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参考資料2_「がん研究10か年戦略」の推進に関する報告書(中間評価) (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32589.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第10回 4/12)《厚生労働省》
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2.

戦略の後半期間に取り組むべき研究について

国によるがん研究の支援は、主に AMED の研究費と厚生労働科学研究費補助
金(以下「厚労科研」という。)によって実施されてきた。具体的研究事項
(1)〜(6)については、主に AMED のジャパンキャンサーリサーチプロジ
ェクト、具体的研究事項(7)及び(8)については、厚労科研によって研
究を推進してきた。平成 29 年度厚労科研がん対策推進総合研究事業「がん研
究10か年戦略の進捗評価に関する研究」
(研究代表者:国立がん研究センタ


藤原康弘)において、研究の成果報告書の調査・分析及び関連学会、患

者団体、AMED のプログラムスーパーバイザー、プログラムオフィサー等への
ヒアリング等により、戦略の進捗評価を行っている。同報告書も踏まえ、今
後のがん研究のあり方に関する有識者会議にて議論を行った結果、解消され
ていない課題はあるものの、がん研究全体として、概ね順調に進捗している
ものと評価された。一方で、戦略が開始されてから5年の月日が流れ、各具
体的研究事項については、新たに抽出された課題も明らかになってきた。こ
うした課題を踏まえた後半期間に取り組むべき研究の方向性を以下にまとめ
る。なお、複数の柱に関わる事項に関しては、新たに「横断的事項」として
整理のうえ、8つの具体的研究事項とは別の項目としてまとめる。
(1)がんの本態解明に関する研究
がんの本態解明は、がん克服の根幹であり、がん予防の確立やがん医療の推
進のためには欠くことができない。そのため、がんが発生し、治療抵抗性等の
生物学的悪性度を獲得しながら、浸潤、転移をしていく多段階過程の分子機構
の全貌を明らかにし、これらに関する理解を基盤として、革新的な治療や予防
の標的を同定することが重要とされている。これまで、腸内細菌叢が肝がんに
与える影響や、成人T細胞白血病・リンパ腫(以下「ATL」という。)の患者に
おいて薬物療法が効果を示しやすい患者群の同定等、今後の治療法開発や治療
の個別化につながる成果を得てきた。しかしながら、引き続き、マルチオミッ
クス等統合的な解析や、従来の手法とは異なる切り口でのアプローチを行うこ
とで、さらに理解を深める必要がある。また、がんの本態解明だけではなく、
がん患者の身体的・精神心理的な苦痛に関する機序の解明も進めることで、新
たな支持療法や緩和治療の開発を進めることにもつながると考えられる。
以上を踏まえ、戦略の後半期間に支援していくべき研究の方向性は以下のとお
り。
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