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資料5-2 PMDAからの調査結果報告[2.8MB] (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59564.html
出典情報 薬事審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和7年度第1回 7/23)《厚生労働省》
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なお、ヒト乾燥硬膜移植患者における CAA について、現時点ではヒト乾燥硬膜の承認をも
つ製造販売業者が存在しないことから、医薬品医療機器等法に基づく企業からの不具合報告や
研究報告等は報告されておらず、2.経緯に記載した報告以外に医薬関係者からの報告もない。

4.

海外での状況について
海外規制当局の公表情報等を確認した結果、ヒト乾燥硬膜による iCAA 発症に対する安全対

策措置を取っている又は検討中の情報は確認できなかった。
5.

専門協議について
機構における調査を踏まえ、下記の専門委員に依頼し(表 4)、2025 年 5 月 2 日に専門協議

を実施した。脳神経関連学会における CAA/iCAA に関する認識(これまでに議論・検討され
てきた事象か否か)、ヒト乾燥硬膜との因果関係、注意喚起の必要性(対象患者や内容)等につ
いてご意見を伺った。専門協議における主な議論は以下のとおりである。


2022 年に提案された iCAA の診断基準案 4)5)は、一部の研究者の提案にとどまるものであ
り、専門委員が所属している各学会においてコンセンサスを得たものではない。また、ヒ
ト乾燥硬膜移植歴がある患者で iCAA を発症した症例報告が、近年、増加しているとの認
識はあるが、学術集会やシンポジウム等にて広く議論・認知されている状況にはない。



ヒト乾燥硬膜移植による iCAA の発症については、機構による文献調査や厚生労働科学研
究班の分担研究による文献調査により現状入手できている症例からでは、外科手術による
Aβseeds の伝播や Aβ 排出機構障害の影響といった他の要因の可能性も考えられた。加え
て、非遺伝性と記載されている文献においてどのような遺伝子検査が実施されているか不
明であり、遺伝性の可能性を否定しきれない。このような状況から、因果関係を評価でき
る程のエビデンスはない。



また、輸血による Aβseeds の伝播についても今回収集された文献からは輸血との関連性を
検討できる記載はなく、エビデンスはない。



CAA と AD の関係については、AD は CAA と併発することや CAA 後の血管認知症発症等
が知られている。一方で、AD の発症は Aβ だけではなくタウタンパクの影響も大きいこ
とから、CAA が原因で AD になるという議論は現時点ではなされていない。また、CAA
の発症そのものが重篤であるので、その後の AD の発症リスクの検討は、さほど重要とは
言えない。



因果関係を評価できる程のエビデンスがない現状において、注意喚起の必要性を議論する
ことは困難と考える。そのため、因果関係を調査する方法としては、例えば、日本脳神経
外科学会のデータベース(Japan Neurosurgical Databese:JND)を利用した調査や、厚生
労働省・指定研究班の分担研究等において文献調査ではなく疫学的に調査を行う方法が考
えられる。
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