よむ、つかう、まなぶ。
総-2医薬品等の費用対効果評価案について (8 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73124.html |
| 出典情報 | 中央社会保険医療協議会 総会(第650回 5/13)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
デルビ群の ORR の高さが患者 QoL に与える影響は、EORTC QLQ-C30 を用いた PRO によって客観的に
示されている。
既報の QoL モデルおよび日本人データとの一貫性
Lloyd et al., 2006 で示された転移性乳癌の QoL 値の予測モデルにおいて、治療における奏効
(Treatment response) の状態は安定・維持 (Stable)の状態よりも QoL 値が 0.075 高く設定されて
おり、その QoL 値は高い方から奏功>安定・維持>進行という順に明確化されている。この転移性
乳癌の QOL 予測モデルを検証した Iwatani et al., 2021 の報告では、実際の日本人患者の測定値
と比較した平均誤差が-0.1055 であり、日本人患者の QoL 値予測においてもこのモデルが有用であ
ると結論付けている。そのため、腫瘍縮小 (奏功)が QoL 値を改善するという設定は日本人患者を対
象に妥当性が検証された転移性乳がんの QoL 予測モデルでも採用されており、企業分析に一貫性が
ある。
進行後 (PD)の状態への波及効果
ASCENT 試験において、TPC 群はトロデルビ群に比べて治療期間が著しく短く、多くの患者が試験
から脱落している。また、TPC 群のベースラインデータを用いた事後解析結果から、TPC 群の脱落患
者は非脱落患者に比べて QoL スコアが悪化していると想定される。このような特性を有する QoL 値
を単純に平均化することは、少なくとも TPC 群の QoL 値を過大評価するバイアスを生じさせると解
釈できる。そのため、ASCENT 試験の TPC 群の QOL データ欠測は、病状悪化による早期脱落に起因す
ると想定されるものであり、QoL 値の平均値を両群に用いることは TPC 群の QoL 値を過大評価する
バイアスを生じさせうる。
欠損データが与えるバイアスの低減
ASCENT 試験に基づくと、トロデルビ群は TPC 群と比べて高い ORR を示しており、PD 状態に移行し
た場合にも、その腫瘍負荷が縮小した状態から再び進行が始まると想定される。したがって、PD 状
態でトロデルビ群が TPC 群と比べて良い QoL 値が維持されることは臨床的に解釈可能な仮説であり、
少なくとも同一の QoL 値ではないと示唆される。また、NICE の報告書において、英国の主要な医療
センターの複数の臨床専門医も ASCENT 試験から得られた HRQoL データに基づいて「PD 状態におい
てトロデルビ群が TPC 群よりも高い QoL を示すことが臨床的に妥当である。
」と同意しており、その
根拠として、トロデルビ群が TPC 群よりも多くの患者で腫瘍径が縮小していることを挙げた。その
ため、トロデルビ群は PFS での高い奏功により、 TPC 群よりも PD での腫瘍負荷が少なく全身状態が
良好であるため、PD でも QOL 上のメリットが持続すると想定される。
以上を踏まえ、専門組織で議論し、QOL 値について、下記の通り、公的分析が妥当であると考えられた。
公的分析における「同一の健康状態には同一の QOL 値を適用する」という前提は、評価の透明性
を確保する観点から妥当と考えられる。
同一の健康状態であれば、同一の QOL 値を設定することが適切である。
企業分析では、ASCENT 試験におけるトロデルビ群の PFS は高い奏効率に基づく腫瘍縮小を伴う期
間であり、TPC 群の PFS とは質的に異なる可能性があるとして、比較群間で異なる QOL 値が適用さ
れている。一方、本モデルで設定されている健康状態は PFS、PD、Death の 3 状態のみであり、腫
8
示されている。
既報の QoL モデルおよび日本人データとの一貫性
Lloyd et al., 2006 で示された転移性乳癌の QoL 値の予測モデルにおいて、治療における奏効
(Treatment response) の状態は安定・維持 (Stable)の状態よりも QoL 値が 0.075 高く設定されて
おり、その QoL 値は高い方から奏功>安定・維持>進行という順に明確化されている。この転移性
乳癌の QOL 予測モデルを検証した Iwatani et al., 2021 の報告では、実際の日本人患者の測定値
と比較した平均誤差が-0.1055 であり、日本人患者の QoL 値予測においてもこのモデルが有用であ
ると結論付けている。そのため、腫瘍縮小 (奏功)が QoL 値を改善するという設定は日本人患者を対
象に妥当性が検証された転移性乳がんの QoL 予測モデルでも採用されており、企業分析に一貫性が
ある。
進行後 (PD)の状態への波及効果
ASCENT 試験において、TPC 群はトロデルビ群に比べて治療期間が著しく短く、多くの患者が試験
から脱落している。また、TPC 群のベースラインデータを用いた事後解析結果から、TPC 群の脱落患
者は非脱落患者に比べて QoL スコアが悪化していると想定される。このような特性を有する QoL 値
を単純に平均化することは、少なくとも TPC 群の QoL 値を過大評価するバイアスを生じさせると解
釈できる。そのため、ASCENT 試験の TPC 群の QOL データ欠測は、病状悪化による早期脱落に起因す
ると想定されるものであり、QoL 値の平均値を両群に用いることは TPC 群の QoL 値を過大評価する
バイアスを生じさせうる。
欠損データが与えるバイアスの低減
ASCENT 試験に基づくと、トロデルビ群は TPC 群と比べて高い ORR を示しており、PD 状態に移行し
た場合にも、その腫瘍負荷が縮小した状態から再び進行が始まると想定される。したがって、PD 状
態でトロデルビ群が TPC 群と比べて良い QoL 値が維持されることは臨床的に解釈可能な仮説であり、
少なくとも同一の QoL 値ではないと示唆される。また、NICE の報告書において、英国の主要な医療
センターの複数の臨床専門医も ASCENT 試験から得られた HRQoL データに基づいて「PD 状態におい
てトロデルビ群が TPC 群よりも高い QoL を示すことが臨床的に妥当である。
」と同意しており、その
根拠として、トロデルビ群が TPC 群よりも多くの患者で腫瘍径が縮小していることを挙げた。その
ため、トロデルビ群は PFS での高い奏功により、 TPC 群よりも PD での腫瘍負荷が少なく全身状態が
良好であるため、PD でも QOL 上のメリットが持続すると想定される。
以上を踏まえ、専門組織で議論し、QOL 値について、下記の通り、公的分析が妥当であると考えられた。
公的分析における「同一の健康状態には同一の QOL 値を適用する」という前提は、評価の透明性
を確保する観点から妥当と考えられる。
同一の健康状態であれば、同一の QOL 値を設定することが適切である。
企業分析では、ASCENT 試験におけるトロデルビ群の PFS は高い奏効率に基づく腫瘍縮小を伴う期
間であり、TPC 群の PFS とは質的に異なる可能性があるとして、比較群間で異なる QOL 値が適用さ
れている。一方、本モデルで設定されている健康状態は PFS、PD、Death の 3 状態のみであり、腫
8