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特定非営利活動法人全国コミュニティライフサポートセンター 提出資料 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33397.html
出典情報 介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会(第2回 5/31)《厚生労働省》
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厚労省「介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会」参考資料

日常生活支援や介護予防等に関する提言
CLC 池田昌弘(2023.5.17)
全国各地の大都市、地方都市、商工業地域、集合住宅団地・戸建て団地、農山漁村、中山
間地、離島等を歩くなかで、地域のつながりの希薄化の一方で、地域住民のもつ「つながり・
気にかけ・支え合う」力を実感してきた。
とくに、中心部から最も遠い厳しい条件の地域ほど、地域の結束力は高く、
「何かあって
も、ここまでは役場も来てくれないから」と、高齢者も参加して、なんとかみんなで助け合
って暮らしを維持している。なぜかを問うてみると、制度・サービスが整う何百年、それこ
そ千年も前から、苦労に苦労を重ねて助け合って暮らして来たという。以前に比べ人口も減
り、関係も希薄化したので、今後いつまでできるか不安だけれど、気にかけ、支え合ってい
きたいという声を聞く。
都会にあっても、隣近所を気にかけている人は思いのほか、いるものだ。事件事故が起こ
るたびにマスコミで紹介されるご近所の人たちのなかに、「あの人(家)のことは最近ちょ
っと気になっていたのよ」というものが少なくない。こうした気になることを、たとえば民
生委員や地域包括支援センターにつながっていたらと思うことがある。
自治会長や民生委員、通いの場のリーダー、協議体のメンバーなどからよく聞く話のなか
に、「行政、包括、社協の人たちがニコニコして地域にやってきたら気をつけろ!また何か
やらされるぞ!」というものがある。その一方で、生活支援コーディネーターからの最も多
い相談は、
「住民の主体的な活動を、どうやらせたらいいですか」というもの。どこか、お
かしいことになっているような気が、私はしている。
住民一人ひとりに丁寧に暮らしぶりを聞いてみると、それぞれに自己流だったりするけ
れど健康法があり、また困った時に助け合える仲間とのつながりもたいせつにしている。そ
ういう話をお聞きし、それって凄いことですよとお伝えすると、
「そうだろう!だから昔か
らやっているのよ」と返ってくる。住民との信頼関係を構築した先に、日常生活支援や介護
予防の活動は生み出されるものなのに、相手の暮らしぶりも聞かずに、「こんなことがたい
せつなんですよ」と、行政や専門職から言われてしまったら住民は、
「そうなんですね。じ
ゃあそれやってみますかね」としか言えません。それが悪いことばかりではないことは理解
できるけれど、これをもって「住民主体」「住民主体」と言われてしまうと、どこか「やら
され感」が拭えないのも事実。
専門職も一住民としての目線で、自分のまちの、それぞれに歴史のある地域ごとに、丁寧
に住民と関わり、暮らしぶりや思いを見聞きして、ふだんの暮らしのなかで行っている健康
法や、ご近所や仲間とのつながりや気にかけ、支え合う姿から、何ができていて、何を支援
すればいいのかを見極める、そんなことがたいせつなのに、と思うことが増えてきた。

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