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参考資料2_「がん研究10か年戦略」の推進に関する報告書(中間評価) (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32589.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第10回 4/12)《厚生労働省》
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● シングルセル解析やがん細胞を取り巻く微小環境の解析により、がんが治
療への抵抗性を獲得する要因と考えられるがんの多様性や不均一性への理解
が進んできた。こうした研究をさらに進め、治療への抵抗性を獲得したがんへ
の治療戦略を開発するべきである。その際、近年進歩してきている分子・細胞
イメージングを活用した新たな切り口での研究も推進すべきである。


遺伝子パネル検査の研究及びその医療の実装に伴い、各がん種において、
新たに今まで想定されていなかった遺伝子異常が見つかってきている。ゲノ
ム解析を含めたオミックス解析の技術を活用し、効率的にがんを克服するた
めの標的を見つけていく研究を推進すべきである。



ポストゲノム時代の層別化医療として、設計図である遺伝子の変異だけで
はなく、プロテオームやメタボローム等の情報を活用し、薬剤の効果と関連
する標的を探索する研究を推進すべきである。また、がん細胞は通常と異な
る代謝経路を用いることから、代謝調整剤ががんに対して効果を発揮する可
能性が報告されていることを踏まえ、がんに特異的な代謝回路に着目した研
究を推進すべきである。



RAS 遺伝子や TP53 遺伝子などの主要ながん促進に関わる遺伝子(ドライバ
ー遺伝子)を標的とした薬剤の開発は世界でも進んでいない。これらの主要
なドライバー遺伝子を標的とする薬剤を開発するため、主要なドライバー遺
伝子に関する理解をより深める研究を推進すべきである。



これまでの研究開発の中心的な対象ではなかった小児・AYA世代や高齢
者のがんについて、当該世代の身体機能やがんの機序に着目した適切なアプ
ローチを検討するため、小児・AYA世代や高齢者のがんの本態解明に関す
る研究を推進すべきである。



今後も新たな治療標的が見出されると考えられるが、これらを創薬につな
げていくためトランスレーショナルリサーチを引き続き促進していくととも
に、リバーストランスレーショナルリサーチを促進し、原因解明を通じて新
たな開発につなげるべきである。

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