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閉経前までの成人女性における低体重や低栄養による健康課題-新たな症候群の確立について- (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.jasso.or.jp/data/Introduction/pdf/academic-information_statement_20250416.pdf |
出典情報 | 閉経前までの成人女性における低体重や低栄養による健康課題-新たな症候群の確立について-(4/17)《日本肥満学会》 |
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低 T3 症候群や脂質異常症(LDL コレステロール上昇)を引き起こす(14)。
2.2.5
サルコペニア様状態
加齢に伴う筋量や筋力の低下はサルコペニアと定義されるが、若年女性の低体重や低栄養
状態においても、筋量低下との関連が指摘されている(12)。筋量や筋力低下は将来的なロコ
モティブシンドロームやフレイルにつながる懸念もあり、ライフコースや老年期の健康維持
の観点からも、若年期のサルコペニア予防は重要である(15)。
2.2.6
摂食障害
痩身願望が内面化しやすい社会的風潮のなかで、摂食制限行動が行き過ぎると摂食障害へ移
行することがある。心理的ストレスや自己肯定感の低下と相まって重症化する例も少なくな
い。特に若年女性では、理想的な痩せボディイメージの内面化が食行動の異常を促進し、メ
ディアを含む社会からの痩身への圧力と相まって、摂食障害の発症リスクが高まる(16)。
2.2.7
精神・神経・全身症状
低体重や低栄養状態は、倦怠感、睡眠障害、低血圧、頭痛、便秘、冷え性、肌質・髪質の低
下などの身体症状を引き起こす(17; 18) (19)。また、神経精神症状としては抑うつ、不安、
集中力低下、認知機能の低下や身体活動の低下なども認められる(17; 20-22)。
2.3 現行制度の課題
肥満症対策として特定保健指導が推進される一方で、低体重に対する介入の枠組みは未だ
確立されていない。健診で低体重が判明しても、骨密度や生殖機能への評価といった関連疾
患のスクリーニングが実施されることは少ない。また、教育現場においても思春期の子ども
たちに対する適切な食育やボディイメージ啓発が十分に行われているとは言い難い。
2.4 GLP-1 受容体作動薬などの適応外使用
肥満症や 2 型糖尿病を対象に開発・承認された GLP-1 受容体作動薬などを、「痩せ薬」と
して販売・使用されるケースが常態化し、低体重や正常体重の女性が用いていることも報告
されている(23)。このような使用に対して、副作用リスクに加えて、過度なダイエット行動
の助長といった社会的懸念が高まる状況にあり、その問題を指摘する声明も発表されてい
る(2)。
2.2.5
サルコペニア様状態
加齢に伴う筋量や筋力の低下はサルコペニアと定義されるが、若年女性の低体重や低栄養
状態においても、筋量低下との関連が指摘されている(12)。筋量や筋力低下は将来的なロコ
モティブシンドロームやフレイルにつながる懸念もあり、ライフコースや老年期の健康維持
の観点からも、若年期のサルコペニア予防は重要である(15)。
2.2.6
摂食障害
痩身願望が内面化しやすい社会的風潮のなかで、摂食制限行動が行き過ぎると摂食障害へ移
行することがある。心理的ストレスや自己肯定感の低下と相まって重症化する例も少なくな
い。特に若年女性では、理想的な痩せボディイメージの内面化が食行動の異常を促進し、メ
ディアを含む社会からの痩身への圧力と相まって、摂食障害の発症リスクが高まる(16)。
2.2.7
精神・神経・全身症状
低体重や低栄養状態は、倦怠感、睡眠障害、低血圧、頭痛、便秘、冷え性、肌質・髪質の低
下などの身体症状を引き起こす(17; 18) (19)。また、神経精神症状としては抑うつ、不安、
集中力低下、認知機能の低下や身体活動の低下なども認められる(17; 20-22)。
2.3 現行制度の課題
肥満症対策として特定保健指導が推進される一方で、低体重に対する介入の枠組みは未だ
確立されていない。健診で低体重が判明しても、骨密度や生殖機能への評価といった関連疾
患のスクリーニングが実施されることは少ない。また、教育現場においても思春期の子ども
たちに対する適切な食育やボディイメージ啓発が十分に行われているとは言い難い。
2.4 GLP-1 受容体作動薬などの適応外使用
肥満症や 2 型糖尿病を対象に開発・承認された GLP-1 受容体作動薬などを、「痩せ薬」と
して販売・使用されるケースが常態化し、低体重や正常体重の女性が用いていることも報告
されている(23)。このような使用に対して、副作用リスクに加えて、過度なダイエット行動
の助長といった社会的懸念が高まる状況にあり、その問題を指摘する声明も発表されてい
る(2)。