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○個別事項(その18)について 総ー2 (67 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00234.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第575回 12/22)《厚生労働》
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精神病性障害における病期モデルと介入方法等
定義

ターゲットとなりうる対象

可能な介入



精神病性障害の発症リスクが元々高い群
現在は無症状

10代の第1親等家族

補足的なメンタルヘルス・リテラシー(※)
家族教育
薬物に関する教育
短時間の認知機能訓練

1a

認知機能障害を含む軽度あるいは非特異的な精神
病性障害の症状
機能低下は軽度

10代を対象とするスクリーニングの陽性者
プライマリケア医やスクールカウンセラー
から紹介されたケース

構造化されたメンタルヘルス・リテラシー(※)
家族心理教育
構造化された認知行動療法(CBT)
積極局的な物質依存への介入

1b

ウルトラハイリスク(UHR)
中等度であるが閾値を超えない程度の症状
中等度の認知機能障害
GAF ※<70程度
※Global Assessment of Functioning Scale

教育機関、プライマリケア医、救急医療機
関、福祉機関から紹介されたケース

家族心理教育
構造化された認知行動療法(CBT)
積極的な物質依存への介入
エピソードに対する低容量の抗精神病薬治療
併発する気分症状に対する抗うつ剤等による治療

2

初回エピソード精神病
精神病状態の閾値を満たす中等度から重度の症状
認知機能障害
GAF 30~50

プライマリケア医、救急医療機関、福祉機
関、専門医療機関、薬物・アルコール依存
に対するサービスなどから紹介されたケー


家族心理教育
構造化された認知行動療法(CBT)
積極局的な物質依存への介入
エピソードに対する低容量の抗精神病薬治療
併発する気分症状に対する抗うつ剤等による治療
職業リハビリテーション

3a

初回エピソードに対する治療後も残る不完全な寛
解(そのまま4期に移行するケースもある)

プライマリケア医、専門医療機関から紹介
されたケース

2期の介入に加えて、完全な寛解を目指す医学的/心
理的な戦略により重点が置かれる

3b

精神病症状の再燃
GAFレベルは固定
残遺症状の持続
認知機能は初回エピソードからの寛解後も元のレ
ベルには達しない

プライマリケア医、専門医療機関から紹介
されたケース

3a期の介入に加えて、再発防止のための戦略や「早期
警告サイン」の確認などにより重点が置かれる

3c

繰り返される再発
臨床上の悪化、疾患が与える影響が外からも明瞭
となる

専門医療機関から紹介されたケース

3b期の介入に加えて、長期の安定が維持されることに
より重点が置かれる

4

重度活持続的な症状あるいは症状や認知機能、障
害の標準から判断しても未寛解のレベル

専門医療機関から紹介されたケース

3c期の介入に加えて、クロザピンや他の治療選択肢の
検討、持続する障害を乗り越えての社会参加の促進な
どにより重点が置かれる

臨床病期

出典:早期精神病の診断と治療(医学書院、2010) 「2 精神病の診断と病期モデル」
McGorry et al.(2006)より改変

※ 精神健康の向上、精神疾患の予防、早期発見・診断、治療の継続や回復
のそれぞれの土台として必要な力やスキル(国立精神保健研究所)

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