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資料4-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[235KB] (2 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70725.html |
| 出典情報 | 薬事審議会 医薬品等安全対策部会(令和7年度第4回 3/6)《厚生労働省》 |
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ID
4
5
感染症(PT)
出典
概要
テンブスウイルス(TMUV)は主に蚊が媒介するフラビウイルス科のウイルスで、アヒルやガチョウの産卵低
下や神経学的問題を引き起こし、世界の水鳥産業に多大な経済的損失をもたらしている。以前はTMUVの
宿主範囲はアヒルやガチョウ等の水鳥に限定されていると考えられていたが、最近の研究ではニワトリ、ハ
ト、スズメ等の他の鳥類種に自然感染することが報告され、イルカでのTMUV感染症例やマウスにおける
感染実験等哺乳類宿主も確認されている。タイではアヒル農場の労働者及びアヒルと直接接触しない住民
からTMUV中和抗体が検出されており、TMUVが重大な公衆衛生リスクを伴う人畜共通病原体となる可能
性が懸念されている。本研究ではウズラから分離されたTMUVについて報告する。2024年8月、中国広西チ
ワン族自治区のウズラ農場で正体不明の感染症が発生し、抑うつ、麻痺、全年齢のウズラの産卵数の有
意な減少等の症状がみられた。疾患発生率は70%、死亡率は55%で、剖検では脳うっ血、浮腫、脾腫等
の病理学的特徴が明らかになった。死亡したウズラから採取した脳、肝臓、脾臓、肺、腎臓組織における
RT-PCRでTMUVが病原体であることが示唆され、陽性組織のニワトリ胚への接種でTMUVが分離された。
この株はGXLZ-2024株と命名された。ゲノム解析によりクラスター3.2 TMUV株との98.5~99.3%のヌクレオ
チド類似性が明らかになり、系統発生解析によりクラスター3.2に位置付けられた。45日齢の雄ウズラに
GXLZ-2024株を筋肉内注射したところ、抑うつ、体の振戦、100%の死亡率が認められた。感染群とともに
飼育した同居接触群のウズラも同様の症状を呈し、100%の死亡率に達した。剖検では、高レベルのウイ
ルス血症及び組織ウイルス量とともに、脳うっ血、脾臓肥大、精巣萎縮等の臓器損傷が明らかとなった。さ
らに、3週齢のKunmingマウスにGXLZ-2024株の頭蓋内接種及び脚部への筋肉内接種を行った。いずれの
接種経路も感染を引き起こし、典型的な神経症状を呈し、脳うっ血、出血を伴う肝腫大、精巣萎縮等の臓
器病変を誘発し、死亡率は頭蓋内接種群100%、筋肉内接種群90%であった。本研究ではウズラのTMUV
感染、ウズラ間のTMUV接触伝播、ウズラとマウスにおけるTMUVの詳細な病原性について初めて報告す
る。過去の研究と合わせて、TMUVが種間障壁を越える能力、人畜共通病原体となる可能性が強調され
た。
ウイルス感染
Res Vet Sci.
194(2025)105841
ウイルス感染
2016年に国際ウイルス分類委員会によって確立されたGenomovirus科は、Gemykibivirusを含む10の属の
環状Repコード一本鎖DNA(CRESS-DNA)ウイルスで構成される。Gemykibivirusは近年、脳炎、呼吸器疾
患、敗血症、心膜炎、下痢、多発性硬化症等の臨床症状を呈するヒトの様々なタイプの試料から検出され
ているが、他の動物宿主における存在や種間伝播の基礎となる機序についてはほとんど分かっていない。
本研究ではメタゲノム次世代シーケンシング(mNGS)を用いて中国の下痢のブタから新規ウイルスを同定
し、包括的な進化解析を行った。mNGSにより下痢のブタの組織試料から病原体を同定し、新規環状一本
鎖DNAウイルスゲノムの完全な配列決定に至った。ゲノムの特徴はCRESS-DNAウイルスの特徴と一致し
ていた。12の主要なCRESS-DNAウイルス科由来の216のREPタンパク質配列を選択し、それらを本研究で
同定した株のRep配列と統合して系統樹を構築した。この株がGenomovirus科に属することが確認されたた
Transbound Emerg Dis. め、Genomovirus科の全ての属を網羅する84の代表的なREPタンパク質配列と系統樹を構築した。系統解
2025(2025)7560012
析の結果、新たに同定されたCRESS-DNAウイルスはブタGemykibivirus(pGkV)と命名された。本研究で同
定されたpGkVは過去に報告された2株のブタ関連株との密接な近縁関係はなく、ヒト関連株の群とクラス
ターを形成し、密接な近縁関係を示した。イヌ関連株と鳥類関連株が含まれるこの群は「Zoo-GkV」と命名
され、pGkVはこの人獣共通感染系統の新規ウイルスであることが示唆された。pGkVゲノムの前半は鳥類
関連株との類似性が最も高く、ゲノムの後半はヒト関連株との類似性が高かった。Zoo-GkVは、これまでに
報告されたヒト関連Gemykibivirusのほとんどを含んでおり、それらは多様な症状を呈する患者で同定され
ている。Gemykibivirus属が病原体であることを示す直接的証拠はまだ不足しているが、多くの
Gemykibivirusが疾患を有する患者及び動物で同定され、その潜在的病原性を示している。本研究の結果
はGemykibivirusの宿主範囲を拡大し、ヒトと動物両方でこのウイルスの監視を強化する必要があることを
強調した。
6
カンピロバクター J Vet Diagn Invest.
感染
37(2025)463-466
2023年11月中旬、3歳の交雑種の去勢ウマが体重減少と衰弱を呈し、1週間以上横臥した後に死亡した。
このウマは解剖のためCalifornia Animal Health and Food Safety Laboratory Systemに提出された。死亡
後8時間以内に剖検が行われ、病理組織学的検査で肝細胞壊死を伴った不規則な好中球性炎症が認め
られた。肝臓では他に軽度の好中球性胆管炎、中等度の胆管過形成、門脈浮腫、胆汁うっ滞、軽度の門
脈線維症、リンパ形質細胞浸潤が認められた。小腸と結腸では粘膜固有層、時には粘膜下層において多
数のリンパ球と形質細胞の浸潤、多巣性陰窩壊死が認められた。肝臓及び腎臓のシュタイナー染色及び
グラム染色で微生物は観察されず、レプトスピラ種免疫組織化学検査も陰性であった。コロンビア寒天培
地における肝臓試料の培養では少数の粘液様白色非溶血性コロニーが形成され、Campylobacter jejuni
と同定された。亜種の識別は行われていない。肉眼的・顕微鏡的病変と肝臓からの純粋培養の分離に基
づき、C. jejuni による壊死性化膿性肝炎の診断が確定した。C. jejuni 曝露源は特定されなかった。カンピロ
バクター種は哺乳類や鳥類を含む多くの健康な動物の消化管に見られ、動物ではC. fetus とC. jejuni の2
種が最も重要である。C. jejuni には2つの亜種(jejuni とdoylei )が存在し、C. jejuni subsp. jejuni はヒトの細
菌性食品媒介胃腸炎の2大原因の1つである。C. jejuni とニワトリの肝炎との関連は確定していないが、ウ
ズラでは実験的感染により肝炎が誘発されている。C. jejuni は反芻動物成体の胆嚢から分離され、健康な
小型反芻動物の腸管と胆嚢に常在しているが、C. jejuni subsp. jejuni によって流産したヒツジやヤギの胎
児では約1/3に壊死性肝炎が認められたという報告もある。ウマではカンピロバクター種による消化器疾患
の報告が限られており、C. jejuni による肝炎は報告されていない。本症例では胆管炎が認められ、細菌感
染が胆道系にも関与したことが示唆されているが、最初は腸管内に存在していたC. jejuni が胆道系を経て
上行性に肝臓に侵入したのか、それとも血液によって肝臓に到達し胆道系に流出したのかは不明である。
7
コリネバクテリウ Emerg Infect Dis.
ム感染
31(2025)1450-1454
ドイツで報告された2件のヒトのCorynebacterium silvaticum 感染症では、腋窩リンパ節炎と膿瘍形成が見
られた。1件の感染は、屠殺された野生のイノシシから発生した可能性がある。この最近記述されたジフテ
リア毒素遺伝子を持つC. diphtheriae 種複合体の一員は、新しい人獣共通感染症の病原体である可能性
がある。
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感染症(PT)
出典
概要
テンブスウイルス(TMUV)は主に蚊が媒介するフラビウイルス科のウイルスで、アヒルやガチョウの産卵低
下や神経学的問題を引き起こし、世界の水鳥産業に多大な経済的損失をもたらしている。以前はTMUVの
宿主範囲はアヒルやガチョウ等の水鳥に限定されていると考えられていたが、最近の研究ではニワトリ、ハ
ト、スズメ等の他の鳥類種に自然感染することが報告され、イルカでのTMUV感染症例やマウスにおける
感染実験等哺乳類宿主も確認されている。タイではアヒル農場の労働者及びアヒルと直接接触しない住民
からTMUV中和抗体が検出されており、TMUVが重大な公衆衛生リスクを伴う人畜共通病原体となる可能
性が懸念されている。本研究ではウズラから分離されたTMUVについて報告する。2024年8月、中国広西チ
ワン族自治区のウズラ農場で正体不明の感染症が発生し、抑うつ、麻痺、全年齢のウズラの産卵数の有
意な減少等の症状がみられた。疾患発生率は70%、死亡率は55%で、剖検では脳うっ血、浮腫、脾腫等
の病理学的特徴が明らかになった。死亡したウズラから採取した脳、肝臓、脾臓、肺、腎臓組織における
RT-PCRでTMUVが病原体であることが示唆され、陽性組織のニワトリ胚への接種でTMUVが分離された。
この株はGXLZ-2024株と命名された。ゲノム解析によりクラスター3.2 TMUV株との98.5~99.3%のヌクレオ
チド類似性が明らかになり、系統発生解析によりクラスター3.2に位置付けられた。45日齢の雄ウズラに
GXLZ-2024株を筋肉内注射したところ、抑うつ、体の振戦、100%の死亡率が認められた。感染群とともに
飼育した同居接触群のウズラも同様の症状を呈し、100%の死亡率に達した。剖検では、高レベルのウイ
ルス血症及び組織ウイルス量とともに、脳うっ血、脾臓肥大、精巣萎縮等の臓器損傷が明らかとなった。さ
らに、3週齢のKunmingマウスにGXLZ-2024株の頭蓋内接種及び脚部への筋肉内接種を行った。いずれの
接種経路も感染を引き起こし、典型的な神経症状を呈し、脳うっ血、出血を伴う肝腫大、精巣萎縮等の臓
器病変を誘発し、死亡率は頭蓋内接種群100%、筋肉内接種群90%であった。本研究ではウズラのTMUV
感染、ウズラ間のTMUV接触伝播、ウズラとマウスにおけるTMUVの詳細な病原性について初めて報告す
る。過去の研究と合わせて、TMUVが種間障壁を越える能力、人畜共通病原体となる可能性が強調され
た。
ウイルス感染
Res Vet Sci.
194(2025)105841
ウイルス感染
2016年に国際ウイルス分類委員会によって確立されたGenomovirus科は、Gemykibivirusを含む10の属の
環状Repコード一本鎖DNA(CRESS-DNA)ウイルスで構成される。Gemykibivirusは近年、脳炎、呼吸器疾
患、敗血症、心膜炎、下痢、多発性硬化症等の臨床症状を呈するヒトの様々なタイプの試料から検出され
ているが、他の動物宿主における存在や種間伝播の基礎となる機序についてはほとんど分かっていない。
本研究ではメタゲノム次世代シーケンシング(mNGS)を用いて中国の下痢のブタから新規ウイルスを同定
し、包括的な進化解析を行った。mNGSにより下痢のブタの組織試料から病原体を同定し、新規環状一本
鎖DNAウイルスゲノムの完全な配列決定に至った。ゲノムの特徴はCRESS-DNAウイルスの特徴と一致し
ていた。12の主要なCRESS-DNAウイルス科由来の216のREPタンパク質配列を選択し、それらを本研究で
同定した株のRep配列と統合して系統樹を構築した。この株がGenomovirus科に属することが確認されたた
Transbound Emerg Dis. め、Genomovirus科の全ての属を網羅する84の代表的なREPタンパク質配列と系統樹を構築した。系統解
2025(2025)7560012
析の結果、新たに同定されたCRESS-DNAウイルスはブタGemykibivirus(pGkV)と命名された。本研究で同
定されたpGkVは過去に報告された2株のブタ関連株との密接な近縁関係はなく、ヒト関連株の群とクラス
ターを形成し、密接な近縁関係を示した。イヌ関連株と鳥類関連株が含まれるこの群は「Zoo-GkV」と命名
され、pGkVはこの人獣共通感染系統の新規ウイルスであることが示唆された。pGkVゲノムの前半は鳥類
関連株との類似性が最も高く、ゲノムの後半はヒト関連株との類似性が高かった。Zoo-GkVは、これまでに
報告されたヒト関連Gemykibivirusのほとんどを含んでおり、それらは多様な症状を呈する患者で同定され
ている。Gemykibivirus属が病原体であることを示す直接的証拠はまだ不足しているが、多くの
Gemykibivirusが疾患を有する患者及び動物で同定され、その潜在的病原性を示している。本研究の結果
はGemykibivirusの宿主範囲を拡大し、ヒトと動物両方でこのウイルスの監視を強化する必要があることを
強調した。
6
カンピロバクター J Vet Diagn Invest.
感染
37(2025)463-466
2023年11月中旬、3歳の交雑種の去勢ウマが体重減少と衰弱を呈し、1週間以上横臥した後に死亡した。
このウマは解剖のためCalifornia Animal Health and Food Safety Laboratory Systemに提出された。死亡
後8時間以内に剖検が行われ、病理組織学的検査で肝細胞壊死を伴った不規則な好中球性炎症が認め
られた。肝臓では他に軽度の好中球性胆管炎、中等度の胆管過形成、門脈浮腫、胆汁うっ滞、軽度の門
脈線維症、リンパ形質細胞浸潤が認められた。小腸と結腸では粘膜固有層、時には粘膜下層において多
数のリンパ球と形質細胞の浸潤、多巣性陰窩壊死が認められた。肝臓及び腎臓のシュタイナー染色及び
グラム染色で微生物は観察されず、レプトスピラ種免疫組織化学検査も陰性であった。コロンビア寒天培
地における肝臓試料の培養では少数の粘液様白色非溶血性コロニーが形成され、Campylobacter jejuni
と同定された。亜種の識別は行われていない。肉眼的・顕微鏡的病変と肝臓からの純粋培養の分離に基
づき、C. jejuni による壊死性化膿性肝炎の診断が確定した。C. jejuni 曝露源は特定されなかった。カンピロ
バクター種は哺乳類や鳥類を含む多くの健康な動物の消化管に見られ、動物ではC. fetus とC. jejuni の2
種が最も重要である。C. jejuni には2つの亜種(jejuni とdoylei )が存在し、C. jejuni subsp. jejuni はヒトの細
菌性食品媒介胃腸炎の2大原因の1つである。C. jejuni とニワトリの肝炎との関連は確定していないが、ウ
ズラでは実験的感染により肝炎が誘発されている。C. jejuni は反芻動物成体の胆嚢から分離され、健康な
小型反芻動物の腸管と胆嚢に常在しているが、C. jejuni subsp. jejuni によって流産したヒツジやヤギの胎
児では約1/3に壊死性肝炎が認められたという報告もある。ウマではカンピロバクター種による消化器疾患
の報告が限られており、C. jejuni による肝炎は報告されていない。本症例では胆管炎が認められ、細菌感
染が胆道系にも関与したことが示唆されているが、最初は腸管内に存在していたC. jejuni が胆道系を経て
上行性に肝臓に侵入したのか、それとも血液によって肝臓に到達し胆道系に流出したのかは不明である。
7
コリネバクテリウ Emerg Infect Dis.
ム感染
31(2025)1450-1454
ドイツで報告された2件のヒトのCorynebacterium silvaticum 感染症では、腋窩リンパ節炎と膿瘍形成が見
られた。1件の感染は、屠殺された野生のイノシシから発生した可能性がある。この最近記述されたジフテ
リア毒素遺伝子を持つC. diphtheriae 種複合体の一員は、新しい人獣共通感染症の病原体である可能性
がある。
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