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資料1-3:デジタル社会の実現に向けた重点計画(案) (80 ページ)

公開元URL https://www.digital.go.jp/councils/social-promotion/38606249-07b3-4176-a538-58e0c64a488a/
出典情報 デジタル社会推進会議(第4回 6/6)《デジタル庁》
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4.産業のデジタル化
行政サービスのデジタル化を通じて事業者にとって利用しやすい環境を整備し、支援を必
要とする事業者に迅速に支援が届く環境を実現する。
また、行政データのオープン化の徹底等を図ることにより、事業者がオープン化された行政
データを活用し、様々なサービスを生み出すことができる環境を実現することで、ユーザーの
ニーズに合致した製品・サービスのデジタル化や新たな産業の創出を後押しし、我が国の産業
全体のデジタルトランスフォーメーションを加速し、国際競争力強化を図る。
(1)デジタルによる新たな産業の創出・育成
生成 AI の登場や、メタバースを始めとする没入型技術への注目、さらには、デジタルツ
インの進展やサイバー・フィジカルシステム86の実現への期待、グローバルサプライチェー
ンが拡大する中でのサービスの相互運用性の重要性の高まりなど、デジタル分野における
技術や、その利活用の在り方は急速な進化を遂げており、こうした世界的動向は、足下でビ
ッグテック企業が存在感を示すデジタル分野において、今後のデジタル産業の発展に向け
たゲームチェンジの可能性を秘めている。
我が国が目指すべきデジタル社会を実現するためには、民間事業者の創意工夫の下に多
種多様なサービスがデジタル空間を通じてセキュアかつ安定的に国民に提供されることが
必要である。そのためには、IT インフラやソフトウェア開発環境等を提供するクラウドサ
ービス産業や、サイバーセキュリティ産業、それらを活用して多種多様なデジタルサービス
を迅速に提供するプレーヤー等から構成されるデジタル産業の育成が不可欠である。
① デジタル産業の現状と課題
事業環境の変化に柔軟に対応でき、最新技術の導入が容易である等の理由からクラウド
サービスの利用者は、近年増加傾向にある。今後、その利用は企業や官公庁等の基幹シス
テムや、社会インフラの制御といった領域に拡大していく見込みであり、社会・経済活動
における基盤として、クラウドサービスの重要性は更に増していく。一方で、通信・コン
ピュータ・情報サービス分野における我が国の貿易収支は、年々赤字が拡大しており、ク
ラウドサービス等において海外への依存度の高まりが顕在化している。自社・自国の重要
なシステムを海外に過度に依存し、自律性をもって安定的な事業継続性を確保できない状
況は、各社における BCP や経済安全保障の観点から大きなリスクとなり得る。
更に、直近では、様々なコンテンツを生成することができる生成 AI(Generative AI)
の進化が目覚ましく、生成 AI の登場は、インターネット以来の最も大きな変革とも言われ
ている。他方、生成 AI 自体の開発に膨大なデータと計算リソースが必要であるなど、実用
化に向けた課題も存在している。
また、デジタルサービスの多くはスタートアップ等による新しいアイデアから生み出さ
れていることから、その原動力となるスタートアップの創出や、デジタル産業の担い手と
なる人材の供給がデジタル産業の基礎である。しかしながら、国際的な評価では低位に位
置している87。
こうした厳しい現状を認識した上で、我が国に根ざしたデジタル産業の育成に向けた取
組を加速していく必要がある。

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ロボット等の急速な進展により、現実世界を IoT センサでとらえ、AI で最適化等の付加価値を加え、現実世界で
あるフィジカル空間にフィードバックするシステム。
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スイスの国際経営開発研究所が公表している世界デジタル競争力ランキング 2022 では、
「資本」では 32 位、
「人
材」では 50 位の地位に甘んじている。

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