日 本 の 診 療 の 実 態 に 即 し た AWa R e 分 類 に 基 づ く 効 果 的 な 評 価 及 び
活用方法の検討（14日未満の処方が行われる場合の分析結果）
【結果】14日未満の処方が行われる際の傷病名（2019年、抗菌薬種類別）
順位

マクロライド系

フルオロキノロン系

第12回厚生科学審議会感染症部会
薬剤耐性(AMR)に関する小委員会

資料１

2025(令和7)年10月８日

出典：国立健康危機管理研究機構 AMR臨床リファレンスセンターより提供

テトラサイクリン系

ST合剤

1

急性気管支炎

45.2 %

急性気管支炎

30.0 %

急性気管支炎

16.6 %

ニューモシスチス肺炎

34.0 %

2

急性咽頭喉頭炎

15.8 %

膀胱炎

10.5 %

皮膚感染症

9.3 %

間質性肺炎

12.6 %

3

急性上気道炎

13.4 %

急性咽頭喉頭炎

10.3 %

尋常性ざ瘡

7.7 %

慢性気管支炎

12.5 %

4

急性副鼻腔炎

10.2 %

急性上気道炎

9.2 %

膀胱炎

6.1 %

膀胱炎

9.0 %

5

急性咽頭炎

9.6 %

急性咽頭炎

6.5 %

急性咽頭喉頭炎

5.8 %

深在性真菌症

6.6 %

順位

ペニシリン系

第一世代セファロスポリン系

第三世代セファロスポリン系

リファキシミン

1

急性気管支炎

21.1 %

急性気管支炎

9.4 %

急性気管支炎

23.2 %

高アンモニア血症

97.0 %

2

急性咽頭喉頭炎

14.2 %

皮膚感染症

7.8 %

急性咽頭喉頭炎

14.3 %

肝性脳症

95.6 %

3

急性副鼻腔炎

11.0 %

蜂窩織炎

7.6 %

急性上気道炎

10.7 %

下痢症

15.8 %

4

急性上気道炎

9.8 %

膀胱炎

7.4 %

急性咽頭炎

8.9 %

感染性腸炎

15.2 %

5

急性咽頭炎

7.9 %

急性膀胱炎

5.3 %

急性副鼻腔炎

7.8 %

Ｃ型慢性肝炎

11.5 %

⚫ 大半が急性気管支炎や咽頭炎、上気道炎の名目で処方されており、抗菌薬適正使用の観点からは不適正な処方が多く含まれる可能性が高い。大半の抗菌
薬において最上位となっている急性気管支炎は、抗菌薬を処方すること自体が適正使用ではない可能性が高い。
⚫ ST合剤については、14日未満の処方においてもニューモシスチス肺炎が最上位となっており、基本的に適正に処方されていると考えられる。ただし、
14日未満の処方については膀胱炎も含まれており傷病名からはその適正性が評価できないこと、仮に14日未満の処方について集計から除外するとした
場合に、その他の抗菌薬の代用として使われる可能性も想定されることから、ST合剤の14日未満の処方量については引き続き動向を見ていくことが望
ましい。
⚫ リファキシミンについては、ほとんどが肝性脳症・高アンモニア血症関連の処方と考えられ、むしろ14日未満の処方も含めて集計から除外した方が、
AWaRe分類に基づく正確な評価に繋がると考えられる。

⚫ 14日未満の処方が行われる際に付けられている傷病名をレセプトデータから抽出したところ、急性気管支炎や咽頭炎、上気道炎等
の、抗菌薬の使用が適当ではない可能性のある傷病名が多く含まれていた。
⚫ リファキシミンについては、同薬の処方が適当と考えられる傷病名が大半の処方に含まれていた。
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