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オンライン診療その他の遠隔医療に関する事例集(令和6年4月版) (35 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/index_0024_00004.html
出典情報 オンライン診療その他の遠隔医療に関する事例集(令和6年4月版)(4/19)《厚生労働省》
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2 おしどりネットのシステム
現在のシステムとしては、SS-MIX2、DICOMのデータを世界標準のIHE-XDS/XDS-Iで統合してPHR化し
、 VPN環境で接続したthin-clientで閲覧できるようになっている。

3 医療連携ネットワークの課題と工夫点等
それぞれの医療機関の患者IDとは別に、診療情報を統合した際に患者ごとに統合IDを付与し、複数の医療
機関を受診している場合でも、診療情報の一覧性を確保している(PHR表示)。各医療機関からは統合ID
を使用せず、その医療機関の患者IDで参照できる仕組みにしている。
画面データは、差分送付の活用により、ネットワーク負荷を軽減してセンターに転送・統合・保存し、セン
ター側で画面を作成し画面転送するので高速に閲覧できるようになっている。
thin-clientでの閲覧のため、端末にデータを残さず限定されたサーバ間通信のためサーバの安全性が高い。
そのため、利用者は意識することなく安全に参照できる。
thin-clientのため、サーバ側で画面を作り送信するので、電子カルテや画像表示等のソフトを導入していな
くてもWindows、Mac、iPhone、iPadとインターネット回線があれば利用可能としている。

4 医療連携ネットワークの効果と今後の展望
把握した効果等
患者が総合病院で受けた過去の全ての診療情報を、かかりつけの医師も参照することができ、細かい点を患
者に説明できる。
他の病院で実施した検査を参照することができ、検査の重複実施を避けられる。
総合病院の専門医の診療情報や説明情報等を踏まえ、かかりつけの医師による日常診療での参考にできる。
かかりつけの医師が入院期間中の経過を詳細に把握でき、退院後の診療をスムーズに実施できる。
化学療法中の患者が緊急入院した時に大学病院の主治医が遠隔から検査処方注射等の診療情報を参照して診
療支援した。一部の診療科では県内の手術を大学病院に集中し、その前後の診療を地域医療機関で行う場合
に利用している。検査、処方、注射等の情報が参照できるので、大学病院の指導医が他の医療機関の若手医
師を指導できる。

今後の展望
今後は総合病院での診療や検査、処方などの情報を、診療所のみでなく薬局、訪問看護サービスなどとも共
有できるよう、ネットワークを広めていく予定となっている。
県境近くの患者は県外の医療機関を受診することもあり、県外の医療機関にも拡大している。なお、仮想サ
ーバ、仮想ストレージを活用しているため、拡張性のあるシステムとなっている。
患者や県民の利用にもつなげ、健康づくりでの活用も今後検討を行っていく予定である。インターネット接
続があればモバイルのWindows、MacノートPCやiPhone、iPadで利用できる仕組みなので、患者、家族の
直接利用を検討している。そうすることにより、県外、国外から患者主導で過去の診療情報(PHR)を参照
することも可能になる。
診療所の検査データを参照できるようにするため、一昨年より検査会社から同意のあった診療所の検査デー
タを取得する仕組みを作った。この仕組みの活用が広がると総合病院と診療所の検査データを一つの時系列
に参照でき、利便性が増す。

医療機関毎に職員、患者を登録管理しているが、災害時には避難所等を仮想医療機関、DMAT等を職員、避
難者を患者として、登録管理することを想定している。
2022年に情報提供病院のSS-MIX2サーバのリアルタイムバックアップサービスを開始した。既存のSSMIX2ビューワとおしどりネットのVPN, thin-client基盤を用いて、情報提供病院の全患者のSS-MIX2に保
存された電子カルテ情報をその病院の職員が iPhoneで参照することを可能にした。ランサムウェアによる
攻撃で電子カルテネットワークを利用できなくなった時の参照に有効である。

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