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08 参考資料1-2 沈降ヘモフィルスb型ワクチンファクトシート[2.4MB] (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34803.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第20回 8/29)《厚生労働省》
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ファクトシートの要約
背景
インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)は、莢膜型によって a から f の 6 つの型、なら
びに Non-typable に分類されるが、特に b 型(H. influenzae type b:略称 Hib)は小児におい
て侵襲性感染症を起こしやすい。Hib は 2 歳までに鼻咽頭に保菌されることが多く、菌が肺や血
流に侵入すると、髄膜炎や、菌血症を伴う肺炎、蜂窩織炎、化膿性関節炎など侵襲性感染症を
引き起こす。小児の Hib による髄膜炎は急速に進行し予後が不良のことが多く、先進国であっ
ても致命率は 3%とされている。救命されても神経学的後遺症を残す場合も多い。現在はワクチ
ン接種によって Hib 感染症を予防することが可能である。

日本における Hib ワクチン導入と疫学の状況
病原体サーベイランスによると、Hib ワクチン導入前の国内では、小児の細菌性髄膜炎の 12
〜20% が Hib によるものであった。2007 年に乾燥ヘモフィルス b 型ワクチン(破傷風トキソイ
ド結合体)(商品名 ActHib)が承認され、2010 年には全国で接種のための公費助成が受けられ
るようになったことから(子宮頸等ワクチン接種緊急促進事業)、2012 年には、細菌性髄膜炎
のうちインフルエンザ菌によるものは 3%になった。さらに 2013 年 4 月 1 日からは定期接種 A 類
疾病として予防接種法に基づく定期の予防接種(以下、定期接種)対象疾病となった。Hib ワク
チンの導入に伴い、小児の Hib による侵襲性感染症例は顕著に減少した。10 道県を対象とした
厚生労働科学研究班(研究代表者:神谷

齊、庵原俊昭)による解析では(対象地域の 5 歳未

満人口は 1,180,000 人、全国の同年齢層人口の 22.5%にあたる)、2008~2010 年の 5 歳未満人
口 10 万人あたりのインフルエンザ菌による髄膜炎罹患率が 7.7 であったのに対し、Hib ワクチ
ン導入後の 2014 年は 0 となった。また、Hib ワクチン導入前には、インフルエンザ菌の分離菌
株のほとんどを Hib が占めていたが、ワクチン導入後にはその割合が減少し、2014 年には上記
研究班による 10 道県の調査では Hib の分離検出数は 0 になった。

沈降ヘモフィルス b 型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)について
沈降ヘモフィルス b 型ワクチン(商品名 VaxemHib) は、Hib の莢膜多糖であるポリリボシル
リビトールリン酸 (polyribosyl ribitol phosphate : PRP) を抽出精製し、キャリアタンパク
質の無毒性変異ジフテリア毒素 (CRM197) に共有結合させた後、アジュバントとしてリン酸アル
ミニウムを加えた製剤である。先に国内で承認された ActHib は、キャリアタンパク質が破傷
風トキソイドであり、アジュバントを含んでいない。VaxemHib と ActHib は、これらの点で違
いがある。

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