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令和7年度 予算執行調査の調査結果の概要(6月公表分) (6 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2025/sy0706/0706b.html |
出典情報 | 令和7年度 予算執行調査資料(総括調査票)(6/27)《財務省》 |
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(11)博⼠課程学⽣への経済的⽀援(次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING))(⽂部科学省︓⼀般会計)
調査事案の概要
令和3年度から各⼤学に対して博⼠課程学⽣の⽣活費相当額・研究費及び博⼠⼈材のキャリアパス整備費を⽀援している「次世代研究
者挑戦的研究プログラム(SPRING)」(JST事業)について、調査対象先の⼤学及び博⼠課程学⽣等(※)に対して書⾯調査を⾏い、
効果的・効率的な⽀援の在り⽅を検証した。【調査対象予算額】令和5年度補正(第1号)︓49,901百万円 ほか(参考 令和7年度︓ ー)
(※)①令和3年度にSPRINGに採択され、かつ、令和6年度にもSPRINGに採択されて継続的にキャリアパス⽀援を実施している59⼤学。
②令和6年度に①の博⼠課程に在籍していた者(令和4年度、5年度⼜は6年度にSPRING⽀援に選抜された者(以下「SP⽀援学⽣」という。)を含む。)。
(参考)「第6期科学技術・イノベーション基本計画」(令和3年3⽉26⽇閣議決定)において、⽣活費相当額程度を受給する博⼠課程学⽣を、2025年度までに従来(平成30年
度)の3倍(約22,500⼈)に増加させることが⽬標として明記。
調査結果
〇
今後の改善点・検討の⽅向性
⽇本⼈等学⽣に対するキャリアパス⽀援の
効果は乏しい
【図1】⽇本⼈等学⽣の就職率
94%
93%
・ SPRINGによる⽀援が開始した令和3年度(同年度に
博⼠課程修了者がいない⼤学は令和4年度)と令和5年
度のSP⽀援学⽣の就職率を⽐較したところ、⼤規模⼤学
では53%、中規模⼤学では67%の⼤学のSP⽀援学⽣の
全学⽣
キャリアパス⽀援有り
就職率が低下していた。
【図2】SP⽀援学⽣である外国⼈留学⽣の内訳(地域別)
・ SP⽀援学⽣のうち「キャリアパス⽀援を受けたこと
アフリカ
その他
⻄アジア 2%
がある」と回答した⽇本⼈等学⽣の就職率は、全学⽣
4%
4%
(回答者)の就職率とほとんど変わらない【図1】。
〇 SP⽀援学⽣である外国⼈留学⽣の国籍に
偏り
・ 令和6年度に博⼠課程に在籍していたSP⽀援学⽣
(10,125名)のうち約4割が外国⼈留学⽣であった。
外国⼈留学⽣の国籍は、約8割が中国となっており、
アジアのみで9割を超えていた。【図2】。
〇 学⽣への⽀援のメリハリ付けが
⼀部の⼤学でしか⾏われていない
・ ⼤半の⼤学が全SP⽀援学⽣に対して⼀律
で⼀定額を⽀援しており、優秀な学⽣に対し
て⽀援額を上乗せすることで競争原理を働か
せ、効果的な⽀援を⾏っている⼤学は⼀部の
みであった【表】。
東南アジア
東アジア(除
中国
5%
77%
アジア
94%
【表】各⼤学の⽀援内容の例
大学名
A大学
B大学
⽇本⼈等学⽣に対するキャリアパス⽀援の効果は乏しい
ことから、事業の廃⽌を含め、在り⽅を⾒直すべき。
2.外国⼈留学⽣の国籍の偏りについて
⽀援学⽣の選抜を各⼤学任せにせず、我が国の学⽣への
⽀援とのバランスに留意するとともに、経済安全保障や昨
今の国際情勢の変化も踏まえ、多様な国籍の留学⽣を確保
し、国際頭脳循環の強化に資する制度に⾒直すべき。
3.学⽣への⽀援のメリハリ付けについて
学⽣への⽀援額の設定を各⼤学任せにせず、学⽣の能⼒
に応じて⽀援額に差を設けることを制度化するなど、効果
的・効率的な⽀援の在り⽅を検討すべき。
8%
く中国)
1.キャリアパス⽀援の効果について
支援内容
研究奨励費等
区分1:特に優秀な学生(25%程度) :年額290万円
(生活費相当額240 万円、研究費50万円)
区分2:その他優秀な学生(75%程度) :年額272万円
(生活費相当額222 万円、研究費50万円)
研究奨励金 15万円(月額)
※年次評価により優秀と判断された研究員は、月額18万円
または月額20万円 に増額
研究費 40万円(年額)+追加研究費
※追加研究費として、年度の途中で学生の計画に基づき
配分することがある
4.まとめ
キャリアパス⽀援については、効果が乏しいことから、
事業の廃⽌を含め、在り⽅を⾒直すべき。
博⼠課程学⽣への研究奨励費(⽣活費)⽀援については、
貸与奨学⾦など他の経済的⽀援との組合せも含めた優秀な
学⽣への⽀援の在り⽅を⾒直すべき。
本年度内に策定される次期科学技術・イノベーション基
本計画の検討にあたっては、博⼠課程学⽣の⽣活費⽀援受
給者数の⽬標値の考え⽅(国籍、貸与奨学⾦受給者の扱い
を含む。)を改めるべき。
調査事案の概要
令和3年度から各⼤学に対して博⼠課程学⽣の⽣活費相当額・研究費及び博⼠⼈材のキャリアパス整備費を⽀援している「次世代研究
者挑戦的研究プログラム(SPRING)」(JST事業)について、調査対象先の⼤学及び博⼠課程学⽣等(※)に対して書⾯調査を⾏い、
効果的・効率的な⽀援の在り⽅を検証した。【調査対象予算額】令和5年度補正(第1号)︓49,901百万円 ほか(参考 令和7年度︓ ー)
(※)①令和3年度にSPRINGに採択され、かつ、令和6年度にもSPRINGに採択されて継続的にキャリアパス⽀援を実施している59⼤学。
②令和6年度に①の博⼠課程に在籍していた者(令和4年度、5年度⼜は6年度にSPRING⽀援に選抜された者(以下「SP⽀援学⽣」という。)を含む。)。
(参考)「第6期科学技術・イノベーション基本計画」(令和3年3⽉26⽇閣議決定)において、⽣活費相当額程度を受給する博⼠課程学⽣を、2025年度までに従来(平成30年
度)の3倍(約22,500⼈)に増加させることが⽬標として明記。
調査結果
〇
今後の改善点・検討の⽅向性
⽇本⼈等学⽣に対するキャリアパス⽀援の
効果は乏しい
【図1】⽇本⼈等学⽣の就職率
94%
93%
・ SPRINGによる⽀援が開始した令和3年度(同年度に
博⼠課程修了者がいない⼤学は令和4年度)と令和5年
度のSP⽀援学⽣の就職率を⽐較したところ、⼤規模⼤学
では53%、中規模⼤学では67%の⼤学のSP⽀援学⽣の
全学⽣
キャリアパス⽀援有り
就職率が低下していた。
【図2】SP⽀援学⽣である外国⼈留学⽣の内訳(地域別)
・ SP⽀援学⽣のうち「キャリアパス⽀援を受けたこと
アフリカ
その他
⻄アジア 2%
がある」と回答した⽇本⼈等学⽣の就職率は、全学⽣
4%
4%
(回答者)の就職率とほとんど変わらない【図1】。
〇 SP⽀援学⽣である外国⼈留学⽣の国籍に
偏り
・ 令和6年度に博⼠課程に在籍していたSP⽀援学⽣
(10,125名)のうち約4割が外国⼈留学⽣であった。
外国⼈留学⽣の国籍は、約8割が中国となっており、
アジアのみで9割を超えていた。【図2】。
〇 学⽣への⽀援のメリハリ付けが
⼀部の⼤学でしか⾏われていない
・ ⼤半の⼤学が全SP⽀援学⽣に対して⼀律
で⼀定額を⽀援しており、優秀な学⽣に対し
て⽀援額を上乗せすることで競争原理を働か
せ、効果的な⽀援を⾏っている⼤学は⼀部の
みであった【表】。
東南アジア
東アジア(除
中国
5%
77%
アジア
94%
【表】各⼤学の⽀援内容の例
大学名
A大学
B大学
⽇本⼈等学⽣に対するキャリアパス⽀援の効果は乏しい
ことから、事業の廃⽌を含め、在り⽅を⾒直すべき。
2.外国⼈留学⽣の国籍の偏りについて
⽀援学⽣の選抜を各⼤学任せにせず、我が国の学⽣への
⽀援とのバランスに留意するとともに、経済安全保障や昨
今の国際情勢の変化も踏まえ、多様な国籍の留学⽣を確保
し、国際頭脳循環の強化に資する制度に⾒直すべき。
3.学⽣への⽀援のメリハリ付けについて
学⽣への⽀援額の設定を各⼤学任せにせず、学⽣の能⼒
に応じて⽀援額に差を設けることを制度化するなど、効果
的・効率的な⽀援の在り⽅を検討すべき。
8%
く中国)
1.キャリアパス⽀援の効果について
支援内容
研究奨励費等
区分1:特に優秀な学生(25%程度) :年額290万円
(生活費相当額240 万円、研究費50万円)
区分2:その他優秀な学生(75%程度) :年額272万円
(生活費相当額222 万円、研究費50万円)
研究奨励金 15万円(月額)
※年次評価により優秀と判断された研究員は、月額18万円
または月額20万円 に増額
研究費 40万円(年額)+追加研究費
※追加研究費として、年度の途中で学生の計画に基づき
配分することがある
4.まとめ
キャリアパス⽀援については、効果が乏しいことから、
事業の廃⽌を含め、在り⽅を⾒直すべき。
博⼠課程学⽣への研究奨励費(⽣活費)⽀援については、
貸与奨学⾦など他の経済的⽀援との組合せも含めた優秀な
学⽣への⽀援の在り⽅を⾒直すべき。
本年度内に策定される次期科学技術・イノベーション基
本計画の検討にあたっては、博⼠課程学⽣の⽣活費⽀援受
給者数の⽬標値の考え⽅(国籍、貸与奨学⾦受給者の扱い
を含む。)を改めるべき。