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特定非営利活動法人全国コミュニティライフサポートセンター 提出資料 (29 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33397.html
出典情報 介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会(第2回 5/31)《厚生労働省》
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高知県

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「畑仕事が介護予防」
産直で人も町も元気に
出典:「生活支援体制整備事業をすすめるために」 (高知県

越知町中大平地区
月曜日の出荷作業
「集まつてわいわいするのが楽しみ]

越知町中大平地区は、およそ20世帯50人ほどが暮
らす山問集落。高齢化率は6割を超えている(2017年3
月末時上 。

月曜日の朝9時。道路に面した車庫に7080歳代
の男女十数人が野菜や果物、編みかごなどの工芸品
持つて集まる。産直活動に参加している住民たちだ。野
菜などは、町の観光物産館「おち駅」に出荷するもの。

集落支援員が軽バンでやって来ると、出荷者と品目
を確認し、値札を発行。住民たちは値札の貼り付けを
行う。30分ほどで作業を終えると、支援員が野菜など
をバンに積み込み、「おち駅」へと向かう。

この産直活動は17年4月に始まつた。「おち駅」で販
売する地場産品を十分確保できず、困つた町の関係者
が、自家用の畑作に熱心な中大平の高齢者に余剰作物
の提供を呼びかけたのがきつかけ。登録メンバーは現
在8人だが、その妻や夫も加わり、実際は14ご15人に
なつている。 _

活動の世話役でメンバーの一人、古味文子さん(76
歳) は、「初めは誰も乗り気ではなかった。自家用の野
菜が売れるか不安で…」と振り返る。ふたを開ければ売
「おち駅」の陳列棚に並ぶ
中大平地区の野菜
中大平地区

れ行きは絶好調。不安は自信に変わつた。「頼まれて
嫌々出荷していた人も、すぐやる気満々になつた。月曜
日に集まつてわいわい出荷作業をするのも楽しみ。皆
とても喜んでいる」。

年金以外の収入も得られるようになつた。「少額でも
自分で稼げるのはうれしい。ほしいものを買つたり、孫
に小遣いをあげたりできる。気持ちが前向きになる」 。
月収は多い人で3万円に上る。

役場の産業課や企画課の担当らとともに産直を働
きかけた町地域包括支援センターの保健師、矢野雄二
さんは、「畑仕事は最高の介護予防] と明言。さらに「畑
を『生きがいデイサービス』にすればいい。産直をやれ
ばお金も稼げて、町の産業振興にも貢献できる」 とも。

メンバーたちは、出荷日以外もひんぱんに顔を合わ
せる。「畑に出れば誰かに会う。おしゃべりに夢中に
なっつて、ちっつとも働かずにお昼になっつてしまうことも」
(古味さん) 。お互いの様子をよく把握し、異変があれば
すぐ気づく。畑は見守りの場でもある。

高齢になつても畑仕事を続ける生活文化は、地域包
括ケアの推進に役立つ貴重な地域資源と言える。

2018.3)