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【資料No.1】1.7_同種同効品一覧表 (25 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》
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14.1.2 患者1人あたり1バイアルを冷蔵庫から取り出し、希釈前に
室温で遮光して約15分間静置すること。
14.1.3 溶液に粒子や変色がないこと、バイアルに欠陥がないこと
を目視で確認すること。これらの異常が認められた場合は使用
しないこと。
14.1.4 気泡ができないように穏やかにバイアルを数回回転させ、
激しく振とうしないこと。
14.1.5 バイアルから8mLを取り、点滴バッグへ添加すること。
14.1.6 点滴バッグを穏やかに3~5回前後に揺り動かす。点滴バッ
グの反転は避け、気泡ができないようにすること。
14.1.7 本剤は調製後すみやかに点滴静注すること。希釈後の溶液
を保存する場合は25℃以下で保存し、6時間以内に投与を完了す
ること。低温(2~8℃)で保存した場合は、使用時に溶液を室
温に戻し、希釈時から24時間以内に投与を完了すること。
14.1.8 バイアルの残液は廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 他の薬剤と同時に投与しないこと。生理食塩液又は5%ブ
ドウ糖注射液以外との適合性は不明である。
14.2.2 タンパク質低吸着性の0.2µmインラインフィルター(ポリ
エーテルスルホン製等)を使用することが望ましい。
14.2.3 点滴静注は室温で30分かけて行うこと。

注3)有意水準両側0.02758。試験全体の有意水準は両側0.05とし、中間解
析による仮説検定の多重性の調整方法としてHwang-Shih-DeCani
(γ=1)型のLan-DeMetsのα消費関数が用いられた。
なお、本試験の主な選択・除外基準は表2のとおりであった。
表2

15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
他の抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体が投与された高流量酸
素又は人工呼吸器管理を要する患者において、SARS-CoV-2に
よる感染症の徴候や症状の悪化(発熱、低酸素症、呼吸困難、不
整脈、倦怠感、精神状態変化等)が報告されている。
[5.2参照]

副作用発現頻度はソトロビマブ群で2%(8/523例)であった。その内訳
は、発疹、皮膚反応、悪心、注入部位疼痛、疼痛、血中重炭酸塩減少、
C-反応性蛋白増加、AST増加、血中ALP増加、γ-GTP増加、酸素飽和
度低下、味覚不全、頭痛、不眠症でいずれも1%未満(各1/523例)であっ
た。[5.1、7.参照]

16. 薬物動態
16.1 血中濃度
18歳以上のSARS-CoV-2による感染症患者にソトロビマブ500mgを1時間か
けて単回点滴静注した時の薬物動態パラメータを表1に示す(外国人データ)

表1

ソトロビマブ500mgをSARS-CoV-2による感染症患者に単回点滴静
注した時の薬物動態パラメータ(外国人データ)

薬物動態
Cmax
C28注1)
AUC0-28注2)
t1/2
パラメータ
(µg/mL) (µg/mL)(day・µg/mL) (day)
平均値±標準偏差 219±100 25.8±8.3
1529±147
49.3±7.3
各9例
注1)投与28日後の血清中濃度(C28):363例
注2)8例
17. 臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 海外第Ⅱ/Ⅲ相試験(COMET-ICE試験、214367試験)
18歳以上のSARS-CoV-2による感染症患者を対象としたプラセボ対照無
作為化二重盲検並行群間比較試験であり、ソトロビマブ500mg又はプラ
セボを1時間かけて単回点滴静注した。主要評価項目は無作為化後29日目
までにSARS-CoV-2による感染症の疾患進行(何らかの疾患の急性期管
理のための24時間超の入院、又は理由を問わない死亡と定義)のイベン
トが認められた被験者の割合とされた。中間解析(2021年3月4日データ
カットオフ)における主要評価項目の結果は、ソトロビマブ群1%(3/291
例)及びプラセボ群7%(21/292例)であり、調整相対リスク低下率は
85%(97.24%信頼区間:44%, 96%)であり、試験は早期有効中止された
(p=0.002)。また、最終解析(2021年4月27日データカットオフ)におけ
る主要評価項目の結果は、ソトロビマブ群1%(6/528例)及びプラセボ群
6%(30/529例)であり、調整相対リスク低下率は79%(95%信頼区間:
50%, 91%)であった(p<0.001)。
表1
中間解析

ITT集団における主要評価項目の結果

イベント発現割合
調整相対リスク
低下率注1)、 注2)
(97.24%信頼区間)注2)
p値注3)
最終解析
イベント発現割合
調整相対リスク
低下率注1)、 注2)
(95%信頼区間)注2)
p値

ソトロビマブ群

プラセボ群

1%(3/291例)

7%(21/292例)

85%
(44%, 96%)
0.002
1%(6/528例) 6%(30/529例)
79%
(50%, 91%)

主な選択・除外基準

選択基準 1.SARS-CoV-2陽性(組入れ前7日以内に採取された検体を
用いたRT-PCR検査、抗原検査等により確認)
2.SARS-CoV-2による感染症に合致する症状を有し、かつ、
当該症状発症が組入れ前5日以内
3.酸素飽和度が94%以上(室内気)
4.次のSARS-CoV-2による感染症の重症化リスク因子を少な
くとも一つ有する
・55歳以上
・薬物治療を要する糖尿病
・肥満(BMI 30kg/m2超)
・慢性腎障害(eGFRが60mL/分/1.73m2未満)
・うっ血性心不全(NYHA心機能分類クラスⅡ以上)
・慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患又
は労作時の呼吸困難を伴う肺気腫)
・中等症から重症の喘息(症状コントロールのために吸入
ステロイドを要する又は組入れ前1年以内に経口ステロイ
ドが処方されている者)
除外基準 1.入院中の患者、又は治験責任医師により組入れから24時間
以内に入院を要する可能性が高い若しくは7日以内に死亡に
至る可能性が高いと判断される患者
2.重度のSARS-CoV-2による感染症に一致する症状(安静時の
息切れ、呼吸窮迫、酸素投与を要すると定義)を有する患者
3.重度の免疫不全状態の患者
4.SARS-CoV-2による感染症に対するワクチンを無作為化前に
接種した患者、又は治験薬投与後4週間以内に接種予定の患者

18. 薬効薬理
18.1 作用機序
ソトロビマブは、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメイ
ン上のACE2受容体結合部位とは異なる部位に結合し、SARS-CoV-2に
対する中和作用を示す。また、in vitro において、SARS-CoV-2スパイク
タンパク質を発現する細胞に対し抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性及
び抗体依存性細胞貪食(ADCP)活性を誘導した。
*18.2 In vitro における抗ウイルス活性
ソトロビマブは、SARS-CoV-2(野生型USA-WA1/2020分離株)に対
し、濃度依存的な中和作用を示した(EC50の平均値:100.1ng/mL)。ま
た、懸念すべき変異株(VOC)及び注目すべき変異株(VOI)のうち、
alpha株(B.1.1.7系統)、beta株(B.1.351系統)、gamma株(P.1系
統)、delta株(B.1.617.2、AY.1、AY.2及びAY.4.2系統)、B.1.427
系統、B.1.429系統、eta株(B.1.525系統)、iota株(B.1.526系統)、
kappa株(B.1.617.1系統)、lambda株(C.37系統)、mu株(B.1.621系
統)及びomicron株(B.1.1.529系統)にみられるスパイクタンパク質の
主要変異を導入したシュードタイプウイルスに対して中和活性を保持して
いることが示唆された(EC50は野生型の0.35~2.7倍)。[5.3参照]
18.3 耐性
18.3.1 非臨床試験成績
抗体注)濃度を漸増させて実施したin vitro 耐性選択試験において、モノク
ローナル抗体耐性変異としてE340Aが同定された。ソトロビマブのエピト
ープに変異を導入したシュードタイプウイルスの試験では、E340、P337
及びK356への変異導入により感受性の低下がみられた(中和活性のEC50
は野生型の5.13~297倍超)。
注)ソトロビマブのFc領域に3アミノ酸変異が加えられている以外同一の
構造の抗体
18.3.2 臨床試験成績(2021年5月18日データカットオフ)
COMET-ICE試験では、ベースライン後に塩基配列解析が可能であった
ソトロビマブ群の被験者45例のうち、ベースライン以降にエピトープの変
異[アレル頻度(%)]が10例[E340K(≥99.7%):4例、S359G(12.2%
及び8.3%):2例、A344V(6.2%)、R346G(5.2%)、K356R(7.5%)、
C361T(6.0%):各1例]に検出された。

<0.001

注1)
(1−ソトロビマブ群のイベント発現割合/プラセボ群のイベント発現
割合)×100
注2)投与群、症状発現からの時間、年齢、性別を共変量とした正確ポア
ソン回帰モデル

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