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オンライン診療その他の遠隔医療に関する事例集(令和6年4月版) (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/index_0024_00004.html
出典情報 オンライン診療その他の遠隔医療に関する事例集(令和6年4月版)(4/19)《厚生労働省》
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対象患者
かかりつけの患者、初診患者いずれも精神科疾患全般(うつ病、統合失調症、不安神経症、パニック障害
等)の患者を対象にしている。
急性期など病状の変動が激しい患者はオンライン診療の対象外とし、必要に応じて地域の基幹病院に紹介する。
当初はかかりつけの患者に限定して開始したが、新型コロナウイルス感染症流行下において不安抑うつ感
を感じる方が増え、他地域で予約を取れない患者がいたため、一部の患者に限り初診患者を受け入れオン
ライン診療を実施することとなった。地域の医療機関の予約が取れるようになった患者には、患者の求め
に応じて紹介状を発行している。

3 オンライン診療の実施の流れ
予約

⚫ 患者が医療機関HPからオンライン診療を予約、問診記入。
⚫ 事務スタッフが患者の予約内容を確認して、メールでWeb会議システムの使用方法を案
内。患者からの求めに応じて、事務スタッフから電話で個別説明。
⚫ 問診内容を事務スタッフが医師に共有し、オンライン診療の実施が可能か医師が判断。
⚫ オンライン診療枠などはなく、対面診療と同じ枠の中で予約受付。

診療

⚫ 医師が患者とWeb会議システムを接続しオンライン診療を実施。
⚫ 定期的な採血が必要なタイミング等で対面診療を実施。
⚫ ADHDなど心理検査が必要な場合は、対面診療で検査を実施してから、オンラインで処方。

支払い
処方箋・処方薬の
受け渡し

⚫ クレジットカード決済または銀行振込。次回来院時の窓口支払いを希望する患者にも対応。

⚫ 受診後、オンライン決済が可能な振込先等を記載したメールを事務スタッフが患者に送付。
⚫ 患者の希望に応じて、事務スタッフが患者居宅に処方箋を郵送または希望する薬局に処方
箋をFAX送付するとともに原本を送付。

4 オンライン診療を実施する際の課題と工夫点等
オンライン環境で医師と一対一になるため、患者の中には対面診療より長く話し込む方や、オンライン診療
の予約時間に遅刻する方もいる。一方で予約時間通りに待機している患者は、待合室での待合と異なり医師
や他の患者の状況が見えないため、医師側の遅れにより敏感になる。そのため、オンライン診療の場合は予
約時間内に診療を開始・終了させる意識が対面診療より必要になる。
遅刻することの多い患者などは、診療当日に事務スタッフから電話をかけ、円滑にオンライン診療を開始で
きるよう対応している。

5 オンライン診療の効果と今後の展望
把握した効果等
通院していた患者で遠方に転居した方の診療継続や、高齢の患者(施設入所者など)の通院に付添う施設職
員・家族の負担軽減に役立ったと感じている。新型コロナウイルス感染症流行下に、地域の精神科医療機関
を受診することができなかった患者にも対応することができた。

今後の展望
オンライン診療の精神科における効果について、研究によりエビデンスを確立し、数値化できる評価方法を
検討していきたい。実施可能なものではセルフチェックリストに記入してもらう方法などがあるだろう。将
来的には、オンライン上のビデオ画像の表情・口調から不安・抑うつなどの病状評価をするシステムが実用
化されていくことを期待している。

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