するヒト感染の2症例を報告した。症例1で最も可能
性の高い感染経路は、屠殺又は野外での動物の解体中の、感染組織と微小外傷病変との直接接触で
あった。症例2は野生動物との接触を報告していないが、C. silvaticum はこれまでに野生の森林居住動物
とブタでのみ同定されている。結論として、C. silvaticum は動物からヒトへの感染の可能性がある人獣共通
感染症病原体と考えるべきである。イノシシやブタを取り扱う際には、人獣共通感染症リスクを回避するた
めに適切な予防措置を講じるべきである。
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コリネバクテリウ ProMED-mail
ム感染
20250627.8725284
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韓国においてCOVID-19とは異なる新たなヒトコロナウイルスが発見された。研究者らは、2022年に肺炎症
状を呈し高麗大学病院に入院していた103日齢の乳児1例の検体を分析した。患児は発熱、咳嗽、痰及び
鼻汁を含む呼吸器症状を呈し、急性中耳炎及び肝機能異常も有していた。肝機能及び呼吸器症状は保存
療法で改善し、8日後に退院した。研究チームは発生源の特定のため、2018年から2022年に採取された野
Korea Biomedical
生のヤマネ880匹のウイルス感染を検査した。そのうち16匹(1.8%)が新型アルファコロナウイルスに感染
Review.
コロナウイルス感
していたことが判明し、乳児で確認されたウイルスと93.0%から96.8%の高い遺伝的類似性を示した。本ウ
https://www.koreabiom
染
イルスはヒトコロナウイルス(229E、NL63、OC43、HKU1)とは遺伝的に異なり、げっ歯類に由来する可能性
ed.com/news/articleVie
が高い。このげっ歯類がウイルスの自然宿主である可能性が高いが、感染経路はいまだ不明である。
w.html?idxno=26773
COVID-19は主に肺炎を引き起こしているが、本ウイルスは肝機能障害や肺炎に関連していた。ヒト-ヒト感
染の可能性については更なる研究が必要である。これまでのヒトコロナウイルスよりも、中国及び韓国で確
認されたげっ歯類由来のアルファウイルス(AcCoV-JC34)に近かった。本ウイルスは動物からヒトに跳躍し
た新しい形態のウイルスである可能性が高い。
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パルボウイルスB19の活性-米国、2024年1月~2025年5月:2024年から2025年にかけてパルボウイルス
B19の活性増加が継続したか否かを特定するため、CDCは、血清B19免疫グロブリンM(IgM)抗体に関する
データを分析した。2024年、IgM検査陽性の割合は、2月中旬(第7週)の3.3%から、ピークであった6月下旬
(第27週)の9.6%まで増加し、その後10月下旬(第44週)に2.0%まで低下した。その後、2024年11月中旬
(第46週)の2.8%から、2025年5月上旬(第19週)の7.3%に増加した。2025年のIgM検査陽性の割合は、第
1四半期及び第2四半期について、2024年と比較して共に有意に高かったこと等について記載されている。
11
パルボウイルス
B19感染
CDC MMWR.
74(2025)404-406
ブルセラ症
ブルセラ症はBrucella 種によって引き起こされる細菌性人畜共通感染症で、反芻動物、ブタ、イヌ等様々な
家畜に影響を及ぼし、農家、獣医師、食肉処理場労働者等の動物と直接接触する者に感染する可能性が
ある。Brucella suis は宿主嗜好性と地理的分布が異なる5つのbiovar(生物型)を持ち、生物型1-3は主にブ
タとイノシシに、生物型4は北米のトナカイとカリブーに、生物型5は主にげっ歯類に感染する。B. suis
biovar 1 は主にブタに関連しているが、様々な宿主で確認されており、より広い適応性を示している。本研
究ではインドの流産したウシからのB. suis 分離を報告する。複数の流産が報告されブルセラ症アウトブレ
イクが疑われたインド、Bareilly市郊外の都市周辺酪農場で、10日前に流産した30カ月齢の雌牛の血液試
料と膣スワブ試料が採取され、標準的な方法でBrucella 属細菌分離が行われた。膣スワブ試料はBrucella
種に特徴的な増殖を示し、分離株Bru_Su_IVRI_VS1 はB. suis biovar 1 と同定された。Bru_Su_IVRI_VS1 から
Braz J Microbiol.
抽出されたDNAでPCRが行われ、ゲノム配列決定、比較ゲノミクス解析、系統解析、コアゲノムMLST解析
(2025)doi:10.1007/s427 が行われた。インドでは、ウシブルセラ症は通常B. abortus 、B. melitensis と関連している。本研究では、主
70-025-01747-1
にブタ感染症と関連する種であるB. suis が、最近流産したウシから分離された。これはインドのウシにおけ
る初めてのB. suis biovar 1 確定分離株であった。ゲノム解析の結果、この株における病原性因子の保存、
株特異的変異、世界的に循環しているST14株との密接な系統発生的関係が検出された。オーストラリアで
はウシ集団の乳腺試料及び関連するリンパ節試料からB. suis biovar 1 が分離された。米国では感染した
ウシの乳汁からB. suis biovar 1 が分離されたが、膣スワブ、血液、胎盤試料からは分離されなかった。ア
ルゼンチンではノウサギ、ポッサム、アルマジロ、ヒツジ等他の種でのB. suis biovar 1 感染が報告された。
このようにB. suis biovar 1 (ST14株)はヒトを含む様々な種に大陸を超えて広く分布しており、B. suis
biovar 1 は他の生物型よりも人畜共通感染症の可能性が高いことが示唆されている。B. suis biovar 1 の生
態と人畜共通感染症リスクを完全に理解するためには、機能解析と家畜・野生生物集団全体にわたる拡
大サンプリングを組み込んだ研究が不可欠である。
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