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特定非営利活動法人全国コミュニティライフサポートセンター 提出資料 (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33397.html
出典情報 介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会(第2回 5/31)《厚生労働省》
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〇 若者が高齢者になったときに支え合える社会を今から築くことが孤立・孤独を防ぐ
介護保険における事業なので、主たる対象は高齢者であることは理解できる。しかし、
つながりをうまく築けない若者は多く、子どもの頃からその体験を積み重ねることが、重
要になっている。車や電気、電話などのほか、制度・サービスが十分ではなかった時代か
ら、困ったときには支え合って生ききるための工夫や知恵、技・術を、それぞれの地域の
風土に合わせて受け継いできた。そうした高齢者の経験知を、若者に受け継ぐ、循環型の
地域づくりが求められている。
私たちは、なかなか「“助けて”と言えない」が、その前提には、
「“他人に迷惑をかけて
はいけない”」と躾けられてきたという背景もある。他人に迷惑をかけるくらいなら、
死んだほうがましだと言う方さえいる。支え合いとは、適度な迷惑のかけ合いで、支える
人と支えられる人とがいて成り立つが、支えられることが苦手では致命的である。
若いうちから「助けて」と言える、そして、助けてと言われたら、活躍できる訓練が今
求められている。
子育てママが勉強会に集中したいので、赤ちゃんの応援隊「ベビチアさん」を募集した
まちがある。募集を見て仲間に呼びかけ参加した 80 歳代の女性たちは、頼られてうれし
かったと言う。そしてママたちからは、ハツラツとしたばあちゃんたちを見て、他人に
迷惑をかけることは悪いことではないんですね、と言う声が聞こえてきた。
頼られることが頼られた人の「活躍支援」となる、ということに気づいた瞬間でもある。
〇 「つながり・気にかけ・支え合う地域の実現」は、1事業だけで実現することは難しい
「つながり・気にかけ・支え合う」地域の実現は、ひとつひとつの事業や一人ひとりの専
門職だけでは、成立しない。たとえば、つながり・気にかけ・支え合う地域の絵があると
して、その絵はジグソーパズルのように、何十、何百、何千もの多様な事業、多様な人(ピ
ース)によって成立している。だから、生活支援コーディネーターがそれを実現しようと
しても、生活支援体制整備事業という1ピース(制度)だけでは難しいのだが、それ以外
との協働がうまく進んでいない。
なにより地域とか暮らしとかは、元々複雑に成り立っているので、制度を狭く捉えての
運用では、なかなかうまくは進まない。
生活支援体制整備事業は、サロンや生活支援サービスの創出のみを行うものではなく、
「つながり・気にかけ・支え合う」地域づくりのための『体制整備(基盤)
』であること
を再確認、再認識することが喫緊の課題となっている。
まずは、自分のまちの住民を信じ、住民の暮らしのなかにある「つながり・気にかけ・
支え合い」から学ぶところから始まる。

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