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新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に向けた中長期的な課題について (5 ページ)

公開元URL https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/coronavirus_yushiki/index.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議(第5回 6/15)《内閣官房》
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のデータから推計した死亡数との差)の推計によれば、人口規模の影響を
受けない人口 10 万人当たりの超過死亡数で見たとき、我が国の超過死亡

数は 2020 年が▲24、2021 年が8で、平均した値で▲8と推計されてい

る。これは、他の主要先進国である米国(140)、イタリア(133)
、ドイツ

(116)
、英国(109)、フランス(63)と比較しても、かなり低い数字とな
っている。この推計結果からは、我が国は諸外国と比較して高齢化率及び

都市人口割合が高い中で、コロナ禍にあって死亡者全体を増やさなかった

ということができる。なお、医療関係者の尽力と国民各層の協力が、この

ような結果の一因であることは間違いないが、どの要因がどの程度寄与し

たのかについては、我が国の医療制度や公衆衛生政策、社会文化的要因、

遺伝的要因など様々な要因も指摘されており、明確な結論は出ていない。
コロナ禍は、経済にも影響を及ぼした。これまでの経済動向を実質 GDP

の動きで概観すると、最初の緊急事態宣言を行った 2020 年4-6月期に
大きく落ち込んだものの、足下の 2022 年1-3月期では感染症発生前

(2019 年 10-12 月期)と概ね同水準となっている。アメリカ、イギリス、

ドイツ、中国の実質 GDP の動きを見ると、各国とも 2020 年4-6月期

に大きな落ち込み(中国は同年1-3月期)を経験するものの、米英中は
2022 年1-3月期で感染症発生前の水準を上回っている一方で、ドイツ
は我が国と同様に感染症発生前と概ね同水準となっている。我が国は、こ

れらの四か国と比較して、コロナ禍の期間の GDP の落ち込みが少なかっ
た一方、その後の回復と成長の速度は緩やかである。

こうした政府の 2 年超の取組の詳細は、政府において別添のように整理

がなされている。

政府の取組を改めて振り返ると、次々と出現する変異株等変化する状況

と課題に対し、医療機関、事業者、専門家、地方公共団体をはじめ国民各

層の協力を得て、最大限対応しようとしてきたことについては理解できる。
しかしながら、専門家との関係を含めた意思決定プロセスが明確だった

か、科学的な知見に基づく評価・分析は十分だったかなどの点において問

題がなかったとは言えず、また、保健所や自宅・施設で療養する方の健康

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