参考資料 (5 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58149.html |
出典情報 | 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(第32回 5/23)《厚生労働省》 |
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参考資料4
緊急時のレボノルゲストレル単独投与(緊急避妊薬)の
安全性に関するファクトシート【WHO,2010】
緊急避妊は、性交後に使⽤することで、ほとんどの妊娠を防ぐことができます。これは、避妊具を使⽤
しない性交や避妊の失敗の際、重要なバックアップ(備え)となり、レイプや強要された性交の後には
特に有⽤です。このファクトシート(※注1)
は、ほとんどの国で利⽤可能なレボノルゲストレル単独の
緊急避妊薬(レボノルゲストレル緊急避妊薬)について述べたものです。
(※注1)WHOファクトシート Factsheetonthesafetyoflevonorgestrel-aloneemergencycontraceptivepills(LNGECPs)References(右QRコード参照→)
1.レボノルゲストレル緊急避妊薬は安全ですか?
レボノルゲストレル緊急避妊薬は思春期を含むすべての⼥性に安全に使⽤することができま
す。レボノルゲストレル緊急避妊薬の有効成分であるレボノルゲストレルは、30年以上前か
ら様々な製剤で広く使⽤されており、⽣殖年齢の⼥性を対象に広く研究されています。レボノ
ルゲストレルは忍容性が良好で、アレルギー物質ではなく、数⽇以内に体内から排出され、中
1,2,3)
毒性はなく、毒性反応もないことが実証されています。レボノルゲストレル緊急避妊薬は
3)
過剰摂取の危険性はなく、⼤きな薬物相互作⽤や禁忌薬はありません。世界保健機関
(※注2)
(WHO)は、避妊具を使⽤しない性交後120時間以内の緊急時にレボノルゲストレル
(1.5mg)を単回投与をすることを推奨していますが、繰り返し使⽤しても健康上のリスクは
4,5)
ないとされています。1回の⽉経周期に複数回の緊急避妊薬を使⽤した⼥性においても重篤
6)
な副作⽤は報告されていません。レボノルゲストレル緊急避妊薬は数⼗年前から使⽤されて
7)
おり、現在の研究では、がんのリスクの増加との関連性は⽰されていません。多くの避妊薬
に含まれるエストロゲン(以下、卵胞ホルモン)は、特に35歳以上の喫煙者の⼥性では、脳卒
中や静脈⾎栓塞栓症の(⾮常に低い)リスクと関連していますが、レボノルゲストレルにはそ
のようなリスクはありません。レボノルゲストレル緊急避妊薬は、レボノルゲストレル(プロ
ゲストーゲンホルモン(以下、⻩体ホルモン))のみを有効成分として含んでおり、⻩体ホル
モンと卵胞ホルモンの両⽅を含む避妊薬に関連するリスクはありません。レボノルゲストレル
緊急避妊薬の1回分のホルモン含有量は、ほとんどの⼀般的な避妊薬の1サイクルの半分以下で
す(ただし、⽉毎の避妊薬はより⻑い期間をかけて内服するものです)。
2.レボノルゲストレル緊急避妊薬で副作⽤は起こりますか?
レボノルゲストレル緊急避妊薬には重篤な副作⽤や持続的な副作⽤はありません。⼀部の⼥性(研
究では5⼈に1⼈以下)では軽度で短期的な副作⽤が認められますが、最も⼀般的な副作⽤は、⽉経
不順です。その他に報告されている副作⽤には、疲労感、腹部不快感、吐き気などがあります3) 。
3.レボノルゲストレル緊急避妊薬は異所性妊娠のリスクを⾼めますか?
異所性妊娠(⼦宮外妊娠)とは受精卵が⼦宮外に着床することで危険になりうる状態ですが、
9,10)
レボノルゲストレル緊急避妊薬は異所性妊娠のリスクを増加させません。216⼈の妊娠さ
れた⽅へのレボノルゲストレル緊急避妊薬の使⽤に関する23の研究を評価し、公表されてい
る⽂献を網羅的に検索した結果、異所性妊娠は1%未満(0.9%)であり、これは⼀般的な異所
11)
性妊娠の割合よりも低いか、同程度であることがわかりました。緊急避妊薬は妊娠のリスク
を軽減し、レボノルゲストレル緊急避妊薬使⽤後に成⽴した妊娠では、異所性妊娠の割合は
低いか、予想されるものと同程度です。
4.レボノルゲストレル緊急避妊薬の使⽤は将来の妊孕性に影響しますか?
緊急避妊薬の使⽤は、将来の妊孕性に影響を与えません12,13)
。レボノルゲストレル緊急避妊薬は数⽇以
内に体内から消失し、緊急避妊薬を使⽤した⼥性は、その後の性交によって妊娠することができます。
※注1)ファクトシート:WHOでは、疾病や健康課題に関する市⺠向けの基本情報として、ウェブサイトに「ファクトシート」が公開されています。
ファクトシートは、感染症、⾮感染性疾患、⾼齢者、環境などWHOが取り組んでいる様々なテーマについて、最新の概要をわかりやすく簡潔に
まとめた有⽤な情報源となっています。*https://japan-who.or.jp/factsheets/
※注2)⽇本では、緊急避妊法の適正使⽤に関する指針及び添付⽂書上、レボノルゲストレル緊急避妊薬の内服は、性交後72時間以内とされています。
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