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○令和4年度診療報酬改定に係る検討状況について(説明) ○意見発表者による意見発表、中医協委員からの質問 (44 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00135.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第512回  1/21)《厚生労働省》
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一般病院(国公立を除く)、一般診療所(医療法人)ともに、新型コロナウイルス感染
症関連の補助金がなければ約半数が赤字、一般病院では、新型コロナウイルス感染症関
連の補助金を含めても、赤字病院が4割を超える。そのため借入金に依存しているが、
コロナ前への回復はほど遠く、返済に窮することにもなりかねない。
個人立歯科診療所の前年(度)の損益差額は前々年(度)比でマイナス 8.4%であり、
補助金を加味してもマイナス 2.0%と依然として厳しい経営実態が明らかとなった。
薬局は新型コロナ感染拡大の影響を大きく受け個人立・法人立とも保険調剤に係る収
益が減少し、その結果、損益差額が悪化した。補助金を含めると、若干の損益差額の改
善は見られたものの、元の水準に回復するレベルではない。
このように医療機関等の経営はきわめて厳しいうえ、光熱費等の物価の上昇にもさい
なまされ、再生産どころか現状の綻びを手当てすることすらできない。
◇ コロナ医療と通常医療を両立できる医療提供体制の再構築
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、わが国の医療提供体制は多大な影響を
受け、通常医療を制限するなど地域医療は厳しい対応を迫られた。長年にわたる医療費
抑制政策により、医療機関経営がギリギリの状態に追い込まれてきた結果である。本来
は、急な新興感染症等の流行などの有事の際にも即座に対応できるよう、平時の医療提
供体制の余力が必要であり、そのためには盤石な医療機関経営が求められる。
本年5月21日に成立した改正医療法では、令和6年度から開始する都道府県の第8
次医療計画において、5疾病5事業の6事業目として「新興感染症等の感染拡大時の医
療」が位置づけられた。今後の医療計画の実行にむけて、診療報酬は地域医療に寄り添
ったものでなければならない。
さらに、人生100年時代の医療として、今後ますます、かかりつけ医が多職種と協
働しつつ「防ぎ・治し・支える医療」を担っていくことが求められる。全世代型の社会
保障制度の実現を図り、国民が将来にわたり、必要な医療・介護を安心して受けること
ができるよう、政府に対して適切な財源の確保を要請する。
◇ 医療の充実が経済成長、地方創生につながる
政府が、「成長と分配の好循環」を実現するため、看護、介護などの現場で働く従事者
の収入を引き上げることとしたことを評価する。
さらに、すべでの医療従事者を適切に評価することが望まれる。医療は、医師、歯科
医師、薬剤師、看護職、歯科衛生士、管理栄養士、放射線技師、臨床検査技師、理学療
法士、作業療法士、看護補助者(介護福祉士、医師事務作業補助者等)その他、多種多
様な職種が1つのチームとなってかかわっているものである。また、医療への財源の投
入は、幅広い産業に波及するとともに、日本の技術革新にもつながっていく。さらに、
就業者に占める医療従事者の割合が高い地域では、医療が地域経済の要となっていると
ころもある。
医療従事者の評価の充実は、雇用の拡大、地方創生、さらには経済成長につながり、
医療従事者の賃金の上昇を通じて、経済の好循環を生み出していく。医療機関等がそれ
ぞれの状況に応じて幅広く、かつ恒久的な賃上げを行うことができるだけの原資を確保
するために、令和4年度の診療報酬改定で十分な手当てがされなければならない。
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