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【資料4】AMR対策における抗菌薬分類の活用について(報告) (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》
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日 本 の 診 療 の 実 態 に 即 し た AWa R e 分 類 に 基 づ く 効 果 的 な 評 価 及 び
活用方法の検討(14日以上の処方が行われる場合の分析結果)

第12回厚生科学審議会感染症部会
薬剤耐性(AMR)に関する小委員会

資料1

2025(令和7)年10月8日

【方法】

医科診療における外来で処方された内服抗菌薬の使用量を分母とし、そのうち集計対象※の傷病名が付けられている処方の占める割合を算出

(※)ICD-10分類A、B(感染症)、J(呼吸器疾患(J30、J45:アレルギー性及び喘息疾患は除外))、高アンモニア血症、肝性脳症又はその他上気道炎、下痢症、尿
路感染症、肺炎、中耳炎、性感染症若しくは皮膚軟部組織感染症に対して付けられることが想定される傷病名(AMR臨床リファレンスセンターにおいて定義)

【結果】14日以上の処方が行われる際の傷病名(2019年、抗菌薬種類別)(赤背景はガイドラインで推奨されている傷病名)
順位

マクロライド系

フルオロキノロン系

テトラサイクリン系

ST合剤

1

慢性気管支炎

36.9 %

慢性気管支炎

22.8 %

尋常性ざ瘡

22.0 %

ニューモシスチス肺炎

39.6 %

2

慢性副鼻腔炎

16.8 %

肺非結核性抗酸菌症

15.5 %

皮膚感染症

18.1 %

間質性肺炎

24.1 %

3

非結核性抗酸菌症

15.9 %

非結核性抗酸菌症

13.6 %

毛包炎

8.3 %

慢性気管支炎

19.7 %

4

肺非結核性抗酸菌症

15.0 %

急性気管支炎

10.4 %

膿疱性ざ瘡

8.1 %

深在性真菌症

6.3 %

5

気管支拡張症

14.5 %

肺炎

7.3 %

慢性膿皮症

7.3 %

慢性呼吸不全

5.6 %

順位

ペニシリン系

第一世代セファロスポリン系

出典:国立健康危機管理研究機構 AMR臨床リファレンスセンターより提供

第三世代セファロスポリン系

リファキシミン

1

慢性気管支炎

10.1 %

蜂窩織炎

10.2 %

急性気管支炎

13.3 %

高アンモニア血症

93.2 %

2

梅毒

9.8 %

皮膚感染症

9.3 %

慢性気管支炎

7.9 %

肝性脳症

92.3 %

3

急性気管支炎

8.8 %

慢性気管支炎

6.4 %

皮膚感染症

7.7 %

C型慢性肝炎

11.3 %

4

肺炎

6.2 %

足白癬

6.3 %

慢性膀胱炎

7.0 %

C型肝硬変

10.0 %

5

蜂窩織炎

6.1 %

慢性膀胱炎

4.7 %

急性咽頭喉頭炎

6.7 %

慢性気管支炎

7.5 %

⚫ マクロライド系、フルオロキノロン系については、気管支拡張症や肺MAC症等、同薬を14日以上投与することが推奨され得る傷病名が含まれている。
慢性気管支炎・慢性副鼻腔炎についても、同薬の長期投与が推奨される場合があるが、その適正性をレセプト上の傷病名から評価することは困難である。
⚫ テトラサイクリン系については、最上位となっている尋常性ざ瘡に対する同薬の投与は、一律には正当化されないが、難治性症例等に対しては14日以
上の投与が推奨されることがある。その他の傷病名についても皮膚感染症となっており、尋常性ざ瘡に対する処方を見ている可能性がある。
⚫ ST合剤については、ニューモシスチス肺炎が最上位となっており、基本的に適正に処方されていると考えられる。
⚫ リファキシミンについては、ほとんどが肝性脳症・高アンモニア血症関連の処方と考えられ、基本的に適正に処方されていると考えられる。
⚫ その他の抗菌薬については、明確な傾向は見られない。

⚫ 14日以上の処方が行われる際に付けられている傷病名をレセプトデータから抽出したところ、一部の抗菌薬においては、治療ガイド
ライン等において14日以上の同薬の処方が推奨されている傷病名や、14日以上の同薬の処方が不適正とは言い切れない傷病名が、一
定の割合で含まれていることが確認された。
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