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資料4-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[235KB] (6 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70725.html |
| 出典情報 | 薬事審議会 医薬品等安全対策部会(令和7年度第4回 3/6)《厚生労働省》 |
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ID
19
20
21
感染症(PT)
感染性腸炎
梅毒
特発性肝硬変
出典
概要
CDC MMWR.
74(2025)1-12
2009年~2021年に、Animal Contact Outbreak Surveillance System(ACOSS)を通じ、米国で計557件の動
物との接触による腸疾患のアウトブレイクが報告され、14,377例が罹患し、2,656例が入院し、22例が死亡
した。全50州、Washington DC、Puerto Ricoで曝露が報告された。単独の原因が確認された474件のアウト
ブレイクのうち、アウトブレイクの原因として最も多かったのはSalmonella(248件)であり、これらのアウトブ
レイクが、大多数のアウトブレイク関連の疾患(11,822例)、入院(2,393例)、死亡(17例)を占めた。単独の
原因が確認されたアウトブレイクの原因として2番目に多かったのはCryptosporidium (108件)で、
Escherichia coli とCampylobacter がそれに続いた。単独の動物種が原因である可能性のある、動物を感
染源としたアウトブレイク467件のうち、最も多く関与した動物種は反芻動物(171例、反芻動物のアウトブレ
イクのうち75%はウシに起因)、次いで家禽(155例)、カメ(39例)であった。このうちブタ(非反芻有蹄哺乳
類)との接触に関連するアウトブレイクは7件、罹患者数は108例であった。
Vox Sang.
120(2025)473-480
〇日本における梅毒症例の増加:血液事業にもたらされるリスク
日本における梅毒症例は、主に異性間感染により2022年には1万人を超え急増している。献血者集団にお
ける梅毒感染が採血と供血に及ぼす影響について調査した。2015年1月から2022年12月までに行われた
献血39,199,047件の血液検体に対して検査を実施し、期間中の梅毒陽性献血者数は3,487人であった。献
血10万件あたり8.9人で、20代から40代男性、20代女性が他の年齢層と比較し高かった。厚生労働省の感
染症発生動向調査から一般集団と献血者集団の梅毒症例の増加率を比較したところ、2022年は2015年と
比べ、献血者集団は1.7倍と一般集団の4.9倍に対し顕著な増加ではなかった。これは、献血者に対する問
診や複数回献血者による健全な献血の影響と考えられた。梅毒症例の増加は、血液製剤の安全性に影
響はないと考えられるが、献血者の減少に繋がり将来的に採血に影響を与える。梅毒感染に伴うリスクに
ついて、一般集団及び献血集団双方に効果的な教育を実施する必要がある。
Viruses. 17(2025)812
臨床研究によると、肝疾患の原因が不明である患者は全体の5~30%にのぼるとされている。長年の仮説
として、A型~E型肝炎ウイルス以外に未知のウイルスが存在する可能性が指摘されてきた。私たちは、原
因不明の肝疾患患者9名の血清ウイルス群(virome)を解析し、注釈できない8つのコンティグ(配列断片)
を同定した。そのうち1つは汚染と判定されたが、ある患者(Patient 3)から得られた7つのコンティグのうち2
つは、RT-PCR及びサンガーシーケンシングによって検証された。異なる方法で抽出されたテンプレートや
異なる時点で採取されたサンプルを用いたPCRにより、汚染の可能性は完全に排除された。そのうちの1つ
「Seq260」は、酵素消化とゲノムウォーキングにより、負鎖一本鎖DNAであることが特徴づけられた。デジタ
ルドロップレットPCRにより、Seq260のコピー数は343コピー/mLと低いことが判明した。Seq260を用いたネ
ステッドPCRによるスクリーニングでは、200人の献血者及び225人の既知又は未知の肝疾患患者におい
て陰性であった。また、Patient 3から得られた7つのコンティグは、11万8,713件のウイルスメタゲノムデータ
には一致しなかった。結論として、原因不明の肝硬変患者から7つの未知のコンティグを発見した。これら
の配列は、負鎖一本鎖DNAゲノムを持つ新規ヒトウイルス由来である可能性が高いと考えられる。
Viruses. 17(2025)381
本研究では、インドにおけるブタの人獣共通ウイルス性疾患の有病率、アウトブレイク動態、公衆衛生上の
意味を評価し、効果的な制御手段を開発するための貴重な情報を報告する。ラブドウイルス科及びリッサ
ウイルス属に属する神経向性ウイルスである狂犬病ウイルス(RABV)は、世界中で毎年約59,000例がヒト
の死亡の原因となる重大な人獣共通病原体であり、インドが大部分を占めている。イヌが狂犬病の主要な
保有宿主及び感染源となる一方で、このウイルスが家畜を含む他の哺乳類に感染する可能性があること
から、ブタのような従来とは異なる宿主での発生が懸念されている。ブタは一次保有宿主として認識されて
いないが、感染動物、特に狂犬病のイヌと接触すると、偶発的宿主として作用する可能性がある。インドで
はブタの狂犬病の報告はまれであり、散発的かつ日和見的に発生することを反映している。ブタが自由に
歩き回り、狂犬病常在性肉食動物と生息地を共有することが多い農村地域では、孤立した症例が報告され
ている。例えば、南インドの農場条件下における家畜のブタの狂犬病の最初の記録症例を報告している。
この症例では、ケララ州の養豚場の3頭のブタが、野良犬に襲われてから10日後に神経症状を呈し、48時
間以内に死亡した。同様に、インド北東部のブタにおける狂犬病症例が報告されており、この種におけるこ
の疾患の発症は散発的ではあるが顕著に発生している。また、ナグプルの三次医療施設において、動物
に噛まれた後にヒトに発生した狂犬病症例が報告されており、これらの症例の0.6%がブタに噛まれたこと
に起因することが報告された。これらの症例は、イヌの狂犬病有病率が高い地域のブタに狂犬病が波及す
る可能性を強調している。このような事例はまれであるが、狂犬病サーベイランスプログラムにブタを含め
ることの重要性を強調している。イヌを対象としたワクチン接種キャンペーンや農家に対する教育等の予防
対策は、狂犬病動物への家畜の接触を最小限に抑え、ブタ等の従来とは異なる宿主における狂犬病伝播
のリスクをコントロールするために極めて重要である。
22
狂犬病
23
ヒト幼虫移行症は、さまざまな線虫種の幼虫によって引き起こされる人獣共通感染症であり、これまでに確
認されたすべての病原体は哺乳類の宿主から発生している。2020年にベトナムで報告された症例シリーズ
では、Oxyspirura 属の鳥類眼虫の幼虫によって引き起こされる皮膚幼虫移行症の事例が確認された。この
線虫属はThelaziidae 科に属し、主にさまざまな鳥類の目に寄生する84種が含まれている。彼らは生活環
の中でゴキブリ、バッタ、コオロギ等の異なる節足動物の中間宿主を利用する。幼虫の18S配列が分析さ
れたものの、病原体の種レベルでの正確な同定は未確定のままである。この研究は、患者から採取した幼
虫と彼の家族が飼育しているニワトリから採取した成虫眼虫を形態学的及び分子的方法を用いて分析す
Parasitology Research.
皮膚幼虫移行症
ることで、種レベルでの正確な原因物質を特定することを目的としている。18S rDNA、ITS2、及びcox1配列
124(2025)46
の分子分析により、患者からの幼虫とニワトリからの成虫眼虫、及びタイとバングラデシュからの
Oxyspirura mansoni との遺伝的同一性が明らかになった。さらに、形態学的検査により、ニワトリの成虫眼
虫がOxyspirura mansoni であることが確認された。これらの発見は、O. mansoni の幼虫がヒト幼虫移行症
の原因であることを確認し、鳥類(ニワトリ)からの線虫幼虫が人間に新たに発生する忘れられた熱帯病の
病原体であることを初めて確認した。この線虫の広範な分布を考慮すると、ベトナムだけでなく他の地域で
もこの忘れられた病気を調査するためのさらなる研究が重要である。ニワトリとヒトの感染を防ぐためには、
適切な治療法と伝播経路を理解することが不可欠である。
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感染性腸炎
梅毒
特発性肝硬変
出典
概要
CDC MMWR.
74(2025)1-12
2009年~2021年に、Animal Contact Outbreak Surveillance System(ACOSS)を通じ、米国で計557件の動
物との接触による腸疾患のアウトブレイクが報告され、14,377例が罹患し、2,656例が入院し、22例が死亡
した。全50州、Washington DC、Puerto Ricoで曝露が報告された。単独の原因が確認された474件のアウト
ブレイクのうち、アウトブレイクの原因として最も多かったのはSalmonella(248件)であり、これらのアウトブ
レイクが、大多数のアウトブレイク関連の疾患(11,822例)、入院(2,393例)、死亡(17例)を占めた。単独の
原因が確認されたアウトブレイクの原因として2番目に多かったのはCryptosporidium (108件)で、
Escherichia coli とCampylobacter がそれに続いた。単独の動物種が原因である可能性のある、動物を感
染源としたアウトブレイク467件のうち、最も多く関与した動物種は反芻動物(171例、反芻動物のアウトブレ
イクのうち75%はウシに起因)、次いで家禽(155例)、カメ(39例)であった。このうちブタ(非反芻有蹄哺乳
類)との接触に関連するアウトブレイクは7件、罹患者数は108例であった。
Vox Sang.
120(2025)473-480
〇日本における梅毒症例の増加:血液事業にもたらされるリスク
日本における梅毒症例は、主に異性間感染により2022年には1万人を超え急増している。献血者集団にお
ける梅毒感染が採血と供血に及ぼす影響について調査した。2015年1月から2022年12月までに行われた
献血39,199,047件の血液検体に対して検査を実施し、期間中の梅毒陽性献血者数は3,487人であった。献
血10万件あたり8.9人で、20代から40代男性、20代女性が他の年齢層と比較し高かった。厚生労働省の感
染症発生動向調査から一般集団と献血者集団の梅毒症例の増加率を比較したところ、2022年は2015年と
比べ、献血者集団は1.7倍と一般集団の4.9倍に対し顕著な増加ではなかった。これは、献血者に対する問
診や複数回献血者による健全な献血の影響と考えられた。梅毒症例の増加は、血液製剤の安全性に影
響はないと考えられるが、献血者の減少に繋がり将来的に採血に影響を与える。梅毒感染に伴うリスクに
ついて、一般集団及び献血集団双方に効果的な教育を実施する必要がある。
Viruses. 17(2025)812
臨床研究によると、肝疾患の原因が不明である患者は全体の5~30%にのぼるとされている。長年の仮説
として、A型~E型肝炎ウイルス以外に未知のウイルスが存在する可能性が指摘されてきた。私たちは、原
因不明の肝疾患患者9名の血清ウイルス群(virome)を解析し、注釈できない8つのコンティグ(配列断片)
を同定した。そのうち1つは汚染と判定されたが、ある患者(Patient 3)から得られた7つのコンティグのうち2
つは、RT-PCR及びサンガーシーケンシングによって検証された。異なる方法で抽出されたテンプレートや
異なる時点で採取されたサンプルを用いたPCRにより、汚染の可能性は完全に排除された。そのうちの1つ
「Seq260」は、酵素消化とゲノムウォーキングにより、負鎖一本鎖DNAであることが特徴づけられた。デジタ
ルドロップレットPCRにより、Seq260のコピー数は343コピー/mLと低いことが判明した。Seq260を用いたネ
ステッドPCRによるスクリーニングでは、200人の献血者及び225人の既知又は未知の肝疾患患者におい
て陰性であった。また、Patient 3から得られた7つのコンティグは、11万8,713件のウイルスメタゲノムデータ
には一致しなかった。結論として、原因不明の肝硬変患者から7つの未知のコンティグを発見した。これら
の配列は、負鎖一本鎖DNAゲノムを持つ新規ヒトウイルス由来である可能性が高いと考えられる。
Viruses. 17(2025)381
本研究では、インドにおけるブタの人獣共通ウイルス性疾患の有病率、アウトブレイク動態、公衆衛生上の
意味を評価し、効果的な制御手段を開発するための貴重な情報を報告する。ラブドウイルス科及びリッサ
ウイルス属に属する神経向性ウイルスである狂犬病ウイルス(RABV)は、世界中で毎年約59,000例がヒト
の死亡の原因となる重大な人獣共通病原体であり、インドが大部分を占めている。イヌが狂犬病の主要な
保有宿主及び感染源となる一方で、このウイルスが家畜を含む他の哺乳類に感染する可能性があること
から、ブタのような従来とは異なる宿主での発生が懸念されている。ブタは一次保有宿主として認識されて
いないが、感染動物、特に狂犬病のイヌと接触すると、偶発的宿主として作用する可能性がある。インドで
はブタの狂犬病の報告はまれであり、散発的かつ日和見的に発生することを反映している。ブタが自由に
歩き回り、狂犬病常在性肉食動物と生息地を共有することが多い農村地域では、孤立した症例が報告され
ている。例えば、南インドの農場条件下における家畜のブタの狂犬病の最初の記録症例を報告している。
この症例では、ケララ州の養豚場の3頭のブタが、野良犬に襲われてから10日後に神経症状を呈し、48時
間以内に死亡した。同様に、インド北東部のブタにおける狂犬病症例が報告されており、この種におけるこ
の疾患の発症は散発的ではあるが顕著に発生している。また、ナグプルの三次医療施設において、動物
に噛まれた後にヒトに発生した狂犬病症例が報告されており、これらの症例の0.6%がブタに噛まれたこと
に起因することが報告された。これらの症例は、イヌの狂犬病有病率が高い地域のブタに狂犬病が波及す
る可能性を強調している。このような事例はまれであるが、狂犬病サーベイランスプログラムにブタを含め
ることの重要性を強調している。イヌを対象としたワクチン接種キャンペーンや農家に対する教育等の予防
対策は、狂犬病動物への家畜の接触を最小限に抑え、ブタ等の従来とは異なる宿主における狂犬病伝播
のリスクをコントロールするために極めて重要である。
22
狂犬病
23
ヒト幼虫移行症は、さまざまな線虫種の幼虫によって引き起こされる人獣共通感染症であり、これまでに確
認されたすべての病原体は哺乳類の宿主から発生している。2020年にベトナムで報告された症例シリーズ
では、Oxyspirura 属の鳥類眼虫の幼虫によって引き起こされる皮膚幼虫移行症の事例が確認された。この
線虫属はThelaziidae 科に属し、主にさまざまな鳥類の目に寄生する84種が含まれている。彼らは生活環
の中でゴキブリ、バッタ、コオロギ等の異なる節足動物の中間宿主を利用する。幼虫の18S配列が分析さ
れたものの、病原体の種レベルでの正確な同定は未確定のままである。この研究は、患者から採取した幼
虫と彼の家族が飼育しているニワトリから採取した成虫眼虫を形態学的及び分子的方法を用いて分析す
Parasitology Research.
皮膚幼虫移行症
ることで、種レベルでの正確な原因物質を特定することを目的としている。18S rDNA、ITS2、及びcox1配列
124(2025)46
の分子分析により、患者からの幼虫とニワトリからの成虫眼虫、及びタイとバングラデシュからの
Oxyspirura mansoni との遺伝的同一性が明らかになった。さらに、形態学的検査により、ニワトリの成虫眼
虫がOxyspirura mansoni であることが確認された。これらの発見は、O. mansoni の幼虫がヒト幼虫移行症
の原因であることを確認し、鳥類(ニワトリ)からの線虫幼虫が人間に新たに発生する忘れられた熱帯病の
病原体であることを初めて確認した。この線虫の広範な分布を考慮すると、ベトナムだけでなく他の地域で
もこの忘れられた病気を調査するためのさらなる研究が重要である。ニワトリとヒトの感染を防ぐためには、
適切な治療法と伝播経路を理解することが不可欠である。
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